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株式会社ソフテム


自社ブランド商品の効率的開発に大学のパワーを積極活用


社長 常山 勝彦
●事業内容
ソフトウエアの受託開発、ネットワークの構築、自社パッケージ・情報機器の販売
下記情報は、平成14年度現在のものです

■企業名 株式会社ソフテム
■創 業 
1985年4月
■所在地 〒210-0007
 川崎市川崎区駅前本町15−5 十五番館
■代 表 
常山 勝彦 氏
■資本金 
4100万円
■売上高 
約4億円(2002年2月期)
■従業員 
55名
URL:
http://www.softem.co.jp


 中小企業の技術力の向上、経費削減に産学協同が大きく貢献しているケースを紹介しよう。「(株)ソフテム」は6年前からインターンシップ制度を活用して学生を受け入れる一方、これを通して具体化させた産学連携によって、期待の新システムをつくり上げた。単独開発では負担が多すぎる点を大学のパワーを借りて推進、有望市場を取り込むチャンスをつかんだ。

● 高い技術力と価格競争力が強み

 ソフテムは創業17年目。人でいえばまもなく成人だが、創業者の常山勝彦社長は「まだまだ」と気を引き締める。工業化学の出身ながら、最初に就職した会社がソフト開発会社。この業種を選んだ理由は「大学の就職掲示板にあった会社の中で一番給料が高かったから」と苦笑する。ところが、年収でみると決して高くはなかったそうだ。派遣の仕事がほとんどで、入社後、3年半が過ぎたころ、周りを見ると仲間が独立してソフト会社をつくっていた。「自分でもできる、計算上はやれる」と独立する。27歳の常山氏を筆頭に20歳台で固めた4人のメンバーは全員プログラマー。1980年代半ばから後半にかけて、ソフト会社が雨後のタケノコのように林立した時代。常山氏もこの流れに乗ったのである。
 「派遣のない会社」―これを目標に据える。これは3年で実現する。そして、襲ってきたソフト不況。バブル景気が弾けた1990年代の初め、それまでに設立されたソフト会社のうち、3分の1が淘汰されるという不況をソフテムは乗り越えた。
 「事務系、金融・証券系といった儲かるビジネスには手を出さず、もっぱら鉄道の信号制御、ビル管理など他社がやらなかった地味な分野を開拓、社員も20名足らずで、即対応の小回り体制が効いた」ことが大きかったという。しかし、バブル崩壊後、仕事量が減る大問題に直面し、この時点から本格的にソフトの自社開発に乗り出す。人事制度システムの繁栄人事のほか、他社と共同で理容室・会議室の予約システムなどを開発する中で、富士通、東芝、NEC、沖といったメーカー系の子会社を主体にビジネスパートナー関係を構築する。この過程で「会社の規模の割には高い技術力と価格競争力を身につけた」と常山社長。
 

● 毎年25名もインターン学生を受け入れ

 ユーザーが満足する価格を提示できる強みを発揮しながら仕事を勝ち取り、自社でカバーできないテーマは他社と組んで実現してきた。しかし、開発会社である以上、自社ブランドソフトが夢だ。1997年に夢を形にして市場に出した第1号の自社商品、繁栄人事は300本の販売目標に対し、わずか数十本しか売れなかった。自社商品を浸透させるむずかしさをイヤというほど痛感する。
 一方で、社内の人件費もアップし、技術力を一段と強化する課題も浮上する。これをカバーする作戦が産学連携である。すでに、そのレールは敷かれている。
 ソフテムは神奈川県情報サービス産業協会、中小企業家同友会のメンバーで、常山社長は同友会の求人委員長を務める。この関係から主として神奈川県内の大学の就職課とは太いパイプを持ち、同協会などが展開するインターンシップ事業にも協力、延べ10校以上の大学・専門学校と交流関係にあり、毎年25名程度のインターン学生を受け入れている。

● 会社は開発費削減、学生は実践開発を体験
 この産学連携によって得られるメリットは何か。ソフテムは毎年1件の自社商品開発を目指しているが、より価格競争力を持つ自社ブランド商品にするには開発費や人件費を極力抑える必要がある。また、社内だけでは判断が偏ってしまい、的を射た開発を推進できない恐れもある。そこで、教授・インターン学生の知恵も借りて開発を行い、本来、その開発を担当すべき社員を外の仕事に振り向けると、経費節減とともに売り上げ、利益向上も期待できる。さらに、人材確保の可能性も膨らむ。「小さな会社が生き残るには、足りないパワーを外部の力で補うしかない」と言う常山社長の持論どおりの作戦である。これに参加した学生はシステムの実践的開発を体験できる利点に加え、卒業論文として認められるし、バイト代ももらえる。双方ともいいこと尽くめだ。

● パソコンにPOS機能を統合したシステム

 毎年取り組む開発テーマは社員から募集し、社長が優先順位をつけて候補を絞り込んだうえで大学にアプローチしている。今年度の第1候補はプロジェクターの画像処理システムだったが、すでに、大手企業で類似のシステムが開発されていた。これを指摘したのは大学の教授で、大学に持ち込んだからこそ、ムダな開発をしなくて済んだのである。第2候補だったのがパソコンにPOS機能を付加したレジスター・POS・バーコード統合システムだ。専修大学、工学院八王子専門学校から計6名が同社に通い、約7カ月で開発した。既存のパソコンでレジスター・POS・バーコード出力を行う業界初の低価格システムで、小規模商店などに打ってつけ。春ごろをメドに販売するが、課題となる販売ネットワークは今後、全国の中小企業家同友会などのネットワークを利用して、構築していく。産学連携にはいろいろなパターンがあるが、ソフテムのケースは中小企業に多くの示唆を与えるはずである。

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