HOME

元気な起業家紹介
  元気企業紹介(TOP) > 株式会社日放電子

株式会社日放電子


放送から宇宙開発までカバーするシステムハウス


社長 桐畑 幸雄 氏
●事業内容
電子機器装置、電子機器システムの開発・製造、各種ソフトウエアの開発、コンピューターおよびソフトの販売、デバイス関連機器の輸入販売など
下記情報は、平成14年度現在のものです

■企業名 株式会社日放電子
■創 業 
1973年3月
■所在地 
〒215−0034 川崎市麻生区南黒川8−1
■代 表 
桐畑 幸雄 氏
■資本金 3億円
■売上高 
26億円(2002年3月期)
■従業員 
190名
URL:
http://www.nippoe.co.jp


 放送から宇宙開発まで極めて広範な分野をカバーしているシステムハウスが「(株)日放電子」である。放送機器や宇宙開発機器といえば信頼性が不可欠だが、日放電子はこれらを実現するために、デジタル・アナログ技術、画像圧縮技術、コンピューター・制御技術、真空・メカトロニクス技術など、これまた広い範囲の技術を擁している。システムハウスとエンジニアリング会社の2つの顔を持つ会社だ。桐畑幸雄社長は「現在の受注生産主体の体制を維持しながら、オリジナル製品を加え、日放電子の新しい世界をつくり上げたい」とビジョンを明らかにする。株式上場も視野に入れており、新しい日放電子が誕生する日も近い。

● マイコンシティーに技術開発拠点

 「未知との遭遇」。映画のタイトルのようだが、実は漫画本。同社には主人公のルーシーちゃんが宇宙を散歩しながら、日放電子という会社をわかりやすく紹介する小冊子が置いてある。高度な技術、製品の内容を漫画を通して伝えたい、こうしたユーモアも感じさせる会社である。
 日放電子は第1次オイルショックが発生する半年前の1973年3月に東京・渋谷で産声を上げる。放送関連の仕事を行っていた(株)日放の電子技術課を分離独立し、取締役営業部長だった桐畑氏が興す。2年後に千代田区神田小川町に本社を移し、現在も本社はそのままだが、川崎市が黒川・栗平地区に建設したマイコンシティーに、1989年にアドバンストテクニカルスタジオを開設している。技術開発の主力拠点である。マイコンシティーはエレクトロニクス関連産業の研究頭脳が集まった日本版シリコンバレー”とも呼ばれ、同社も川崎市の紹介を受けて進出、その一翼を担っている。

● 蓄積した技術は多彩かつ広範

 当初はNHKの放送自動化システムの設計、検査からスタート、多数の放送局にテレビ番組を送り出す装置(APS)の設計、開発などを手がける。放送は電子・電気技術が集約された業種で、「いずれは自社システムを開発したい。その手始めとして大企業の受注生産から事業に乗り出した」のである。
 受注生産は売り上げを確保することに加えて、技術を習得するための選択肢で、これを通してデジタル制御、アナログ通信、LSI開発、組み込みソフト、真空・メカトロ技術といった基幹技術を蓄積する。技術分野ごとに専門家集団を配置しており、ここが競合他社と技術競争力を持つところである。

 これらの技術で開発している製品は数多い。放送局用映像・音声・制御機器、衛星通信用送受・復調機器、ロボットをはじめとした産業用自動化装置、真空装置などのほか、デバイス系、データ処理系のソフトなど枚挙にいとまがないほどだ。


● 外国人技術者の社内教育も実施

 システムハウスといえば、機器の設計、ソフト開発が主体で、生産は社外に出すファブレス形態が多いが、同社は先に触れた各種のハード、ソフトの開発だけでなく、製造、組み立て、保守まで自社工場で行っている。「技術、製造部隊を社内に置かないエンジニアリング会社は、設計変更、機能強化といった顧客のさまざまなニーズにすばやく対応できず、脆弱な体質になる」との考えで自社工場を設置している。
  「この産業は知能産業。ここで勝ち残るには人材の能力がポイント」と桐畑社長はいう。技術力は絶対条件だが、あと1つは製品をつくっていくプロセスのまとめ役、映画でいえば優秀なプロデューサーが必要と強調する。多彩な分野ごとに専門部隊を配置しているだけに、それぞれのプロが必要なのはいうまでもないが、プロデューサー役を担当する人材確保がむずかしいと桐畑社長は思案投げ首だ。

 優秀な能力を備えた技術者確保の一環として実施しているのが外国人エンジニアの社内教育。社長自ら外国の大学教授とコンタクトを取り、10年以上も前から技術系大学を卒業した外国人を採用、日本語教育から製品設計、開発担当として育成している。「教育費はかかるが、彼らの能力に期待しているし、効果も上がっている」そうだ。


● オリジナル製品の市場投入も近い

 日放電子のビジネスはほとんどが大企業の受注生産。販売ネットワークを張る必要がなく、コスト的に有利さがあるが、提案型製品開発も視野に入れる時期にきている。それは株式上場が見えてきたからで、これまでに培ってきた技術の一部を生かして製品にすれば、売れる候補は数多くあり、販売網の構築も含めてオリジナル製品開発路線を強化するシナリオも現実味を帯びてきた。同時に、事業分野の拡大に当たって、人、モノを一挙に手に入れるM&Aも検討している。
 数年後に計画している株式上場に向けて、日放電子は今、大きく変わろうとしている。


  戻る

Copyright 2005 Institute of Industrial Promotion-Kawasaki.All rights reserved.