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株式会社 JKB


高精度難加工形状の精密プレス加工技術 と特許保有の生産性向上支援システム


社長 平井 和夫 氏
●事業内容
精密順送プレス金型の設計・製作、精密プレス部品の製作、 治工具の設計・製作、電気計器部品の製作、精密機構部品の製作・組立

■企業名 株式会社 JKB
■創 業 1951年(昭和26年)4月
■所在地 〒213−0033 川崎市高津区下作延747−9
■電 話 044−888−1121  ■F A X 044−888−1117
■代 表 平井 和夫 氏(ヒライ カズオ)
■資本金 1,000万円
■従業員 47名
■U R L  http://www.jkb-net.co.jp/ 
 

 1971年に当社が設計開発した生産管理システムは、多くの企業の生産管理ソフトのバイブル的存在になり、ソフトウェア開発を委託した大手企業の金庫に厳重保管されていたことを最近知りました。当時はソフトウェアで特許を取得できるようになるとは想像していませんでした」と語る平井和夫社長は、大学院時代にはスタンフォード大学でCAD(コンピュータ援用設計 )の研究者であった。システムのプログラミングが得意であった平井社長は2代目として1971年に当社に入社すると同時に生産管理システムの開発に着手した。
 その生産管理システム及び事務管理システムが旧本社所在地である目黒区で評価され、1973年には目黒区内事業所 約14000社の中から目黒区生産環境優良工場4社の内の1社として選定された。また、1981年には中小企業庁によるコンピュータ化推進モデルとして全国から9社が選定され、当社設計の生産管理システムはその中でも第1位に選ばれている。
● 不可能を可能にかえるプレス加工のプロフェッショナル
「社名のJKBの由来は、『柔道・剣道・武道の頭文字』というのは冗談で、城南計器部品の略称です」と後継者である平井圭一郎副社長がその場を笑いで包む。取引先に社名を覚えてもらうための営業トークだ。1951年に東京都目黒区で先代社長が平井電機製作所を創業し、電気計器部品を製造販売していた。1954年に城南計器部品鰍ノ組織変更し、1981年に製品が計器部品から電子部品にシフトしたこと、それに加え、本社を川崎市高津区に移転したことを契機に社名を株式会社ジェーケービーに改称。その後、2002年に株式会社JKBに商号を改称し、現在に至る。1976年に開設した山形県西村山郡河北町の河北工場を2005年には山形県寒河江市中央工業団地へ移転し名称を山形工場に変更した。
 事業内容は、1つの金型の中に複数の工程を工程順に組み込む順送型の精密プレス金型の設計から実際のプレス加工製品まで製作、その他、治工具や電気計器部品の設計・製作も行っている。
 ICリード(集積回路素子の裸線端子)の規定を超えた歪みや曲がりを矯正するためのコンパクトな卓上型プレス矯正装置を開発し、特許を取得するなど高度な技術を応用し、設計、試作段階から一貫した生産システムで、従来のプレス加工法では成形困難であった形状のプレス加工を実現している。
 「電機的なアナログ部品から電子的なデジタル部品へ時代が変化するなかで市場の要求に対応することに苦労しましたが、技術的に困難である精密部品のプレス加工や低コスト化が必要な精密部品のプレス加工化の依頼があると先入観や目先の利益にとらわれずに図面を見て、面白そう、又は、難しそう、“でもやれば技術が蓄積できる”と経営者判断で決断してきました」と平井社長は語る。
具体的には、お客様が北海道から九州まで1年以上も加工先を探したものの、何処も実現出来なかった難加工材料の絞り加工及び切曲げ加工の複合形状の連続加工品をプレス加工で実現した。また、直径8.5mmの範囲内に121個の穴を微細加工する加工については、従来のエッチング加工からプレス加工化に成功し、10分の1の低コスト化を実現した。さらに、自動車の照明用バックライトソケットについては、真円度を確保しながら円筒形内にV字型の羽根を設ける難しいプレス加工にも成功した。これらの実現のために、日本に数台しかない ワイヤーカット放電加工機など世界最高性能の生産設備を導入し、他社との差別化を図っている。
● 生産管理システムから生産向上支援システム
 「お客様からの生産進捗状況などの問い合わせに対し、即答できる体制を整備しています」と平井圭一郎副社長が胸を張る。従来の生産管理システムを発展させ、工場と事務所をLANで結び、各部署において全てのプレス機の各種稼動データをリアルタイムに把握する生産性向上支援システムを構築した。結果として、生産性の向上、短納期低コストを実現している。
 生産性向上支援システムの特徴は3つある。@生産中の全製品の完了予定時刻が表で分かるため、段取り(準備)に無駄が無い。A機械毎の稼働率が表で分かるため、担当者の昇給や賞与などに反映させることでモチベーションの向上につながる。B生産数の累計や過不足が日報で分かるため、急ぎの仕事にもより効率的に対応できる。多品種を生産する体制の中小企業にとっては喉から手が出るほど欲しいシステムである。
 このシステムをより効果的に活用する仕掛けや工夫もある。@各プレス機の横に設置されたパソコンに担当者名、プレス機名、金型名などの情報をバーコード入力するため、入力ミスは皆無である。Aプレス機の停止時間が60分を超えるとパトライトが赤に灯り、稼働率が低下しないように工夫している。B2時間に1回5分間、休憩時間の合間に作業者全員がディスプレイの前に集まり、生産の遅れなどの原因を探り補正するショートミーティングを行っている。

● 中国に勝てる生産コストを実現する

 「今後は特許が登録された加工機械等の生産性向上支援システムを販売する計画です。外販すれば当社の競争力が低下するのではと心配するかもしれませんが、当社は常に一歩先を行く努力をしています。トラブルを未然に防止する目的で過去の不良データ分析による対策やメンテナンス予測などが表示される品質管理システムを特許出願中です。1年がかりで副社長が開発しました」と平井和夫社長は目を細める。
 高度な技術の蓄積にも余念がない。一発での三次元造形を可能にする「プレス用金型」の製造方法でも特許を出願中である。金属材料を溶解させて作るプレス用金型の製造にあたり、その特殊な金属材料の開発で東京工業大学との産学連携で試作研究を進めている。
 設計部門を川崎市の本社内に置くことで優秀な人材を川崎市周辺で採用することも計画している。平井社長の求める人材は「チャレンジ精神を持ったプレス金型の設計開発の経験者」だ。「現在の生産効率は他社と比較すると約2倍ですが、今後の目標として生産効率を34倍に向上し、中国に勝てる生産コストを実現します」と語る平井社長は日本の中小製造業に希望を与えてくれる。


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