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株式会社ドグウッドクラブ


ペットロス症候群を防ぐ具体像を構築


社長 石井 利也氏
●事業内容
ペットのためのセレモニーホールの経営

■企業名 株式会社ドグウッドクラブ
■創 業 2002年9月
■所在地 〒214−0012 川崎市多摩区中野島6−25−30
■電 話              ■F A X 
■代 表 石井 利也 氏
■資本金 1000万円
■売上高 2100万円(2005年5月期見込み)
■従業員 5名

 URL: http://www.dogwood.co.jp

 
 「あなたが可愛がっていたワンちゃんが死んだら、どのように弔ってあげますか」。それに応える「ペットのためのセレモニー」ビジネスを立ち上げた会社が「(株)ドグウッドクラブ」。石井利也社長が最も重視しているのは、飼い主のペットロス症候群をできるだけ防ぐこと。心地良い音楽、花とアロマの香りで包んだ空間の中で詩が朗読され、ペットを失った飼い主の心を徐々に癒していく。わが子のように愛情を注いだペットの死を悼む飼い主の心のケアをする新しいビジネスでもある。

● 精神科医の助言をもとに、思い出に変える工夫

 数年前、石井社長は飼っていたイヌが体調を崩したとき、アパートやマンション住まいの人が、ペットが死んだらどのように処置しているのかということが頭をよぎった。川崎市に問い合わせると、専用の焼却施設でいろいろな動物と一緒に焼却するという。わが子同然に可愛がっていたペットが他の動物とともに焼却されるのは忍びないと思う人が多くいるのではないかと考えた。ただちに全国約30の民間施設を見て回ったところ、仏教色を前面に押し出したところや焼却だけを行っている実情を見て、「宗教色がなく、セレモニーで手厚く火葬して送り出せる施設ならニーズがあるのでは」とひらめいたのだ。
 それだけではない。飼い主ができるだけペットロスに陥らないようにするために必要なことは何なのかを精神科医にアドバイスを求めた。人が亡くなった場合は葬儀場を決め、花やお返し、料理などを相談し、手配していく。こうした手順を踏むことによって次第に心の整理がついていくという。ペットの場合は火葬場に持っていったら、すぐ骨になる。「途中のプロセスがないために心の中にポッカリと空白ができる。しっかりと見送る手順を踏んでいると、月日が経つと悲しみが思い出に変わるが、ポッカリ空いた空虚な部分は年月が経っても残ってしまう。それを改善する工夫をした」と石井社長。

● 飼い主の心を癒すことに主眼を置く

 葬祭ではなく、狙いは飼い主の心を癒すこと。そのために取り入れたのが音楽と花、詩の朗読だ。誌はすべてオリジナル。この場にふさわしい声優の声と音楽、香り豊かな花が小さな生命との別れを少しでも癒していくのだ。送り出すセレモニーの部屋、火葬が終わるまで待っている部屋、収骨する部屋をそれぞれ移動することで気持ちの整理ができるように仕掛けを講じている。
 この時間はおよそ40分。まさに、亡くなった人のセレモニーと同様の場で、違うのは無宗教の点だけだ。重いペットロス症候群に陥った飼い主には精神科医に相談するルートも設けた。石井社長の「最後まで完結するスタイル」がはっきりと見える。

 

● 生命の尊さを教えるのが最後の送りの場

 犯罪も低年齢化し、子どもたちの犯罪が増えている。それは子どもたちがゲームのバーチャルの世界で育っているためと指摘されている。命の尊さを理解させるためにインコやハムスター、金魚などを飼っている家庭も多いが、死んだときの対応が問題なのだ。「不本意ながら親が公園の隅に夜こっそり埋めているのを子どもが見たり、聞いたりしたら、何だ命ってこんなものかと思われがち。最後の送りの場面が最も肝心なところで、そのために心の整理ができるようなセレモニーのあと、骨の代わりにハート型のガラス玉にペットの名前を書き、小箱に入れて返している」そうだ。
 ワンちゃんなどで返骨を希望するときは骨壷に入れている。骨壷もアイデアを凝らし、童話作家に書いてもらった絵を貼り、そのまま部屋に置いても何の違和感もないような味付けをしている。納骨堂も童話作家の絵が貼ってあり、とても納骨堂には見えない。
 施設の建物は2階建てで、モダンなたたずまい。内部も明るく、暗いムードはまったく感じられない。死、火葬場、墓地などは人目の届かないところに押しやろうという気持ちが働きやすいが、「生命の尊さを教えることは死も一緒に教えないと」という考えから、石井社長はあえて街の中に施設をつくり、生きたペットも連れて入れるペットショップや喫茶室を併設した。生と死が一体になった場づくりは見事に功を奏し、今ではイヌやネコ仲間の集いの場になっている。

● 1年半で実績は500件以上に

 石井社長にサラリーマンの経験はない。父親がナシ園を経営していた関係から植木の生産を手がける。しかし、農業そのものはあまり性に合わなかったそうで、花の仕入れ販売から外食産業のハンバーガーショップ、葬祭場の賃貸、不動産の賃貸など事業の幅を広げている。ペットのためのセレモニー事業は石井社長にとってビジネスの1つにすぎないが、賃貸の葬祭場向けに花を提供するなど地ならしがあったからこそ、このビジネスも順調に滑り出したといえそうだ。
 2002年9月にスタートしてほぼ1年半。まだ、会社としての知名度は高くないが口コミで広がり、実績は500件を上回っている。超小型のハムスター・小鳥などから、大型のゴールデン、ラブラドールのイヌまで各種プランのほか、春と秋に合同慰霊祭も用意するなど、きめ細かな気配りが実績に反映されている。
 ペットの死をどう受け止めるかは、宗教観の違いから日本人と欧米人では大きく異なるが、ペットブームの中、差別化した仕掛けをしているだけに注目されるのは間違いない。

 

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