かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場 第82回最終選考会(2013年3月15日開催)

Entry.4


ビジネスアイディアのテーマ

『共生醗酵技術を応用した広範囲なビジネスの展開』

ビジネスアイデアの提案者

株式会社シマ・ビケン

戸島 裕司(トシマ ヤスシ)

【東京都港区】

かわさき起業家優秀賞

戸島 裕司 さん

 

 

ビジネスアイディアの概要について

 当社では、従来の酵母技術(単生醗酵)とは異なり、多種の酵母を「共生醗酵」させて、多様な機能を持つ”代謝物”の生産方法を研究開発しています。共生醗酵により、様々な野菜・果実類や第一次食材(植物・魚・畜肉等)を醗酵させ、第二次食材(食品加工物)とすることができます。第一次食材に内在する有効成分と酵母生成物の組み合わせにより、「機能性食品」を開発することができます。醗酵により栄養価も高まり、吸収性も良いため介護・病人食、育児食にも適しています。

新規性・優位性について

 酵母の醗酵は、「単種、もしくは親種のものでしか醗酵しない」とされてきました。他種の酵母同士では相性が悪く、一種のみ繁殖するか または全ての種が全滅してしまうということが定説でした。しかし、当社は長年にわたる研究の結果、培地の作り方しだいでは、「共生醗酵」が可能であることを発見しました(関連特許取得、申請済み)。また、第一次食材を「共生醗酵法」により、第二次食材として醗酵ピューレ化(半液状化)することにも成功しました。共生醗酵による抗菌・抗酸化機能により、常温で長期保存することも可能です。

市場について

主なターゲット・市場の規模

応用分野は広く、一般食品、機能食品、加工食品、肥料・飼料、化粧品、医薬品などが市場として想定されます。介護・病人食、育児・給食市場も有力な市場です。和洋生菓子・デザートは約1兆7,800億円、高齢者用食品は約1,000億円、病人用食品は約350億円の市場規模となっています。

市場での競争力

醗酵技術関連企業は数多く存在しますが、酒造、味噌、パンなど特定の醗酵技術に特化している企業が大半であり、当社のように「共生醗酵」技術を有する企業は稀有な存在です。また多くの企業は、酵母の研究から最終製品の製造までを垂直展開しています。当社は最終製品を製造するばかりではなく、食品メーカー、化粧品メーカー等に技術を供与し、戦略的な関係を目指していきます。

実現性について

実施スケジュール

2013年に指宿研究所・生産工場を拡張し、健康食品・機能食品・化粧品・農業六次化関連の種菌を開発します。以降、順次、応用範囲を拡大していきます。

実施場所

本社(東京都港区)、指宿研究所・工場(鹿児島県指宿市)

実施体制

従業員10名、うち研究職は4名です。必要に応じ増員を検討していきます

ビジネスパートナー

顧問・農学博士 橋永文男(鹿児島大学農学部名誉教授)、当社取締役・太院億(タインオク)はミャンマー大学教授であったが、橋永氏の紹介で当社雇用。大学内で同教授の指導を受け当社の醗酵で博士号取得。

リスクとその管理

特許申請、営業機密保持により技術要素を守っています。現在、共生醗酵に関して、競合は存在しませんが、有望市場であり他社が追随する可能性はあります。

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