かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場
第58回最終選考会(2009年3月6日開催)
ENTRY No.7

ビジネスアイディアのテーマ
味覚センサによる味のものさしづくりと味の視覚化

ビジネスアイデアの提案者
株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー
池崎秀和(イケザキヒデカズ)

【東京都港区】

かわさき起業家優秀賞
りそな神奈川応援賞
はまぎん賞
会場応援賞
池崎秀和さん

ビジネスアイディアの概要について
味覚センサ

九州大学都甲研究室とともに開発した人間の舌を模倣した味覚センサを用いて味の数値化技術を提案。旨味、苦味、渋味などの基本味および後味、コクやキレなどを数値化している。
「味の数値化」を実現する味認識装置は、食品業界全体の評価基準として、官能評価の強力なツールとして使われている。味の好みの地域差、男女差や年齢差、味のトレンドや他社の動向や戦略が味のマップとして見える。新商品のコンセプトや目標が数値データで明確になり、開発が早くなり、どこまで達成したかも目で確認できる。また、努力し創意工夫して開発された商品の味が見えるため、社内のトップ、バイヤーや消費者に、努力や創意工夫点が正当に評価さる。


新規性・優位性について

味の評価は、人の官能検査で行われているが、官能検査の統一基準はなく、各社毎の個々の価値基準で行われている。さらに、個人差や疲労で官能検査の誤差が大きい問題もある。化学分析では、味物質の種類が莫大にあり総合的な味が分析できない。また、コーヒーに砂糖を入れるとコーヒーの苦味が消えるといった相互作用が拾えない。
そこで、我々は人の舌の味覚受容メカニズムを模倣して味覚センサを創り、味のものさしを創った。基本味(酸、苦、旨、塩、渋)はもとより、後味、コクやキレの定量化ができた。現在約200社に導入され、マーケティング、開発、営業PR、および品質保証に活用されている。


市場について
  • 主なターゲット・市場の規模
    食品や医薬品の開発と品質管理で使用。味認識装置と消耗品の潜在市場は国内20億円/年、海外で100億円/年。
  • 市場での競争力
    人の感覚を数値化する味センサは、他に無い。公共の研究機関18箇所の共同研究による実績。
    食品業界で既にディファクトスタンダード化が進んでいる。

実現性について
  • 実施スケジュール
    技術的課題(甘味センサ開発、医薬品用苦味センサ開発、油を含む食品への応用)を平成21年度に行い、平成22年度中にサービス体制とセンサの製造体制を強化して量産化を図る。その後 価格戦略を行い、消耗品ビジネスを増やす。現在は、消耗品(センサー部、測定溶液)は売上げの15%であり、5年で売上げの50%程度にして経営の安定化を図る。
  • 実施場所
    本社(神奈川県厚木市)と九州大学
  • 実施体制(従業員等)
    技術的開発は15名(Dr7人、Drコース2名)。
    九大を始め公的研究機関18カ所との共同研究。
  • ビジネス・パートナー
    ㈱味香り戦略研究所、東北アンリツ㈱、㈱長谷川製作所、㈲ハイロック)、㈱樋口商会、大日本印刷㈱、アンリツ産機システム㈱、日本電気㈱、ロファーマ社(伊)、テックラボ社(独)、PPM社(英)ドイツ理化電機(独)
  • リスクとその管理
    大手の参入。特許とノウハウで防衛。公共の研究機関からのお墨付きが重要。

このページの内容は、受賞者の文責による最終選考会プログラム(当日配布)の内容を転載したものです。
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