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株式会社 メディア・リンクス


激戦区の放送・通信機市場に果敢に挑戦、独自の市場開拓を狙う


●事業内容
放送・通信用のデジタル機器とソフトウエアの開発、製造販売

下記情報は、平成14年度現在のものです

■企業名 株式会社 メディア・リンクス
■創 業 1993年4月
■所在地 〒213-0012 川崎市高津区坂戸3-2-1 KSP R&D棟 D-137
■代 表 林 英一 氏
■資本金 8955万円
■売上高 約5億円(2001年3月期)
■従業員 16名

URL:http://www.medialinks.co.jp

 
 放送・通信用デジタル機器の開発、設計を専門に手がけてきた「(株)メディア・リンクス」はメーカーへの歩みを早めている。「OEM生産や受託開発から脱し、自社ブランド製品を市場投入する時期がきた。これからメーカーになる」と林英一社長が社員を前に宣言したのは2年前。創業7年目での決断である。放送、通信といえば大手企業がひしめく競争の激戦区。こうした市場に打って出るには技術力、コスト競争力がなければ戦えないが、林社長には会社の将来をにらんだ深慮遠謀があった。社名と製品のブランドイメージを高めて、大手企業が手を出せないところで有力なポジションを確保するという“本能寺”作戦だったのである。

● 米国の情報スーパーハイウエー構想に触発され

 工業高専から大手通信機メーカーに就職してほぼ8年後、林氏は27歳で独立する。会社では特に不満はなく、プロジェクトリーダーにもなり、恵まれた環境にあった。しかし、海外にも出張し、特に米国の放送、通信のトレンドを探るうちに、会社の方向と自らとらえた方向にズレが生じ始め、独立の2文字がチラつくようになった。それを後押ししたのが、1990年代初めに米国のクリントン政権が打ち出した情報スーパーハイウエー構想だった。
 情報スーパーハイウエー構想は、すべての人が必要なとき、どこででも安い価格で必要な情報が得られる情報基盤をつくり上げようという壮大なもので、この国家情報戦略が功を奏して今日のIT時代を切り開き、米国経済が復権する大きな役割を果たす。

● 受託開発、OEM生産から脱し、メーカーへ
 実際には、米国が何かを実践に移しそうだという動きの一端を感じ取ったに過ぎなかったが、林氏は、「つくりたいものは放送機器しかない」との志だけで独立する。しかし、「具体的で緻密な計画があったわけではなかった」と振り返る。独立した1993年といえば、バブルが弾けて経済環境は最も悪く、放送機器しかないとの思いはあったが、開発資金もない、人もいないという状況の中では選択肢は限られていた。受託開発からスタートし、大手企業を中心としたOEM生産で経営を軌道に乗せ、創業時の志を実現するメドがついたのは「最近になってから」だ。受託開発、OEM生産ではそれに比例した売上高しか期待できないし、会社の成長も限界があることから、この裏方の仕事から脱し、メーカーになると会社の色を鮮明にしたのは2000年のこと。「カタログもそのとき初めてつくった」と苦笑する。

● 社名、製品ブランド名を高める作戦

 放送機器は大手企業の独壇場である。ソニー、松下電器産業、NEC、東芝など会社規模は超一流がほとんど。この市場にヒト、モノ、カネ、情報面で後れを取る中小企業が入っていくのは至難の業。それをメディア・リンクスはメディアコンバーター、コンパクトHDTV(高精細度テレビ)用ダウンコンバーター、HDデジタルプロセッサーなど独自ブランドのシステムで切り込んだのだ。
 ここには林社長の綿密な戦略がある。この業界で生きるにはまず、放送局や関連機器メーカーに社名を浸透させる必要があり、あえて最も競争の激しい市場に参入したのである。受注合戦に参加して必ずビジネスになるかどうかは別にして、評価されたという実績は残る。しかし、ここが本来の戦いの場ではなく、林社長の狙いは他にある。「ターゲットは放送と通信が交じり合うところ」という。

 例えば、テレビの放送内容はキー局から地方の放送局にリレーされるが、キー局で作成した番組映像を送るのは通信業者。放送は必ず通信という手段を通さないと成り立たない。ここで、アナログ情報をデジタルに変換したり、デジタル情報をアナログに変換する技術が必要になる。この分野は大手企業も手がけているが、大手企業では隘路になっており、ここがメディア・リンクスの攻め場なのだ。放送機器や通信機器をユーザーの要求する内容でつくり込む技術も、OEMで培ったコスト競争力も持っているからだ。具体的な装置は企業秘密ながら、今年から来年にかけて戦略製品が出番を待っている。


● 株式上場など攻めの姿勢は崩さず

 同社は開発&技術、試作、営業・マーケティングをグループで分担している。開発&技術はメディア・リンクス、営業(販売)・マーケティングはメディアリンクスシステムズ、試作はメディアリンクスアドバンスがそれぞれ担当、LSIとソフト開発のメディアリンクスグループもある。子会社にも責任と権限を委譲し、グループの合議制で事業を推進している。ユーザーニーズにすばやく応えられる意思決定の早さがウリだ。
 昨年、ベンチャーキャピタルの資本を入れて増資した。メーカーへの強化策である。事業は放送と通信に特化しているが、「今はここにエネルギーを集中する。株式上場も中期事業計画のシナリオの中にある」と林社長は、これからも攻めのスタンスは崩さない。

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