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株式会社アイビット


半導体のX線検査装置で独自の境地を開くベンチャー


社長 向山 敬介氏
●事業内容
各種X線検査装置の開発、製造、販売、米国製X線検査装置の保守メンテナンス

■企業名 株式会社 アイビット(I−Bit Co.,Ltd)
■創 業 2000年6月
■所在地 〒213−0012 川崎市高津区坂戸3-2-1 KSP東棟609
■電 話              ■F A X
■代 表 向山 敬介 氏
■資本金 1億2千万円
■売上高 1億円(2004年8月期)
■従業員 10名

 URL: http://www.i-bit.co.jp


 半導体ICの良品、不良品をX線で検査する独自の装置で名乗りを上げたベンチャーがある。「(株)アイビット」だ。簡易型装置を手始めに、X線を照射してはね返ってくる反射波を捉えて画像化し、従来の方法ではむずかしかった検査を可能にする装置も開発した。向山敬介社長は「並み居る大手企業と差別化できる。これで株式上場への道が開けた」と手応えを感じている。

● X線検査のスペシャリストが創業
 家電の主役はいまやDVDレコーダー、液晶やプラズマを使った薄型テレビ、デジタルカメラ。新三種の神器と呼ばれ、商戦の真っ直中にあるが、パソコン、ゲーム機なども含めて心臓部を担うのが半導体ICだ。IC自体が高集積化するのに伴い、接続端子が増える一方、機器を高性能化するために、各種半導体部品を実装する方法も従来の平面状から立体状に配置する多層基板が主流になった。接続部が内部に閉じ込められるので、目視では検査ができなくなり、あらゆる機器の生命線となる半導体やパッケージの中身、半導体をプリント基板に実装したあとの精密検査が一段と重視される。その手段として期待されているのがX線検査装置。
 向山社長はこの分野のスペシャリストだ。2000年にアイビットを創業するまでは、プリント基板と半導体の接合に使ったはんだの形状をCCDカメラで捉えて良否を判定する検査装置の会社に籍を置く。次いで、CCDの代わりにX線を用いた米国製検査装置の輸入販売会社に変わり、営業を担当。営業とはいえ、“半導体検査のSE”と呼ぶにふさわしい技術屋顔負けの知識とノウハウを身につけた。顧客を回るうちに「米国製装置の価格は高く、必ずしも使いやすいものではない」という声に、自ら安価で使い勝手の良い装置を提供したいという心が湧いていく。

● メンテナンスと並行して自社開発にチェレンジ
 チャンスは思わぬところからやってきた。輸入元の米国のX線検査装置会社が米国の大手計測機器会社に吸収されたのだ。計測機器の日本法人は国内販売権を失った日本の会社に対し、販売した装置のメンテナンスを要請したが、破談になり、ユーザーだけがカヤの外に置かれた。「これではせっかく築いた信頼関係が崩れる」と危機感を抱いた向山氏は、「メンテナンスしながら自社開発を進めていけば、古い装置との置き換えのビジネスが成り立つ」と判断、仲間3名とともにアイビットを立ち上げたのだ。

● 低価格、使いやすさを前面に打ち出す

 米国製X線検査装置のメンテナンス事業でスタートして9カ月後には、オリジナル製品「X−plorer(エックスプローラ)シリーズ」を開発した。1号機のIX−100は安価にこだわり、価格を米国製の6000万円以上から700万円に、重量も約2トンから400kg台に軽量化した。X線で判定する部分を取り外し、人が1枚1枚挿入してチェックする、つまり、目視に変え、抜き取り検査対応型にしたのである。
 その後、X線検査方式のIX−200、300を相次ぎ投入した。200と300はプリント基板の内層のパターン検査だけでなく、携帯電話の小型・高性能・多機能化に貢献したBGA(ボール・グリッド・アレー)の検査に威力を発揮する。BGAは碁盤目状につくり込んだ接続端子と半導体をはんだで接合したもので、樹脂で覆われているため、外から接合状態を見ることはできない。X線を当てると、はんだがついている体積に比例して濃淡の差の情報が得られ、その画像から判定するものだ。検査時間は20mm角のエリアなら0.8秒。ロボットが部品をセットして画像を取り込むまでの時間で、XYステージやロボットのハンドリングを高速化すれば処理時間の短縮は可能だそうだ。観察視野が広いために50mm角のBGAも1ショットで観察できる。判定基準となる良品、不良品の画像(辞書)は同社が提供している。
 こうした方式から標準辞書を内蔵し、インラインで画像を自動判定する装置もメドをつけている。この装置が同社の主流になるのは間違いないが、「ユーザーによって判定基準が異なるので、整合性を取るのに全力を挙げている」と向山社長。

● X線の反射波を積極活用する新方式も

 さらに、接合部分から反射されたX線の反射波をラインセンサーで取り込む方式にも挑戦している。電流を多く流す必要がある自動車用のパワーデバイスでは、通常使う金線ではコストアップするためにアルミ配線を使っている。向山社長によると、「X線の反射波は後方散乱線と呼ばれ、ノイズとして扱われてきた」。これを積極的に活用しようとする点が新しい。反射波を画像化する事例はほとんどなく、アルミの非破壊検査で用いられる超音波と比べても高解像の情報が得られ、反射されてきた波長の違いを読み取ることで正しい判定が可能というのだ。透過像では区別しにくいものも、反射波なら区別できる特徴を生かして、ハイブリッド車、電気自動車に使うパワーデバイスの品質管理の切り札にする考えだ。
 「インライン装置と反射波を使ったインライン装置で競合する大手企業と勝負できる体制が整う。これを弾みに4、5年後には株式上場を目指す」と向山社長はビジョンを示す。

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