かわさき産業デザインコンペ 川崎市
グランプリ  1点
課題テーマ 作品名 受賞者
 課題H : バルーン照明を用いた用途開発 Light Roof oodesign 大村 卓
審査委員のコメント

(倉方審査委員長)

主に夜間の工事現場などで使用されていたバルーン照明を、公共空間を豊かに演出する道具として提案している所に夢を感じる。モデルは初期のアイデアスケッチとは形状が変わってしまったが、光る天井というタイトルが示唆するように、いろいろな可能性や多様性を思い描くことが可能だ。さらに制作に当たっては、部品点数も少なく、特殊な加工をせずに既存技術の発展型としてまとめている点も高く評価したい。

(福田審査委員)

これまでの工事現場等で確認できるバルーン照明は、一般用照明としてはやや眩しさが気になるところである。本案では縫製による同心円がかえって巧みなグラデーション効果を醸し出しており、周辺を程よく照射することに成功している。
 エコデザインの観点からは、少ない素材で照明効果を上げ、資源生産性にも優れている。
またトータルな形態は、新しいコミュニケーションの場という新価値を誘発する魅力的なデザインに仕上がっている。

(森山審査委員)

木陰が昼間の太陽光を遮るものなら、この提案は逆に夜間、「光の木陰」をつくりだすことができそうだ。「用途開発」というデザインコンペにおいてやや珍しい課題に対し、逆説的なこのアイデア「光の木陰」が素晴らしい。このバルーンを連ねることで光の木陰エリア、木陰ストリートもできる。バルーン照明によって現代的で潤いのある空間を生むデザイン提案になっていること、空気を充填する時間の短さ、部品点数の少なさを評価したい。

(武者審査委員)

発想段階の一次パネルから実寸サイズのモデル制作の最終審査段階にはかなりの困難が伴うものだが、実際の商品化において重要となる「安全性」の視点も確保しながら形態の美しさと空間作りを目指した点は秀逸である。

(戸谷審査委員)

近年、夜間の工事現場でよく見かけるバルーン照明。十分な照度は持つものの、その形状は、普段の生活にいまひとつ、そぐわないものだった。
今回グランプリを獲得したこの作品は、制作に試行錯誤を重ねた美しい円盤状の造形で人を誘(いざな)い、夜間の屋外での語らいに安心感と暖かさを提供している。イベント会場などでのニーズも期待でき、早期に製品化されることを願っている。

受賞者のコメント

バルーン照明は工事現場等で目にすることも多く、実用性にとどまらない印象的なたたずまいにかねてより関心を持っておりました。
それをデザインしてかたちにできる機会を得られたのは非常に幸運でした。
今回は、バルーンを横に大きく広げることで明るく求心性をもつスペースがその足元に生まれるのではないかというアイデアからスタートしました。
バルーンが持つふわふわとした柔らかさと、生地によって拡散される明るくもまぶしさの少ない光がこのスペースを特徴づけています。
単体でも複数でも使いやすい汎用性の高い形状は、配置によって多彩な空間を生み出します。
従来の「辺りを照らす」という補助的な役割から、より積極的に使えるツールとしての性格を持つようになったと考えております。
空気の圧力によって全体的に丸くなろうとするバルーンの性質をコントロールし、意図した形状にするためにはかなり苦労しましたが、試作を繰り返してくださった株式会社ライトボーイの皆様に感謝申し上げます。
今後は、日常の風景に変化や彩りを与えるようなプロダクトとして実現を目指していきたいと考えております。

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