HOME

元気な起業家紹介
  元気企業紹介(TOP) > シリコンライブラリ株式会社

シリコンライブラリ株式会社


より高い技術的ハードルを楽しむファブレス半導体メーカー


社長 清水 潤三 氏
●事業内容
半導体設計用IPの設計、開発、販売、コンサルティング
 1.SRAM compiler
 2.高速インターフェース

■企業名 シリコンライブラリ株式会社
■創 業 2005年7月1日
■所在地 〒212-0054 川崎市幸区小倉308番地10 KBIC225
■電 話 044-599-0766/050-5527-7974   ■F A X 044-599-0769
■代 表 清水 潤三 氏
■資本金 9,855万円
■売上高 6,500万円
■従業員 21名
■U R L  http://www.siliconlib.com   
 


 JR横須賀線新川崎駅の西隣に位置する「かわさき新産業創造センター」(KBIC)に半導体製品の解析、テスト評価のソフトウエアを開発し、技術的相談にも応ずる新しい企業がある。1年半前にここで孵化したばかりの元気企業である。京都、福岡、仙台にデザインセンターを開設し、アメリカのシリコンバレーにも支社がある。孵化したばかりとはいえ、日米での同時開発体制を敷き、高度な技術力と、きめ細かいサービスの提供をモットーに、果敢に売込みをかけるグローバルベンチャー企業である。

● アメリカ出張中に新事業のヒントを得る
 デジタル家電、携帯電話、カーナビなど最近の電子機器製品には、必ずと言って良いほどマイコンが内蔵されている。このマイコンを動かすためにソフトウエアが使われる。このようにシステムLSIで使われるマイコンを始めあらゆる機能ブロックをIP(インテレクチュアル・プロパティ=知的財産、設計資産)という。このIPには、機能のほかにインプットとアウトプットの条件が設定されており、その中身はブラックボックスで設計した技術者の経験とノウハウがぎっしりつまっている。しかし、提供されたパーツIPを使えば、メーカーは開発や設計の負担が減り、さらに大きな半導体開発、そして、これらの半導体チップを組み込んだ各種電子機器製品の開発のスピードアップにつながる。アメリカでは、それぞれの用途や機能に即した半導体設計用のIPの開発に取り組み、メーカーに提供するIPベンダー(サプライヤー=供給者)が活躍している。アメリカ出張中の清水社長がこの実態をつぶさに観察し、ヒントを得、このIP開発と販売のアイディアに共鳴した現在代表取締役営業担当の金正夫氏と共に当社を設立した。
  
● 社長の方針に共鳴して集まった技術者集団
 当社は、高精彩の動画像並びに高品質の音声信号の伝送を実現する高速インターフェースLSIの設計と製造を最先端の回路設計技術を駆使して実現する半導体(フィジカルIP)を得意とするファブレス企業である。AV家電、携帯機器などの電子機器メーカーで必要とする斬新なアイディアを持つソフトウエアを自社で開発設計し、そのデータをライセンス販売すると共に他社に負けないコンサルティング(技術的相談)やサービスまでを行う。これが清水社長の考える事業の概要である。
  社員はすべてこの社長方針に共鳴して集まった技術者で、その出身は日本の大手半導体企業で長年経験を積み、ノウハウを持った人たちばかりであり、現在も人材募集中である。
  「このビジネス業界にとっては、主人公は開発担当者である。このフィジカルIPの開発と販売の考え方に合致し、設計開発能力とノウハウが認められれば、入社してもらう」と清水社長は言う。勤務地は、日本に4箇所とアメリカシリコンバレーである。エンジニアの希望のロケーションでその力を発揮してもらうのが原則である。しかし、家庭の事情で開発拠点に移動できなければ、在宅勤務も考える。とにかく、「家庭生活があってはじめて良い仕事ができる」と清水社長は技術者を大切にしており、その上、ベンチャー精神が旺盛である。

● 全社会議はパソコンを使って「Skype」(スカイプ)で
 現在の社員総数は21名。海外を含め5箇所の開発地域に分散する。しかし、全員が一同に会しての会議などは必要ない。必要な情報は常にインターネットで交換できる。各開発拠点との相談も資料をパソコン上で見ながら電話で意見を交換し、決定できる。複数地を結ぶ社内の会議は、ソフト無料、使用料無料、通話料無料など主要な機能は無料通話の「Skype」(スカイプ)を使ってパソコンで行う。よほどのことがない限り、本社へ召集はしないのが原則である。昨年全員が集まったのは、1日だけ、それも創業記念日に休暇をとって集まっただけというから驚かされる。
  新しい事業、つまり新IPの開発は、エンジニアが得意先や提携パートナーと話し合い、面白いアイディアを見つけてくることに始まる。新しいアイディアや発想は、エンジニアが顧客との話し合いの中で強い刺激を受けることで生まれることが多い。開発テーマのパーツであるIPが決まれば、パソコンで資料を検討しながら、電話による会議で決定する。方針と日程、担当が決まれば、後は、各人が能力をフルに発揮するだけである。技術者が各地に分散していても仕事は問題なく進められる。当社には、大企業のように開発チームの中で何をしているかわからないようなメンバーは存在しないと言う。従来の開発プロジェクトチームとは考え方が全く異なる非常に効率の高い技術者集団である。

● 日本初のIPベンダーで年間売上高100億円を目指す

  当社は本来、半導体設計用IPの設計、開発、販売、コンサルティングを行う会社であるが、近々、HDMI(High Definition Multimedia Interface)という映像や音声、制御信号を1本のケーブルで行う標準インターフェースのチップを商品化して売り出すことを始める。当社として初めて汎用のカタログ販売製品となる。この種のカタログ製品の販売は、昨年には予想もしていなかったことで大きな変化であるという。とにかくIPに関して、お客様の役に立つことは何でも実行に移し、日本初の本格的なIPベンダーを目指している。
 「これからの半導体メーカーは、グローバルにビジネス展開し、世界市場で認められ勝利していくことが運命付けられている。当社は、世界市場で認められるメーカーを目指す。」と清水社長は、むしろこの業界のハードルの高さを楽しんでいるようである。将来の年間売り上げ目標は、100億円。そのときは社員も100名くらいに拡大すると予測する。清水社長の頭に中にはもう全体構想ができ上がっているように思われる。この目標達成は、予定より相当早くなりそうである。

  戻る

Copyright 2005 Institute of Industrial Promotion-Kawasaki.All rights reserved.