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株式会社エイチ・ジェイ・エル(旧 潟wマトロジクス・ジャパン)


血液疾患の臨床に独創的な悪性細胞解析技術を提供


社長 宮崎 年恭氏
●事業内容
高度情報解析技術を駆使して、造血器腫瘍等の重篤な疾患の治療に貢献する治療支援技術を開発する

■企業名 株式会社エイチ・ジェイ・エル
     (Hematologics  Japan  Laboratory . Inc.)
■創 業 2003年3月
■所在地 本社所在地 〒213-0012 川崎市高津区坂戸3-2-1
  中央研究所所在地 〒216-0001 川崎市宮前区野川907 
           帝京大学生物工学研究センター2F     
■電 話              ■F A X 
■代 表 宮崎 年恭 氏
■資本金 9010万円
■売上高 --------------
■従業員 9名

 URL: http://www.hematoli.com


 白血病、リンパ腫など悪性の血液疾患(造血器腫瘍)を診断解析する切り札と期待される技術が登場した。「潟Gイチ・ジェイ・エル」が開発したこの技術を使えば、白血病の診断はもとより、治療法が効果を上げているかどうかや、再発予防措置も講じることができる。固形がんなどの診断解析にも適用可能で、難病克服へ大きな第一歩を踏み出した。この技術は宮崎年恭社長らの逆転の発想が決め手になった。

● フローサイトメーターの有効利用法を開発

 白血病は血液中の白血球が異常に増える病気。血液のがんとも言われ、国内の白血病患者はおよそ4万人、リンパ腫患者5万人が悪性疾患と闘っている。白血病やリンパ腫の診断のためにフローサイトメーターという機器が使われている。青に近い488ナノメートルのレーザー光を蛍光処理した細胞に照射し、細胞の大きさや内部形状などを連続測定するもので、最新鋭の機器では何と1秒間に5万細胞を検査する能力がある。フローサイトメーターを用いた解析手法をフローサイトメトリー(FCM)という。
 フローサイトメーターは日本の大規模病院や大手検査センターで多数使われているが、ほとんど眠ったままという。「効果を発揮する活用法があるのに気づいていないから」と宮崎社長は指摘する。
 これまで、血液の精密検査はキャリアのある検査技師が悪性細胞を顕微鏡で目視し、形態学的に疾患のタイプを判定していた。慢性の白血病なのか、急性なのか、急性ならリンパ性か骨髄急性なのかといったように8段階の形態に当てはめて判定し、それに対応した治療法を選択していた。FCMなら人の検査に比べてはるかに精密なデータが得られるが、治療前の分類だけに主眼が置かれていたのだ。

● 発想を転換、「正常細胞」に注目した成果

 宮崎氏はFCMが細胞の診断に役立つのはもとより、治療した後の経過診断に極めて効果があるのではないと考えていた。
 時は大手製薬会社に勤務していた1990年代の初めごろ。フローサイトメーターはエイズにかかることによって増える特定リンパ球の測定以外はまったく役立たないといわれていたが、良い解析方法が見つかれば白血病の検査に適用できるのではないかとひらめく。『白血病の腫瘍細胞を探せ』というアプローチが主流だった時代に、「100の異常細胞をパターン化しようとしても、100種類のパターンができる。それぞれに有効な治療法を探そうとするのは無理がある」と考え、発想を変えて『正常細胞』に注目したのだ。正常細胞は個人差や年齢に関係なく、まるで1本の線路を走るように一定の軌道に乗って分化していく。宮崎社長はこれを「道」と呼んでおり、この道から外れたものを異常(腫瘍)細胞と位置づけ、診断や再発予知に結びつけたのだ。
 ほぼ同時期に骨髄移植に使う幹細胞が骨髄だけでなく、末梢血中にもあり、この中の幹細胞を測定できれば骨髄移植に道が開かれると研究に着手。この2つのテーマをフローサイトメーターで解析することに成功したのである。

● 治療経過の予測、再発予知に道

宮崎社長に多大な影響を与えたのは、フローサイトメーターの第1号機開発に携わり、1995年に米国ワシントン州シアトルでヘマトロジクス社を設立した米国のマイケル・ローケン博士。博士が会社を設立するころから研究面でつながりを持っていた。治療経過を予測するのに使えるのではとおぼろげながら思っていることを伝えたところ、博士も同じ意見だった。それを実際のデータで示したことが確信に変える決め手になったのである。
 2002年の一時期、宮崎氏はヘマトロジクスに入社したが、日本でFCMの有効な使い方を普及させるために、翌年、自前の会社潟wマトロジクス・ジャパン(平成16年12月に現在の潟Gイチ・ジェイ・エルに社名変更)を創業する。
 フローサイトメーターでは、腫瘍細胞に治療跡が残っていたとすると、それが減っているのか、増えているのかがわかるほか、小康状態をつかむことも可能だ。「治療後に腫瘍細胞が残っているのを調べる方法はあるが、腫瘍細胞がいるかいないかしかわからない。正常な細胞は復活し始めているのに、間違った治療をすると回復してきた正常細胞にダメージを与えかねない。細胞のパターンが乱れてくると再発の予兆で、それをキャッチし、事前に手を打てる道が開かれた。いわば、闇の世界を明らかにできるもの」と強調する。

● 大学病院や大手検査センターが注目

エイチ・ジェイ・エルの商品は腫瘍細胞の染色、細胞の測定、データ解析を行うソフトで、これらのロイヤルティーが当面のビジネス。今後、異常細胞、正常細胞の詳細なデータを蓄積し、スタンダードな判定基準を構築していく考えだ。
 すでに、白血病などの臨床応用を展開中で、その成果に大学病院、大手検査センターが注目している。現在は造血器腫瘍細胞解析をターゲットにしているが、再発予知に向けてビジュアル的にはっきりわかるようなソフト開発に乗り出す一方、乳がんや卵巣がんなどの固形がん細胞もフローサイトメーターで解析する研究にチャレンジしている。
 「血液疾患に苦しむ人とその家族に少しでもお役に立ちたい」と宮崎社長、FCM技術を広め、造血器腫瘍や固形がん撲滅のために一石を投じる構えだ。

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