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会社名川崎窒化工業 株式会社


金属表面硬化処理の技術開発で機械部品の高品質化ニーズに応える



事業内容事業内容
ガス窒化、ガス軟窒化、イオン窒化、堅型炉応力除去焼きなまし、 プラスチック成形・押出機用スクリュー焼入、ベーキング処理 等

  • 企業名 川崎窒化工業 株式会社
  • 創 業  1976年(昭和51年)1月
  • 所在地  〒210-0861 川崎市川崎区小島町2-10
  • 電 話  044-288-5876
  • FAX   044-288-4557
  • 代 表  平田 健介 氏(ヒラタケンスケ)
  • 資本金 2000万円
  • 従業員  37名
  • URL  http://kawasaki-chikka.co.jp/

『窒化処理』とは、鉄鋼製品の耐磨耗性や耐腐食性を向上させるために、金属の表面に窒素を浸み込ませて表面を硬化させるプロセスのこと。油圧部品のピストン、工作機械の主軸や歯車、自動車部品のクランクシャフトやカムシャフトと各種ギヤ、内燃機関の吸入・吐出弁座など、さまざまな機械部品の金属表面硬化処理になくてはならない技術だ。「技術によるお客様への奉仕」を経営理念に掲げる川崎窒化工業は、ガス窒化処理の豊富な技術の蓄積と高い品質水準の確立により、顧客メーカーの高度化するニーズに的確に応えている。

● 出会いをチャンスに、窒化処理の将来性に着目 


弓惣二郎氏は佐賀県出身の九州男児。明るく大きな声で社員を引っ張っていく親分肌の経営者だ。それまで16年間勤めていたガス窒化処理の企業から独立する形で1976年に川崎窒化工業を創業した。きっかけは外注先のめっき工場の社長に出会ったことであった。たまたま当時窒化処理進出を考えていた社長と、偶然にも同郷ということもあり、意気投合して共同で事業を始めたと言う。「金属の窒化処理は将来性があるということで意見が一致しました。その上で誰かに働かされるのではなく、自分の思い通りに仕事をやれるということに魅力を感じて独立を決意した次第です。先方が資金援助と工場を提供してくれるということで、自分は経営に専念出来ました」と弓社長は当時を振り返る。

がむしゃらに営業し、創業1年目で日立製作所日立工場の窒化品認定工場となった。まだ事務員を雇う余裕も無く、申請書類は弓社長が下書きしたものを奥様が清書して提出した。日立からたくさんの注文を貰うことはできなかったが、大手の認定工場となったことは当社の窒化処理の品質について、顧客の信頼を得ることにつながったと言う。「実績を作るまでが大変で、小回りを利かせ、ユーザーが求めるモノには何でも応えようと努力しました。例えば、創業2年目には油圧機器に使用する長さ10mのシャフトの表面処理の注文があり、材料を工場の炉に入れるだけで朝8時から作業を始めて夜10時まで、12時間も掛かったことがあります」と弓社長は当時の苦労を語る。

1985年には大阪府八尾市に大阪工場を建設し、関西地区の顧客の要望にも配慮しながら生産体制を整えた。当社はガス窒化処理の業界では、関東で7番目という後発でのスタートであったが、現在では1〜2番手を争うまでに成長しており、川崎重工業、三菱重工業、石川島播磨重工業、神戸製鋼所、コマツなど、名だたる大手企業を得意先に持つに至っている。プラスチック成型機のスクリューやシリンダー、建設機械の油圧部品、エアコン室外機コンプレッサーの主軸を始めとして、大物品や量産品など多様な部品の窒化処理を手掛ける。加えて、特殊鋼の焼入れでは6.5mの長物まで対応でき、長尺サイズの焼入炉では日本一の規模であるという。


● 新技術の開発と徹底した社員教育で顧客ニーズの高度化に応える


「後発だからこそ新しいことに挑戦しなければ生き残ることは出来ませんでした」と言う当社では新技術の開発にも積極的に取り組んでいる。例えば、顧客の高機能・高精度部品のニーズに対応するために、大阪に真空浸炭の研究所を設立し、工場に生産設備を導入した。「浸炭とは、低炭素鋼などの金属表面層の硬化を目的として、炭素を添加する処理法のことで、後処理として焼入れ・焼戻しが必要です。自動車部品等を始めとした機械部品に幅広く利用されています。真空状態で浸炭を行うことにより、ロットや形状の違いによる浸炭ムラが少ない、表面に酸化による欠陥がない、狭い隙間や深い止まり孔も均一に浸炭できるなど、品質の向上を図ることができます。また処理は全て真空炉内で行うため煙や炎は発生せず安全に作業できると同時に、地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出がなく環境に優しい技術です」と弓社長は解説する。

また、ガス浸硫窒化処理の技術にも磨きをかけている。浸硫窒化処理とは鉄鋼材料の表面に窒化物と硫化物を生成させる複合処理であり、下地となる硬い窒化層が耐摩耗性を高める役割を果たすと同時に、表面に形成される軟らかい浸硫層が固体潤滑剤の役目を果たす。特にガス浸硫窒化法は窒素濃度と硫黄濃度を別々にしかも自在に制御できるという特徴を持ち、エンジンのタイミングギヤやエンジンバルブなど、高負荷で過酷な使用条件の部品に最適な表面硬化処理であるという。

当社には20代から30歳代の若手社員が多く、高度化する顧客ニーズに応えるためには社員の教育が欠かせない。そのため、社員に技能の国家試験の受験を奨励したり、外部の講習会に参加させたり、社内勉強会を実施するなど、社員のスキルアップを応援している。また南米ブラジルの同業の企業に社員を派遣して経験を積ませるなど教育への投資を惜しまない。「私たちは金属の表面硬化処理のプロ。お客様に提案するためには高度な知識が必要です」と弓社長は教育の重要性を強調する。

一方、高い品質を維持していくため、作業者には規律を守ることが求められる。各処理工程においては「決められたことは、決められた通りに実行する」という当たり前のことを敢えて徹底して指導しているという。加えて、組織体制の整備や社内業務の管理水準の向上を図るため、ISO9001とISO14001の認証を取得している。


● グローバルな視野で、他社の追随を許さない技術に挑戦!


「当社はお客様に恵まれたおかげで発展することができました。これからも独自性の高い技術を磨き続けることにより、他社の追随を許さない、高品質な技術やサービスを提供していきます」と弓社長は力強く語る。窒化処理の技術を主体に、周辺技術も含めて強化していく方針だ。ガス浸硫窒化処理のような複合処理にも着目し、機械部品の耐磨耗性や耐腐食性をさらに向上させるべく、最先端の設備への投資を検討していく。

弓社長は毎年のように海外各地に出掛けて、自分の肌で世界の動向を確かめるという。グローバルで急速な環境変化の中で、自社の立つ位置を見失わないためだ。「インドでは自分で通訳と運転手を雇い、自動車工場などを見て回りました」と笑顔をみせる。既に5回ほど訪れているブラジルでは、現地の金属熱処理会社と技術提携しており、グローバルな経営を指向している。


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