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株式会社サンコウ電子研究所


検針器国内市場シェア4割、膜厚計国内市場シェア3割のニッチトップ企業


社長 浅野 保司 氏
●事業内容
電子応用特殊機器・工業計器(膜厚計、ピンホール探知器、鉄片探知器、検針器、水分計、鉄筋探査機、結露計、超音波厚さ計、金属探知器など)の研究開発、製造販売ならびに仕入販売

■企業名 株式会社サンコウ電子研究所
■創 業 1963年8月
■所在地 〒213-0026 川崎市高津区久末1677
■電 話 044-751-7121      ■F A X 044-755-3212
■代 表 浅野 保司 氏
■資本金 4,600万円
■売上高 10億6,000万円(平成18年7月)
■従業員 50名
■E-mail info@sanko-denshi.co.jp
■U R L  http://www.sanko-denshi.co.jp   
 


 「“検針器”と名付けたのはサンコウ電子研究所です」と浅野社長は笑顔で語る。検針器、膜厚計、水分計が当社製品の3本柱で売上の大半を占めている。検針器はアパレル業界での国内市場シェア4割、膜厚計は塗装業界での国内市場シェア3割を占める。「売れる製品は競争に巻き込まれる。需要の少ない市場をあえて狙っている」とニッチ市場でトップをとる戦略を追求する。顧客ニーズに合致した製品を設計開発するのはあくまで当社であり、OEM製品あるいは一部の仕入れ商品は、自社製品でカバーできない部分を補完することと、お客様の利便性を考慮してメンテナンスがしっかりした企業と提携するなど、お客様のご要望を実現することに徹底してこだわっている。

● 自腹を切って大阪営業所を開設する
 昭和38年に創業者の安細不二夫現相談役が東京都千代田区で設立し、昭和39年に川崎市幸区に、昭和59年に川崎市高津区の現在地に移転した。安細不二夫現相談役と前職の水分計メーカーで先輩後輩の関係にあった浅野社長は市場開拓のために営業マンとして昭和44年に入社する。
  入社と同時に単身で大阪の探知器メーカーの片隅にデスクを1つ置いて大阪営業所を開設した。しかし、効率的に営業を行うためには独自の営業所を開く必要があると考えたが、会社には資金の余裕もないので止むを得ず自腹を切ってビルの一室を借り、精力的に営業を行った。検針器と膜厚計の2つの製品をどのように販売するかを考えた結果、まずは一番効率のいい現金商売の呉服屋さんに検針器の飛び込み営業を開始した。当時の呉服屋は内職に着物の仕立てをさせていたためか、待ち針の抜き忘れがあった。大阪万国博覧会開催の前年でもあり、いざなぎ景気の後押しもあって、呉服屋向けの検針器がよく売れた。また、当時メッキ廃液の垂れ流しが社会的な問題となり、メッキ代替塗装が市場で注目されていた。関西のペイントメーカーは塗料の販売に加え製品塗装の仕事が増えたため、塗料皮膜の品質を左右する膜厚を測定する膜厚計を必要とし、これも発売と同時によく売れた。営業所を開設してわずか半年後には本社に送金できるようになった。「やる気のある者に営業所を任せる」という安細不二夫現相談役の期待に浅野社長は結果で応えた。
 
● 検針器がある事件で注目される
 「今でも後味の悪いすっきりしない事件でした」と浅野社長は話し始めた。昭和62年大手百貨店の寝具売場で事件は起きた。全国の百貨店で、ある特定メーカーの布団に次から次へと縫い針が混入されて大事件になった。布団に針を入れることによって誰が一番得をするかという観点から警察や週刊誌などマスコミから疑いの目が当社に向けられた。電話による問い合わせが殺到し、社内は業務に混乱をきたした。
  当時常務であった浅野社長は窓口を一本化し、マスコミ対応担当以外の者は一切話しをしない体制を整えた。警察から問い合わせがあった場合でも名前と電話番号を聞き、“後ほど連絡”と言って一旦電話を切り、本人の身元確認を行ってから対応した。マスコミから「川崎市のあるメーカー」という表現で報道されるため、業界では当社と直感する知名度にあったので大変悔しい思いをしたという。
  しかし、布団メーカーには記者会見で、工場出荷時は検針器を使って必ず、残針の検査を実施していることを弁明・強調するように助言した。それは誰かが百貨店の寝具売場で針を混入していることを明らかにしたかったからである。検針器とは何かという質問に答えられるように「検針器とは電気的に針を見つける機器であり、単なる金属探知器ではない」と定義した。思わぬ形で検針器が注目されたが、危機管理体制を構築し、社員一丸となって対応したことが社内の結束力を高めた。

● お客様のニーズから製品を開発する
 膜厚計は第2回「川崎ものづくりブランド」にも認定されている。膜厚計の特徴は@非破壊で測定できる、A皮膜の厚さを0.1μmの分解能で測定できる、B簡単な操作で使用できる。塗装皮膜やライニング膜などの重防食皮膜の厚さを非破壊で知りたいというお客様ニーズに応えた製品である。製品開発の基本はお客様ニーズを実現することと社会に貢献できることである。
  同じ膜厚計でも超音波方式は、コンクリート・木材上の皮膜測定であり、金属上の測定とでは仕様が異なる製品になる。塗装作業中の未乾燥塗膜の厚さを測定し塗料固形分から乾燥後の塗膜厚を推定するウェットフィルム膜厚計、塗膜の付着密着試験が行える引張付着試験器、電力鉄塔等の表面に付着した塩分を測定し塩害防止塗装の可否を簡単かつ迅速にチェックする表面塩分計などすべてお客様の現場の要望に応えるために製品化してきた。27件の特許を保有すると共に東京・大阪・名古屋・福岡の4営業所にはショールームも常設し、技術力と営業力の両方に強みを持つ。

● 海外戦略を再スタートする

  当社の経営理念は「トータルバランス」である。「お客様のニーズと製品の開発つまり改良改善をいつもバランスできるように常に考えて行動することを大切にしてきた。社名に“研究所”という言葉を使っていますが、“研究所”とは新しいものを常に開発するという基礎研究的な要素だけでなく、現在の製品をいかにお客様が使いやすい製品にするかという開発つまり改良改善を含めています」と浅野社長は強調する。数年前から営業本部を組織し海外市場の開拓に注力してきたが当社製品は手作りのためコスト競争力が不足していた。そこで、膜厚計の機能向上を図るとともに海外でも通用するコストで製造できる生産体制を確立して、今年は海外戦略を再スタートする元年と位置付けしている。
 「耐震偽装問題を契機に建築リフォーム業界におけるコンクリート強度測定分野への進出も計画し、製品拡販に向けた従業員教育にも力を入れています」と浅野社長は目を輝かせる。

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