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SCIVAX株式会社


ナノインプリント技術をコアに新分野を切り開く技術開発ベンチャー


社長 田中 覚 氏
●事業内容
研究開発事業(ナノインプリント技術、細胞培養技術 他)
知的財産事業(知財調査・分析、知財教育支援、事業化戦略サポート)

■企業名 SCIVAX株式会社
■創 業 2004年2月
■所在地 〒213-0012 川崎市高津区坂戸3-2-1 KSP東棟502
■電 話 044-820-0551      ■F A X 044-820-0552
■代 表 田中 覚 氏
■資本金 2億5,000万円
■売上高 5億円(平成19年度予想)
■従業員 31名
■U R L  http://www.scivax.com/ 
 


 社名のSCIVAX(サイヴァクス)とはScience & Technology、Value、Maximizationからの造語で、「科学技術の価値を最大化する」という経営理念を表わす。この理念を踏まえ、「知的財産を切り口に研究機関や大学で埋もれている研究開発シーズを発掘し、外部と連携して自ら開発を進め、事業化を通して、環境、エネルギー、医療などの分野で社会に貢献していくことが私たちの使命です」と田中覚社長は静かに、しかし力強く語る。独自のビジネスモデルで最先端のナノインプリント技術に取り組む技術開発型ベンチャーを紹介しよう。

● 独自の熱式ナノインプリントプロセス技術を開発し、成形時間を短縮
 ナノインプリント技術は数あるナノテクノロジーの中で最も期待される微細加工技術の一つであり、次世代の超高速光通信デバイス、バイオデバイス、大容量ストレージデバイス、半導体製造プロセスなどを実現するコア技術として注目されている。
 同社の熱式ナノインプリントプロセスでは、金型と被成形素材(熱可塑性・熱硬化性樹脂、ガラス等)を加熱した上で、ナノ(十億分の一メートル)レベルの凹凸のある金型を素材に押し付けて金型パターンを転写する。金型を高速に加熱・冷却する独自の成形ヘッドを開発することで、他社に比べプロセスタクトタイム(成形に要する時間)の短縮化を実現している。また薄い樹脂フィルムにナノレベルのパターンを良好に転写することに成功しており、バイオや光学用途、電極材料、電子ペーパー、フィルターなどへの応用が可能で、サンプルの販売や用途開発を進めている。同社のナノインプリントは、光学や電子部品などメーカーの研究開発部門、及び公的研究機関を主な顧客として、装置、金型、材料、試作加工、サンプル、などの形態で販売されている。
 同社はこの他に、特許の調査・分析や、研究者・技術者向け知財教育支援といった知的財産事業を展開している。この事業はナノインプリントなどの研究開発活動に伴って同社内や外部の人的ネットワークに蓄積された、特許調査・分析及び人材育成のノウハウを活かすものである。また同社の特許調査・分析力は、提携企業との共同開発成果を権利化していくのにも一役買っている。
 
● 「ナノテク」の実用化を目指し創業、強みは統合的な研究開発力
 田中社長は2001年から三井物産でナノテクノロジーの研究開発事業に携わった。そしてこの経験を活かし「ナノテク」を実用化するため、2004年にSCIVAXの創業メンバーの一人として会社設立に参画した。その後ナノインプリント技術による実用デバイスの開発に取り組み、実用化に欠くことのできない装置、成形材料、金型、検査技術などを平行して開発してきた。「設立2年目に5千万円の研究開発用装置をお客様に買っていただきました。最先端の装置でしたので、お客様に私たちの技術を理解してもらうのに苦労しました」と社長は初めて受注した時のことを振り返る。
 同社の強みは金型、材料、装置、検査、プロセスの各要素技術を統合的、かつ一貫性をもって研究開発していることだという。同社には各分野の専門家が集まり、コア技術や応用技術の開発に取り組むと共に、各分野で優れた技術力をもつ企業と提携し、事業化に必要不可欠な要素技術の共同開発を進めている。自社と提携先の技術を融合させ、ナノインプリント技術の事業化を加速している。生産は提携企業に委託し、研究開発に特化しているのも同社独自のスタイルである。
 
● 装置のレンタル事業と試作品受託で用途開発の加速を狙う
 「創業後2年間はナノインプリントの装置・プロセス開発が中心でした。3年目から実用化に向けアプリケーション(用途)開発に注力しています」と社長は語る。ナノインプリントをコア技術として新たな産業を創り出していくためには、ユーザーを巻き込んでの用途開発を進めることが必要だ。そのため同社は、昨年2つの戦略を打ち出した。第1に、ナノインプリント装置のレンタル事業の開始である。大半の企業はナノインプリントのような新規性の高い技術への投資には慎重で、1千万円を超える研究開発用装置の購入に踏み切れないでいる。40万円〜/月の価格でレンタルすることでナノインプリント装置の普及を図り、企業の用途開発をサポートするのが狙いだ。
 第2に、ナノインプリントを用いた試作品の受託加工である。自動車メーカーや化学メーカーなどを顧客に、金型の受託製造で実績のある協同インターナショナルと連携し、試作品の加工や技術評価などのサービスを提供する。顧客はSCIVAXの技術やノウハウを活用でき、ナノインプリント技術を導入するまでの期間を大幅に短縮できる。これによりナノインプリント技術が普及し、用途開発が加速することを同社は期待している。

● ナノインプリント技術で細胞を3次元状で培養、更なる発展を目指す
 同社は今年の2月から3次元細胞培養プレート「ナノカルチャープレート」の販売を開始した。医薬品メーカーの創薬研究において、培養した生体組織や臓器等の細胞に、医薬品候補物質を投与して、その効果を観察することにより、候補物質の選別を行っている。この3次元細胞培養プレートを使用すると、この選別の確率を高めることに役立つ。従来の細胞培養プレートでは培養細胞が単層で増殖し、生体内(大半の細胞は3次元状で存在)とは全く性質が異なっているという問題が90年代から指摘されていた。「ナノカルチャープレート」は細胞培養面にナノメートルサイズの凹凸をナノインプリント装置で成形している。細胞はその凹凸を足場として3次元状(立体的)に増殖する。3次元に増殖した細胞は実際の体内の細胞の状態に近いため、化学物質の影響を今までより正確に調べることが可能だ。例えば「ナノカルチャープレート」で培養した肝臓細胞では、その活性の指標であるアルブミンの量が既存プレートの10〜30倍まで向上することを確認している。細胞培養プレートは消耗品であるため、毎年一定規模の需要が期待でき、当社が大きく発展していく足掛かりになりそうだ。

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