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株式会社コーデック


「通信のオンリーワン企業」のコンセプトが結実


社長 二村 篤 氏
●事業内容
遠方監視装置、衛星通信関連装置、通信制御装置、情報処理端末装置 FA・OA関連装置
下記情報は、平成14年度現在のものです

■企業名 株式会社コーデック
■創 業 
1977年2月
■所在地 
215−0033 川崎市麻生区栗木2−6−18
■代 表 
二村 篤 氏
■資本金 1億1500万円
■売上高 
20億円(2001年3月期)
■従業員 
113名(2001年9月現在)
URL:http://www.codec.co.jp


 「(株)コーデック」は通信・電子機器メーカー。中でも放送、通信衛星の制御・監視システムの分野では高い技術力を持つ。創業時に選択した「開発/設計から製品造りまで一貫した技術を持ち、通信のオンリーワン企業を目指す」という戦略通りの展開が結実している。二村篤社長は「さらに人材教育を徹底させて、独自の道を切り開く」と極めて前向き姿勢だ。コーデックは一般の通信機器メーカーとはひと味違うコンセプトを打ち出しており、技術で生きる中小企業に大きな示唆を与えよう。

● 開発設計を主体にOEMを選択

 企業における事業の再構築―リストラ。バブル経済が弾けた1990年代初頭よりも、現在のほうが頻繁に行われている。不況の深刻さがそれだけ厳しいのを裏付けているが、第1次オイルショックが日本を直撃した1973年当時も企業は不況打開策を模索した。希望退職を実施した電気関係の会社の技術者仲間11人は、自分たちの力で希望退職などのない会社をつくろうと立ち上がる。大企業と互角に勝負し、技術的にイニシアチブを取れる分野は何か、市場性ともからめて検討したとき、社会、経済のインフラとして整備が進む「通信」にフォーカスする。通信技術についてはすでに手がけてきた実績もある。起業化ストーリーとしてここまではよくある話だが、同社は下請けではなく、技術を蓄積できる開発設計を柱にし、かつOEMを選択する。OEMは大企業のサービス網を活用する手段でもある。こうしてコーデックは1977年、川崎市多摩区稲田堤で産声を上げた。
 通信は基幹産業だけに大企業の市場。ここにまともに出たのでは勝負にならない。とはいえ、通信を攻めるには通信手順など基本から修得しなければ、使いこなす技術も蓄積できず、OEMビジネスも展開できない。「大企業と対等に渡り合える技術を持つ仲間がいたことが強い自信になった」と二村社長は、この技術者を中心に技術修得と開発に乗り出し、同時に、大企業と棲み分けできる製品分野を絞り込む。


● 技術の根幹を握る作戦を展開

 コーデックの戦略は30年近い歴史の中で、創業時とまったく変わっていない。この間、アナログ、デジタル、マイクロプロセッサー、ソフトなど多彩な技術を蓄積し、これらの技術でテレビ放送や通信衛星の信頼性確保に欠かせない制御・監視システムや、ブロードバンド時代に対応してデータ、音声、画像などを効率よく伝送・交換するシステム、パソコン、FAXなど社内情報機器を結ぶLANをはじめとしたネットワークシステムなど、極めて多品種の製品を開発している。その中身をシステムの首根っこを押さえる点に置いた。「家電の売れ筋商品も中身を絞っていくと、心臓部の部品は数社が握っている。これは技術で生きる企業の攻め方を示している」。二村社長は当初からこうした考えで大企業との差別化を打ち出す。それが大企業が評価し、OEMを展開する武器になるからだ。
 基本コンセプトはあくまでOEMに据え、もの造りのところはアウトソーシングにした。設計(開発)、評価、検査はあくまで自社内で行い、製造部門は外の企業の活用だ。アウトソーシング先は川崎市内の数社と連携、量産品に近いものは大企業の地方工場に生産委託している。「材料の購入にしても大企業の高い調達能力」を買っているのである。


● 留学制度など人材教育メニューも充実

 同社は人材教育に力を入れている。技術者は社員の半分、約60名もいる。確保の面では社長自ら全国の大学を訪ね、この人脈を通して強固なパイプを築いている。国内進学推奨制度や海外留学の道も開く一方で、社内では本人の適性と意欲をもとに、職種選択制度も実施している。こうした制度を中小企業で実行しているケースはまだ少なく、「人が企業の財産」であることを明確に示している。二村社長は「技術開発型企業としては当たり前のこと」と言い切る。
  事業分野を定めるとき、ターゲットを何にするかはその後のビジネスに大きく影響する。同社は通信のユーザーとして公共的機関に的を絞った。その結果、放送に使う山頂やタワーにある送信所内の送信設備、電源設備の制御・監視、リモコン装置だけ取り上げても、シェアは放送局向けの80%を占める。コーデックのブランド名が表に出ることはないが、特に信頼性を要求される放送、衛星機器は同社の技術の結晶が支えているのである。「中小企業がいくら優れた製品をつくっても、メンテフォローができないと、次のバージョンのビジネスはこない。そこに大企業とタイアップする利点がある」。二村社長の持論だが、コーデックからみれば経営資源の有効活用でもある。


● 企業体質を強化して株式上場へ

 数年後には株式上場を予定している。「公開するにはもっと技術力をつけ、足腰を強化し、新しい企業体質にしてから」という。そのために、オーダーメードが主体だったこれまでの戦略から、高速道路で始まったETC(有料道路自動料金収受システム)で使うモニターなど、量産品を取り込む考えだ。それが開花したとき、コーデックの名が株式市場に登場することになろう。

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