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株式会社 検査技術研究所(KGK)


21世紀の安全と安心を支える超音波深傷検査の深触子メーカー



社長 岡 賢治 氏
●事業内容
  超音波探傷試験用各種探触子、超音波探傷試験用各種探触子ケーブル、超音波探傷試験用標準試験片 ()日本非破壊検査協会頒布

■企業名 株式会社 検査技術研究所
■創 業 1961年(昭和36年)4月
■所在地 〒210−0803 川崎市川崎区川中島2−16−18
■電 話 044−277−0121  ■F A X 044−277−0120
■代 表 岡 賢治 氏(オカ ケンジ)
■資本金 3,000万円
■従業員 16名
■U R L  http://www.PROBE-KGK.com/ 
 


 
高い安全性が要求される航空機、新幹線、自動車、原子力発電所などでは、超音波による探傷検査が多く行われている。“株式会社 検査技術研究所”は、この超音波探傷検査機器のセンサーに当たる“探触子(プローブ)”を専門に作り、この業界ではトップを行く企業である。最近のジェットコースター車軸破損事故や航空機事故など、安全を脅かす事故の多発により、当社の探傷技術が大いに注目されている。
 当社は顧客の要望と信頼をよく掴み、ここ数年売上2割アップを続け、また、2008年1月には神奈川県優良工場として7社が表彰されたが当社はその内の1社である。

● 創業当時から変わらぬ、研究開発を続ける姿勢
 1961年に大田区蒲田で、現会長の金子重雄氏が非破壊試験器材の研究開発を目的に創業した。当初は、金属などの表面にある亀裂を検査する浸透探傷剤を主に製造し、商社に納入していた。利益は確保できていたものの、新たな研究開発などをする余地の少ない分野でもあるため、次第に企業としての成長に限界を感じ始めていた。そんなこともあり、数年後に始めた探触子に順次軸足を移してきたが、それが成功し、2006年1月には、現住所に超音波=“イルカ”をイメージした3階建ての自社ビルを建てて移転してきた。
 
岡賢治社長は大学の海洋学部で水中音響を研究していたので超音波に興味があり、1979年に入社し、その後、現会長に要請されて5年前に社長になった。付加価値の高いものを作り続けるために日々の研究開発は欠かせない。社名の“研究所”にはそんな想いが込められている。「失敗を恐れずに挑戦を続けるモノづくり集団の会社にしたい」と社長は熱く語る。
● 業界の常識を破る“短納期”の実現
 超音波探傷検査では、検査する物を切ったり、削ったりせずそのままの状態、すなわち非破壊で、見た目では分からない内部の亀裂などの欠陥を見つけることができる。当社が設計・製作している探触子は、超音波探傷装置のセンサー部分であり、超音波を発生し、それを被検査物体に送り込み、跳ね返ってきた信号を受信する。この信号を分析処理すると内部の構造が把握できる。
 「我社は“安全”“安心”を売る会社なのです。しかも“注文から一週間での納入”を可能にしました」と自信を持って社長が言う。例えば航空機事故が起きたときなど、その原因究明や安全確認のための注文などでは「ちょっと待ってください」とは言えないのである。なぜなら安全が確かめられるまでの間、航空機が運休してしまうため短納期が求められる。
 この業界では、注文生産品は、受注から納入まで3ヶ月以上掛かるのが常識だと言われている。これを一週間に短縮するために当社では、注文を受けたら専任の担当者が顧客と詳細な仕様の打ち合わせを行い、CAD(コンピュータ援用設計システム)を駆使してその場で図面を仕上げてしまうことから始まる。さらに外注先の手配や加工から組み立てまで担当者が一貫して責任を持って遂行することとした。そのため、事務職を除く全員がCADを使えるようにしている。探触子の心臓部で、超音波を発生する部分は“振動子”と呼ばれ、通常は注文を受けてから、各種ある振動子の中で最適と判断したものをメーカーより購入しているが、この調達期間だけで1〜2ヵ月を要してしまう。そこで、需要が見込まれる振動子を予め在庫として保有しておき、いつでも注文に応えられるようにしている。社長は日頃「計画的な長期休暇はどんどんとってくれ、だけど“突休”だけは止めてくれ」と言っている。突然に休暇をとられたら、予定がたたなくなってしまうからである。「忙しくなると、仕事がどうしても雑になりかねない。我々の仕事は“安全”と“安心”を守っているという意識を高く持ち、社員には責任感とともに自分の仕事に胸を張って欲しい」と社長は言う。
 短納期実現のため、様々な出費もあり、また、各種類の振動子をあらかじめ購入して揃えておくことは、そのための資金負担も小さくないが、短納期による付加価値はこれを上回るという。
● “世界最小”最先端をいく深触子マイクロ化技術
 当社は、ほとんどが注文生産である。技術力があるため、探触子で難しい物があると、超音波探傷検査装置の技術者や大学の先生、研究者が相談に来る。「有名な先生達と一緒に研究できるのも探触子のおかげです」と笑いながら社長が言う。一流の技術力にいち早く触れることで当社の技術力もさらに増していく。数あるオーダーに応えるため当社の探触子の形状は直径2ミリ程度のものから200ミリ程度のものまで、また、水中用など用途に合わせて幅広い。1988年に直径2ミリという、世界最小の「ちび太くん」と厚さ1ミリの世界最薄の「ぺちゃ子さん」を開発し、今まで検査できなかった細部、狭部の探傷を可能にした。このマイクロ化技術が当社の評判を高めた。また、テレビ画面で母親のお腹の中で手足を動かしている胎児を見ることができるようになったが、これは医療分野での超音波探傷の応用である。小さな振動子をいくつも並べて一体化した探触子で検査し、これから得た情報を処理すれば、動く立体画像を得ることができる。このように振動子を並べた探触子を“アレイ探触子”と呼ぶが、当社では、数センチの間に256個の振動子を並べた、マイクロ化の最先端を行くアレイ探触子を製造している。
● 新人の採用条件は “物を作ることが大好き”なこと
 「物を作ることが大好きなことが当社採用の条件です、あとは箸が持てて、鉛筆が削れれば充分です。それ以上のことは会社に入ってから教育します」と社長の言葉。実際に入社してから10年もすると一人前になり、一通り任せられ、生き生きとして働いている。神奈川県優良工場としての表彰は、経営成績だけでなく、このあたりにもあるようだ。“社員はみな平等、誰にでも社長になるチャンスがある”というのが社長の方針。毎日が会社と自宅の往復だけにならないよう、従業員に常に気を配れるように役員室(個室)と外車(送迎車)はタブーという会長の教えを守る岡賢治社長は働き盛りの53歳。社員にも信頼され、話好きで、明るい社長であった。

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