HOME

元気な起業家紹介
  元気企業紹介(TOP) > 神津精機株式会社

神津精機株式会社


「世界一の精度」を軸にナノテク時代を切り拓く


社長 神津 博行氏
●事業内容
精密測定機器、光学測定機器、各種試験機、精密機器部品などの設計、製造、販売

■企業名 神津精機株式会社
■創 業 1945年創業。設立1957年(有限会社)
■所在地 〒215−8521 川崎市麻生区栗木2-6-15
■電 話              ■F A X 
■代 表 神津 博行 氏
■資本金 9965万3000円
■売上高 28億円(2004年9月期)
■従業員 136名
 URL:http://www.kohzu.co.jp


 ビッグプロジェクトを成功に導いた男たちの、苦闘のドラマを描いたNHKの「プロジェクトX」。目標に向かって突き進む姿がビジネスマンの共感を呼んでいる人気番組だ。このプロジェクトXは「神津精機(株)」にもあった。設計部隊のアイデアと現場職人の勘とひらめきが一体となって、精密機器の生命線で、世界ナンバーワンの「驚異の位置決め精度」を実現したのだ。神津精機は「精度の創造者」としてナノテクノロジー時代を切り拓く。

● 半導体から放射光まで広範な領域の精密機器を提供

 神津精機は精密測定機器、光学測定機器のメーカー。製品開発のコンセプトは極めて明快だ。神津博行社長の言葉を借りれば「ユーザーの厳しい要求に応えながら新たに設計するオーダーメードを基本に、産業用精密機器と大学・研究機関向けの実験・研究用機器をつくり分けている」のである。カバーする技術領域は極めて幅広い。産業分野では半導体や光学、通信に使う精密機器を、研究分野では放射光(SOR)、X線、レーザー、中性子など物理、化学、医学、生物学、精密工学の発展に寄与する各種機器を提供している。つまり、最先端の産業分野と新たな技術を生み出す可能性を秘めた成長性の高い領域の研究と開発を支えているのだ。

● X線の100年の歴史を飾る輝かしい成果が発展の基礎

 中でも、神津精機が世界的に評価されているのが精度の高さ。その評価を固めたのは、1962年に開発したX線回折に使用する3軸結晶回転装置だ。シリコン単結晶にX線を当て、ほんのわずか角度を変えると、波長が変わり、その性質までもわかるようになる。その角度は何と1度を36000分の1に分割する(これを0.1角度秒という)超高精度。世の中にまったくなかった機能を実現したのだ。
 X線結晶学の権威者、東大の高良教授が0.1角度秒で動かす機械をつくってほしいと設計図を手に訪ねてきた。日本全国の精密機器メーカーを探して歩いた結果、町工場だった同社に白羽の矢を立てたのだ。当時の社長は博行氏の父、和雄氏。「この設計図ではできない」と蹴ったという。それだけ自信があったのだろう。和雄氏は見事に0.1角度秒で動く装置を完成させたのだ。この装置はその後、40年にわたって性能を発揮し、X線の100年の歴史を飾る成果の1つとして取り上げられている、いわば、高精度角度位置決めのバイブルともいうべき存在なのだ。

● 世界標準の評価を固めたKOHZUブランド

 そして、このときの技術がシリコン単結晶を2枚使った2結晶X線分光器を生み、ナノテクやバイオをはじめ、材料科学、生命科学研究などを拓く“魔法の光・SOR”の光を取り出す部分にほぼ独占的に使われているのである。日本の放射光(SPring‒8)だけでなく、アメリカ(シカゴのアルゴンヌ国立研究所)、フランス(グルノーブルの欧州連合放射光研究所)の世界3大放射光施設をはじめ、各国の施設に納入しており、「2結晶X線分光器は世界のデファクトスタンダードとしての評価を固めている」と神津社長は自信を示す。
 一方、産業用で身近な製品は、コンパクトディスクやDVDの光ピックアップ組立・検査装置、液晶プロジェクター組立調整装置、CCDカメラ貼付調整装置、自動車ランプ類配光測定装置など高いシェアを持つ精密機器が目白押し。これら装置の心臓部が位置決めステージのモンブランシリーズだ。精度の高さと剛性がウリで、決まった位置に寸分の狂いもなく位置決めできる。また、テコの原理を応用して世界一の精度を持つマイクロメーターも開発している。

● システム製品で磐石の体制を目指す

 精密機器メーカーとして位置決め精度の高さ、角度の正確な割り出しなどは、言うまでもなくキーポイントだ。このために、設計部隊と現場職人の間では常に精度にこだわった議論が展開されている。「材質を変えろ。長さを変えろ。課題ごとに侃侃諤諤のブレーンストーミング」が精度を重視する神津精機の姿勢を現しており、驚異的ともいえる精度を実現した舞台裏である。
 開発依頼を受けたオーダーメード品は営業、開発・設計、製造部隊がプロジェクトチームを組み、試行錯誤を繰り返しながら完成させる。「このため、納品までに数年もかかることもあるが、これがウチのやり方」と神津社長。
 58年前、測定器の修理業でスタートした。大学教授や国立研究機関の研究者、企業関係者ら知己を得た豊富な人脈によってオリジナル製品を手がける道を拓き、下請けからメーカーへと脱皮。いまや世界を相手にする精密機器メーカーに成長した。神津社長は一段の飛躍を目指す戦略としてシステムづくりをビジョンに掲げる。どこにも負けない精度に分析方法や測定方法を加味したシステムをラインナップすれば、鬼に金棒。さらに新しい市場を開拓できるという読みだ。そのために計測ソフト開発力を強化したいという。株式上場も視野に入れているが、このビジョンが具体化すれば上場の条件は揃うと断言した。
 神津社長は公立中学校の音楽教師を勤めた経験を持つ。入社してすでに19年、専務を経て2003年6月、4代目の社長に就いた。新生・神津精機に向けてどうタクトを振るか、楽しみだ。

  戻る

Copyright 2005 Institute of Industrial Promotion-Kawasaki.All rights reserved.