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有限会社マカデミア


アレルギー症状の人にも美味しい洋菓子を提供


専務 松永 和俊 氏
●事業内容
洋菓子の製造販売
下記情報は、平成14年度現在のものです

■企業名 有限会社マカデミア
■創 業 
1975年8月
■所在地 〒216-0024
 川崎市宮前区南平台3−18
■代 表 
松永 和博 氏
■資本金 

■売上高 
■従業員 


 「アレルギーで苦しんでいる人たちに、美味しい洋菓子を食べてほしい」。こうした目的で洋菓子をつくっている会社が「(有)マカデミア」である。アレルギー症状を持つ人にとって洋菓子に含まれているタマゴと乳製品が大敵だが、「これらを使わずに、生クリームタイプ、チョコ生タイプ、ジャムタイプなどに変えて提供している」と松永和俊専務は工夫点を披露する。アレルギーのため、普通の洋菓子を食べられない人に強い味方が現れたが、マカデミアとしてみれば商品のバリエーションを拡大する差別化戦略でもある。

● 発端は神奈川県のアドバイス

 アレルギーは現代の難病の1つで、日本人の3分の1は何らかのアレルギーを持っているといわれている。猛威を振るった今年の花粉症もしだいに沈静化し、花粉症に悩む人にはようやく春が訪れた感じだろう。花粉症も突然現れるが、松永専務は次のような喩え話をしてくれた。「アレルギーはその器がいっぱいになると突然出てくると考えると、わかりやすい」と。つまり、個人が持っているアレルギーの溜まっている貯水池がいっぱいになってあふれ出たとき、症状が現れるのではないかというわけだ。
 実は、松永専務も薬アレルギー体質。頭痛薬すら服用できないそうで、子どものころ、何かおかしいと見抜いたのは母親だった。「母親は子どもにとって、医者よりも適切な先生」で、アレルギーがひどい子ども向けの洋菓子も、きちんと状態を把握している母親に聞いてその子に合った洋菓子をつくっている。

 マカデミアは日本で初めて食用花(食べられる花)を取り入れた洋菓子をつくった実績を持つ。そこに神奈川県からアレルギー体質の人向け洋菓子をつくってみないかという話が飛び込んできた。

 

● 個人の症状に合わせた洋菓子づくり

 「幼稚園でクリスマスパーティーなどを開いたとき、アレルギーのお子さんは皆と一緒に食べたいが、食べられない。楽しいはずのパーティーがイヤなものに変わる。それが洋菓子で起きるのは悲しいじゃないですか」。松永専務はご自身の想いとダブらせながら、積極的にこの話に乗り、4年前から試行錯誤を繰り返す。
 ところが、アレルギーは個人差があり、その日は食べられたのが、翌日は食べられなかったりするという。食べる量、食べ合わせ、朝昼晩の体調の違いなどに加えて、心因性の問題もあり、極めてデリケート。小児科と皮膚科の医者でも見解が分かれるほど診断がむずかしい。そのため、菓子づくりは「お子さんを最もよく知っている母親に症状などをよく聞いてから着手する」。一般の医者より医者らしい、きめ細かな対応で1人ひとりの症状に合わせた洋菓子1品ずつをつくっているのだ。


● ハンデを負った人に温かい目

 だから、アレルギー用の洋菓子づくりは時間と材料費がかさむ。採算ベースに乗せにくいのがネックだし、つくる工程も万全の配慮が必要になる。一般用の洋菓子と同じライン、卵を使った器具でタマゴアレルギー用の洋菓子はつくれないのだ。価格は通常の5号サイズのケーキと比較して数百円アップする。ジャムだけでつくる場合、保存料などが入っていない高価なイチゴを使用するが、通常のクリームを使ったケーキよりも見栄えが落ちるそうだ。焼く時間も倍近くかかるし、宅配する費用、料金の銀行振込料などを加えると、2倍までにはならないにしても、コストアップは避けられない。洋菓子を待っているアレルギーの子どもたちにすれば、たいへんなご馳走なのだが、毎日の食費、病院代を考慮すると、「できるだけコストを減らすのが努力目標。でも、専用の工場を持つのは今のところはまだ無理」と松永専務は悩みを打ち明ける。
 同社は糖尿病を患っている人向けの洋菓子もつくっている。彼らの敵は砂糖。これを食べても体内で吸収しづらくする工夫をした洋菓子だ。さらに、手が不自由な人が簡単に食べられるようにするケーキも商品化を計画している。ハンディキャップを背負った人にやさしい目を向けたビジネスのタネは専務の胸中にはかなりあるようで、これはまさに他社とは違う差別化戦略である。


● 先行の利を生かし、いずれ専門店も

 通常の洋菓子ではデパート、商店街の催事や各種のイベントに参加して、同社の味は好評を得ており、川崎市が立ち上げたバーチャルモールeee1(EEEワンショップ)にも参加し、ネット販売も始めた。ただ、アレルギー用の洋菓子はあくまで告知だけ。希望する場合は電話で詳しく聞いてからと歯止めをかけている。
 県のアドバイスを受けてマカデミアをはじめ、県内3社がこの事業に乗り出した。現在では多くの洋菓子店が名乗りを上げている。需要が大きいのがはっきりしているからで、先発の利、種類の豊富さを生かし、「専門店も視野に入れながら、新しい商品づくりを推進していきたい」とビジョンを語った松永専務の強い意思が印象に残った。


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