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東海技研株式会社


メカトロニクスからエンジニアリング企業へ新展開


社長 川久保 洋氏
●事業内容
駐輪場・駐車場機器、自動ドア、シール剥離機、医療用周辺機器など電子機器開発・設計・製造、部品加工、駐輪場システム、パーキングシステムなど

■企業名 東海技研株式会社
■創 業 1975年9月
■所在地 〒213−0022 川崎市高津区千年541−4
■電 話              ■F A X 
■代 表 川久保 洋 氏
■資本金 1000万円
■売上高 6億5000万円(2005年4月期見込み)
■従業員 36名

 URL:http://www.tokaigiken.co.jp/


 「駅前周辺の放置自転車、これで解決」――東海技研(株)が商品化した駐輪場システム「サイクルン」が注目を集めている。自転車1台ずつ出入りできる回転ゲート方式で、料金精算にも多様な回収方法を取り入れるなどユニークな仕組みを導入している。何といっても最大の特徴は極めてシンプルで、安全、安価かつ信頼性が高いこと。川久保洋社長は「川崎駅西口駐輪場をはじめ、採用が増えている」と顔がほころぶ。自治体から民間へと拡大傾向にあるサイクルンこそ、東海技研をエンジニアリング会社という新経営体質に変える起爆剤でもある。

● 安価でユニークな駐輪場システムがヒット

 放置自転車、バイクの増加が社会問題になっている。駐輪スペースが足りないことが最大の理由だが、放置すれば通行の妨げになるだけでなく危険なうえ、美観も損ねることにもなり、自治体をはじめ、鉄道、スーパー、コンビニ、商店街なども対策を迫られている。
 駐輪場システムには電気制御、機械制御など各種のタイプがあるが、サイクルンは利用者自身が回転ゲートを押して出入りするシステム。料金徴収を機械化する目的で開発したものだ。一方向に回転する扉(ゲート)を2つ使用。入り口を遮断している1枚目の扉を自転車か手で押しながら進むと半回転し、そのまま前進すると自動的に全開。2枚目の扉を押すとやはり半回転してゲートが開き、駐輪場の中に入ったら、1枚目の扉が入り口通路を遮断する。出口は入り口とまったく同じ動きだ。扉が回転するスペースは二輪車1台分しかないので、1台ずつしか通れない仕組みだ。逆方向にはもちろん行けない。
 機構を説明すると、入るのに時間がかかりそうに感じられるかも知れないが、1台当たりおよそ2.5秒で通過できる。電気制御式と比べて約3倍という高効率だ。モーターなどを使っていないので挟まれ事故などがなく、安全性も高いうえに故障、誤動作の心配も少なく、メンテナンスが楽だ。このために安価という大きな利点を生み出した。しかも、1台ずつの入庫だから、料金の不払い防止や不正駐車防止にも役立つ。料金精算は現金、非接触カードによる定期券、回数券など多様な回収方法を取れるようにしている。

● 人脈が新システム開発の糸口に

 このシステム、“瓢箪(ひょうたん)から駒”の喩えのように、ひょんなことから新製品を手に入れる典型的な例といえそうだ。
 川久保社長は30年前、精密金属部品を加工する会社を立ち上げた。その後、仕上げ加工が得意な会社と折半出資で電子機器の開発・設計・製造を行う東海技研を創立する。電子タイマーが流行り始めた1980年代の初め、川久保社長はあるショーの会場でミニチュアリレーの会社の営業マンと懇意になり、その紹介で駐車場システムを手がけている大手企業と知り合う。これが縁で当時はリレー制御だった駐車場管理システムを電子制御化し、発券機や精算機、車両検知器など駐車場システムのほとんどを開発・製造して納入する一方、平成11年より駐車場管理システムの販売代理店にもなった。
 幸運が待っていたのは川崎市に駐車場システムを売り込む目的で飛び込んだのだが、川崎市は駐輪場の確保で頭を悩ませており、安くて安全かつ正確な駐輪場ゲートシステムの出現を待ち望んでいた。早速、駐車場システムの技術を応用して開発したいと思うが、技術陣に余裕がない。そこで、たまたま大企業で機械の設計などを担当していた高校時代の友人が定年を迎えるという。話をしたら、「ぜひやりたい」。その技術者がひねり出したのがサイクルンのアイデアだった。パーキングショーなど関連するイベントに展示したところ手応え十分で、ただちに本格開発を進め、2002年8月から川崎市営の川崎駅西口駐輪場で実験導入が始まったのだ。駐車場が過当競争になったのを機に、駐輪場ビジネスに軸足を移すきっかけができたのである。

● 自治体、商店街などに攻勢をかける

「駐輪場で最も力を入れている自治体は、東京・練馬区、武蔵野市、秋田市。これら自治体と並行して鉄道、商店街、ショッピングセンターなど民間を攻める」と川久保社長。すでに、川崎駅前から武蔵野市、西武線・中村橋駅前、クラシックホールの川崎ミューザに設置された。利用者の反応は上々で、稼働率が高く、管理員も3分の1に、料金後払いが好評といったことがマスコミを通して伝わり、設置は2002年の川崎市を皮切りに2003年度5ヶ所、2004年度22ヶ所と大幅な伸びを示している。「これからも、美しい街づくりをテーマに張りきっています」と川久保社長は攻勢の手を緩めない。

● 新たな経営ブランドの確立を目指して

このサイクルンが経営の柱になるのは確かだが、川久保社長のほんとうの狙いは本業の強化にある。東海技研は『取引先企業の技術部、製造部に徹する』という戦略のもと、取引先からの図面をもとにした仕事ではなく、客先から呈示された製品の企画に対し、設計から製造までのプロセスを一貫して自社で行う姿勢を貫き、エレクトロニクスとメカニカル技術を融合した技術開発型メカトロニクス企業のブランドを確立し強化することが目的である。技術開発型企業にとって技術の蓄積、強化が生命線。一歩先のエンジニアリング企業を目指すには多くの投資が必要で、それを確保し、新経営体質にする手段がサイクルンなのだ。
 「駐輪場は日本全体の問題。市場は大きい」と川久保社長、株式上場も視野に夢は広がる一方だ。

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