かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場
第50回最終選考会(2007年10月12日開催)
ENTRY No.1

ビジネスアイディアのテーマ
『コンテンツベースのロボットビジネス』

ビジネスアイデアの提案者
株式会社イクシスリサーチ
 山崎 文敬(やまさき ふみのり)

  【川崎市幸区】

かわさき起業家賞
起業家協会賞
りそな神奈川応援賞
山崎 文敬さん

ビジネスアイディアの概要について
2005年に開催された愛知万博を機に、人型ロボットを始めとする様々なロボットが注目を集め始めてきており、また、日本ロボット工業会は2025年にはロボット市場は6兆円になると試算している。しかし、実際のロボット市場をみると、大手企業はマーケット規模が小さすぎるという理由で撤退傾向にあり、中小企業もロボットのキラーコンテンツ不足により、市場規模拡大に苦労している。
一方、既存のロボットを見てみると、その多くは既に市場を確立しているパーソナルコンピュータや携帯電話でも実現可能なコンテンツしか持っておらず、ロボットの優位性は低く、ロボットを作る、または所有すること自体が目的となってしまっており、用途についての探求が全く不足している状況である。パーソナルコンピュータや携帯電話にはなく、ロボットが独自に保有する機能である「動き」や「ものづくり」をキーワードとしたコンテンツからロボットのビジネスを提案する。
日本の伝統芸能を踊るロボット

新規性・優位性について
現在のロボットが技術に着目し、高性能化の一途を辿っているが、サービスやインフラなどのソフト面の充実なくして市場拡大は見込めない。そのため現状のロボットは、今後出てくるであろう様々な用途に対応できるように冗長なシステムを構築しているために、結果として高価になってしまっている。我々はコンテンツオリエンテッドなロボット開発をすることで、無駄な機能を省き、コンテンツの対価に見合った価格でロボットを社会に提案し、社会のニーズとマッチさせることで、社会普及率を加速させ市場創出において、他のロボットに対する優位性を確保できる。

市場について
  • 主なターゲット・市場の規模
    「動き」のコンテンツのメインターゲットとなるカーナビ市場は国内市場向けだけでも年間300万台を越えており、平均価格は10万円を超えている3,000億円市場を構築している。一方、「ものづくり」のメインターゲットとなる教育市場は約1兆円と言われ、少子高齢化による一人当たりの子供にかける養育費の高騰により、補助学習費(学習塾等)は年間10万円以上に達している。またゲーム業界は1300億円といわれている。
  • 市場での競争力
    「ナビロボ」のカーナビ市場、「カードDEチャレンジSimROBOT」の教育・ゲーム市場、どちらも、現在のロボット市場にはない新しい観点からのコンテンツであり、特に後者は、大手ゲームメーカーとのタイアップという理由から、圧倒的競争力を有すると考えられる。

実現性について
  • 実施スケジュール
    「ナビロボ」は既に実証実験を終え、そのコンテンツとしての有効性が確認されている。そのため、現在はビジネスパートナーを模索中であり、見つかり次第実施可能な状況にある。一方、「カードDEチャレンジSimROBOT」は、2007年7月より名古屋のミュージアムにて試験的に稼動させている。こちらも市場が見つかり次第投入可能である。
  • 実施場所
    川崎市幸区の株式会社イクシスリサーチ本社にて実施予定
  • 実施体制(従業員等)
    どちらも、コンテンツの実現に的を絞ったロボットシステムであり、技術的には既に解決済みである。そのため、現在の従業員(8名)のうち、メカ・ハード・ソフト・営業から1名ずつの投入で実現可能である。
  • ビジネス・パートナー
    「ナビロボ」はカーナビメーカーへ打診する予定である。
  • リスクとその管理
    どちらのロボットシステムも、自立移動タイプのロボットシステムではないため、経産省の定める「次世代ロボット安全確保ガイドライン」には該当しない。また、弊社のエンジニアは既にNPO法人安全工学研究所の講習会を受講済みで、企画段階からのリスクアセスメントを行っている。

このページの内容は、受賞者の文責による最終選考会プログラム(当日配布)の内容を転載したものです。
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