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株式会社長津製作所


精密プラスチック金型のリーディングカンパニー


社長 牧野 俊清氏
●事業内容
プラスチック・マグネシウム合金用精密金型の設計・製造、プラスチック成形加工

■企業名 株式会社長津製作所
■創 業 1950年
■所在地 〒211−0012 川崎市中原区中丸子57
■電 話              ■F A X 
■代 表 牧野 俊清 氏
■資本金 3000万円
■売上高 14億円(2003年4月期)
■従業員 110名

 URL:http://www.nagatsu.co.jp


 日本が世界をリードしている金型。このうち精密プラスチック金型のリーディングカンパニーが「(株)長津製作所」だ。ITマーケットの中で急成長しているデジタルカメラや携帯電話向け金型を主力にしているだけに、経営も順調そのもの。その秘密は「精度と品質の高さ、立ち上げの早さと納期」と牧野俊清社長は言う。これが精密機器業界や電機業界から高く評価されている点だが、さらに、経営と技術力の強化を目指して、新しい超精密金型を手中に押さえる積極作戦に打って出た。

● 社員の連係プレーが高精度、高品質を生む

 ひと口に金型といっても、プラスチック金型、プレス金型のほか、鍛造、鋳造、ガラスなど各種の金型がある。長津製作所が手がけている金型は、プラスチック射出成形用の精密金型。主力にしているのが、デジタルカメラのカバーやボディー、鏡筒部品用と携帯電話の外装用の金型で、売り上げ比率でいえば、それぞれ45%を占める。一人1台時代に迫っている携帯電話、パソコンへの画像の取り込み、長期保存、便利さが受けて需要が伸びているデジタルカメラという成長製品を担う金型を得意としている。このため、経営環境は恵まれているが、それだけ競争も激しい。
 家電製品や新車などは多数の部品を組み立てて最終製品に仕上げる。そのために、全体の構造図や平面図、側面図などを設計、それをもとに作成した加工データ(ソリッドモデル)で金型をつくり、部品を製造し、最終製品に組み上げる。いわば、金型は製品開発の死命を制するものだ。それだけに「金型製作は失敗が許されない。完ぺきを期すには、ニーズの先取りはもとより、精度や品質を実現する技術力がカギを握る」と牧野社長。裏を返せば、これこそが長津製作所の強みであり、リーディングカンパニーといわれるゆえんなのだ。
 その決め手になるのは総合力という。ユーザー(発注企業)が提供する3次元のソリッドモデルに対応する能力、金型の製造能力、加工能力といった総合力を、ベテランと若手技術者の連係プレーによって引き出している。若手の新機軸を盛り込んだ数々のアイデア、ベテラン技能者の持つ熟練の合わせ技が高精度、高品質金型をつくり出す原動力になっているのだ。
 携帯電話にしても、ライフサイクルが極めて短い。ユーザー側のモデルチェンジに伴う新製品開発に対応するには、短納期も重要なファクターで、金型メーカーとして精度、品質、短納期に応える体制を構築しているのが、ユーザーから高い評価を得ている点でもある。

● 光学部品用金型の実用化研究にも着手

 さらに、光学部品を加工成形する新しい精密金型の研究開発に着手した。東京大学の樋口教授(精密機械工学科)グループの指導を受けたものだ。このきっかけは川崎市で開かれた最先端技術セミナー。ここに参加したときの講師が樋口教授だった。教授が進めている多くの研究テーマの中に、光学部品関連のタネがあったのだ。この光学部品をつくる際の精密金型に照準を当てた実用化研究を、JR新川崎駅前の創造の森にできたKBIC(かわさき・ビジネス・インキュベーションセンター)の一室を借りて始めた。この研究を推進するために、政府の補助金を申請している。これが精密金型の用途拡大作戦であることは言うまでもない。

● ライバルへの対抗策は「得意技」の強化で

金型業界では、金型データなどの流出という知的財産権問題が浮上している。家電や自動車など国内製造業の海外生産シフトが活発化したことによるもので、金型メーカーのノウハウを含んだ金型データなどが、メンテナンスのためという理由でユーザーに提出された後、金型メーカーの同意のないまま、海外で類似の金型製造委託に利用されているという問題だ。これについては、経済産業省が流出防止の指針を出しているが、牧野社長も同様の問題に直面したという。「オーディオ製品の金型で、香港でウチのものとまったく同じ図面を見たときはびっくりした」そうだ。
 しかし、金型では韓国、台湾、中国が力をつけ、特に中国は国内外の主要製造業が進出しているため、世界の生産センターになる勢いだ。長津製作所もカメラ関係の得意先が中国現地生産を加速したことで中国・深圳に合弁会社を設立、中国進出を果たした。金型の修理で取引していた金型メーカーからのリクエストに答えた形だが、その裏には台湾の金型メーカーに中国市場のビジネスをさらわれるのを防ぐ狙いもあった。
 牧野社長は「今後、中国の影響力が高まっていく」とみている。それに対抗するには、精度と品質に磨きをかけ、短納期、価格戦略を構築する一方、量産用金型だけでなく、試作用金型にも力を入れ、「得意技をさらに強く」していく考えだ。
 長津製作所の会社案内は、日本語と英語、中国語で書かれている。世界を意識した会社であるのがわかる。社内では能力を重視した抜擢人事を採用。学歴は関係なし、高卒20歳台後半でグループリーダーに登用された人もいる。実力主義が新しい提案などに結びつき、社内活性化に大きな効果を発揮している。

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