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会社名株式会社 近藤工芸


省エネ・高リサイクル率・360度全方向に発光するLED照明を開発



社長 近藤 眞一 氏
事業内容事業内容
屋内外サイン及び太陽光独立電源の企画設計・製作・施工
LED照明の開発・施工・販売

  • 企業名 株式会社 近藤工芸
  • 創 業  1988(昭和63年)6月
  • 所在地  〒213-0031 川崎市高津区宇奈根710番地13号
  • 電 話  サイン事業部 044-820-1040
  • 電 話  照明事業部 044-820-1013
  • FAX   照明事業部 044-820-1048
  • 代 表  近藤 眞一 氏(コンドウ マサカズ)
  • 資本金 300万円
  • 従業員  13名
  • URL  http://www.kondo-kogei.co.jp/

360度全方向に発光するLED照明装置「デルタレイズパワー」は、60W白熱球と比べて消費電力が約8分の1(8Wスリーブタイプ)と省エネ、リサイクル率99%で環境に優しい製品である。

「蛍光灯みたいに全方向に光を発する細長いLED照明装置があったら欲しいと鉄道会社から打診されて、看板業の立場で探したが見つかりませんでした。それなら自分で作ろうと思いました」と「デルタレイズパワー」の開発の経緯を近藤眞一社長は笑顔で語る。LEDは電流を流すと発光する半導体素子であり、当時は真正面しか明るくならないという問題点があった。しかし、近藤社長が自ら考案したプリズムとレンズ効果により光の拡散と放熱性を備えた特殊構造を実現し、特許・意匠登録を取得した。

● お客様の立場を理解して、仕事は自分でつくる  


当社の主要製品は、鉄道会社の駅ホームの床に貼られている「女性専用車」、「注意喚起表示」、「整列サイン」などのフロアサイン、そして、電車内や駅ホームにある路線図や時刻表である。

「以前の時刻表はシルク印刷でした。“玉貼り”と言って、数字を印刷したシールを必要に応じて年2〜3回貼り変えていました。『これからはインクジェット印刷の時代です』と、鉄道会社にプレゼンしました。その半年後に時刻表の全面改正で採用されたため、インクジェット出力機を購入して対応しました」と近藤社長が「仕事はまず提案して自分でつくる」の事例を披露してくれた。

「床表示のフロアサインの製品開発では、雨の日の駆け込み乗車で利用者が滑ってケガすることがないように防滑性を付与する必要がありました。そのため、素材についても入念に調べて、人に安全安心を訴求できる製品が出来るまで試行錯誤を続けました。その結果、ようやくタイル技術検査協会の審査をクリアできる製品を作り上げることが出来ました」と看板業というよりも近藤社長はモノづくりにこだわりを持つ。「当社は提案型の会社、自社技術で対応できるものは全てやる」と言う。


● 看板業と自社製品LED照明販売のバランス経営


バブル崩壊後は書き文字の仕事は減る方向であったため、後継者の近藤社長は外注だった鉄骨の溶接や電気電飾の作業を内製化し、看板金物を作る製作工事部を立ち上げた。近藤社長は工業高校出身で溶接の経験はあったが、仕事での経験はなかった。そこで、中古のウェルダー溶接機を譲ってもらい、知り合いの溶接屋に習いながら溶接技術を身に付けた。同時に、社長の弟である近藤浩専務がイラストレーターでデザインを行うサイン製作部を立ち上げた。これで、企画設計、金物、電気、足場、塗装、プレゼン営業まで全て自社で完結できる体制を整えた。

「今後は、看板業と自社製品のLED照明装置“デルタレイズパワー”の販売によるバランス経営を行う計画です。サインのあり方を客観的に見て、新旧の技術を活かしバランスを取りながら経営していきます。新しいアイデアは市場に求めるものであって、自分たちが作りたいものではありません。コストは意識しますが、安くなくては買ってもらえないものは求めません。大手企業と重ならない独自の製品を作ることを目指しています。でもどうしても技術を先に言いたくなるんですよね」と近藤社長はモノづくり職人の顔をのぞかせる。


● お客様からの評価は「仕事がきっちりしている近藤さん」


当社の強みは、提案営業やモノづくりだけではない。鉄道会社の仕事では、短納期に対応できるクイックサービスと限られた時間内で施工するマネジメント力も要求される。以前、近藤社長はドラッグストアのサインなどを衣替えする仕事を請け負っていて、一店舗一晩で作り上げるために分単位で作業を管理する経験が活きたと言う。

また、当社が提案した時刻表などのサイン製作では、発注は一社単独ではなく複数の業者に分散するという鉄道会社の意向もあり、それぞれの納入業者が保有している印刷機械の違いを製品の仕上がり段階では全く同じ品質にするためのデータ製作を行う必要があった。この仕事は、近藤専務がとりまとめた。製品はもちろんプレゼンの場でも照明によっては印刷物の色の見え方が異なる「演色性」に配慮するので、会議を行う場所の照明の種類を事前に聞くという徹底ぶりでとにかく仕事にこだわる。お客様からは「仕事がきっちりしている近藤さん」と高く評価されている。

「兄弟がお互いにその道のプロであるため、喧嘩はあります。喧嘩をしかけるのも先に謝るのも自分です。謝るタイミングが重要です」と近藤社長は兄弟経営を上手に行うコツを語る。


● 準工業地域の高津区宇奈根に新社屋を建設


「百年に一度の世界恐慌の最中でも準工業地域の高津区宇奈根に新社屋を建設できました。川崎ものづくりブランドの認定により、行政や金融機関の当社に対する見方が変わったのを実感しました」と近藤社長は語る。4箇所に分散していた事務所や作業場を集中できるメリットは大きい。

新社屋の防犯照明にはLED照明装置「デルタレイズパワー」を使用している。いずれは社屋そのものに、新製品の利用シーンを提案するための展示場の役目を持たせたいと言う。

当社の創業は昭和42年である。近藤眞会長は川崎市内の大手メーカーで働いていたが、字を書いたり、絵を描いたりするのが好きだったことから看板屋に飛び込んだ。雇って欲しいと日参し、住み込みで修業した後に独立した。近藤会長は文字屋のプライドを今でも持っており、全技連マイスターの称号も持つ。週末には「広告書道」を無料で教えている。「自分が忘れないように、書き文字の技術が無くならないように技能継承も兼ねています」と近藤会長は謙遜する。

「コミュニケーションを多くとり、和を大切にしましょう!」と「フレキシブルなシステムを目指して」を就業規則として掲げる。若手従業員にも「何でも聞いて欲しい」と近藤社長はコミュニケーションの重要性を訴える。仕事は厳しいが、少人数での経営のためデジタルを含めた多能工を育成している。多くの技術を身に付けたい異業種を経験した20代の若手人材であれば採用する方針である。


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