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会社名株式会社 昭特製作所


テレビスタジオ用機器でトップを走る付加価値追求型企業



社長 花田 薫 氏
事業内容事業内容
テレビスタジオ用機器、産業用機械、電子制御装置
金属試験片の設計製作、ブライダル関連事業

  • 企業名 株式会社 昭特製作所
  • 創 業  1944年(昭和19年)12月
  • 所在地  〒213-0002 川崎市高津区二子6-10-10
  • 電 話  044-833-3351
  • FAX   044-833-5807
  • 代 表  花田 薫 氏(ハナダ カオル)
  • 資本金 9900万円
  • 従業員  346名
  • URL  http://www.shotoku.co.jp/

取材の第一声で「当社は元気企業ではないので、何もお話しすることはないですよ」と語る(株)昭特製作所の花田薫社長。その言葉とは裏腹に同社は、テレビスタジオ用機器で国内の7割近いシェア(同社推定)を誇る。地上波デジタル放送の時代が到来し、更なる高水準の映像が求められる放送撮影現場で、プロのテレビカメラマンの厳しい要求に応えているのが、同社の技術力を結集した雲台(カメラを自由な方向にむけるベース)やペデスタル(カメラ支持機材)といった機器である。そして同事業と併せて産業用機械・各種制御装置、鋼材試験片、ブライダルの4事業をバランス良く展開している。

● 大手企業の要望に応え続けて、メカトロニクスの総合力を築く


同社は、1941年に花田 宰平氏(初代社長、現社長の父)が工作機械や製鋼機械等の設計を主業とする昭和設計事務所を設立したことからスタートしている。設計協力などを通じ大手企業との取引が徐々に成長軌道に乗り、1944年に鰹コ和特殊機械製作所を設立、設計だけでなく丸棒矯正機や精密鍛圧機などの製作も手掛けるようになった。

同社の設計と製作を併せ持つ総合力を期待して、大手企業から産業用機械や特殊工具などを中心に依頼が舞い込んできた。輸入品しかなかった特殊工具の製作なども、悪戦苦闘して何とか納入したこともあった。そうやって日々を重ねるうちに会社の売上が伸びていき、1961年からは現在の高津区二子に本社を定め、機械製造業としての礎を築いた。1967年からは、製鉄会社の鋼材の試験片の加工業務を開始しており、その品質の高さが製鉄会社から評価されている。

しかし同社は機械事業だけに留まらなかった。1966年、国内エレクトロニクス業界の飛躍的な発展を見て、電気事業部を新たに設けた。同社はここから機械と電気を併せ持つ“メカトロニクス企業”へ変貌していくことになるのである。花田社長は、5年ほど製鉄会社に勤務した後、1970年に同社へ入社し発展を支えてきた。同社の中心顧客は、大手の製鉄会社や電気メーカーといった機械単体や電気単体の事業会社である。同社はメカトロニクス企業となることで顧客の手の届きにくい複合領域に跨る業務を請け負い、付加価値を認められている。「当社は最先端ではないが、機械と電気のあらゆることが社内でできる。そういうバランスの良さがお客様に評価されていると思う」と花田社長は言う。顧客とは長年の信頼に基づく良好な関係が継続されている。とはいえ1社に傾倒することなく、様々な分野の顧客に広く応えることで自力を貯えてきている。

制御装置分野では、ゴミ焼却場の燃焼制御装置を開発・製造し、既に約50の焼却場に納入されている。また宇宙開発関連機器の分野にも同社の技術は活かされている。最近では液晶製造装置なども製作している。その技術力が認められ、過去には大手企業のOEMメーカーの打診を受けたこともある。その時は考えるところもあったが、設計をしながら自社製品を製造するというスタンスを変えずにニッチな市場を守り続けてきた。


● 海外30カ国以上で使われるテレビスタジオ用機器


昭特製作所の名を世に広めた製品にテレビスタジオ用機器がある。事業の端緒は、設立初期に大手企業と協力して進めたテレビ局向けのスタジオ用機器の設計・生産業務にあった。1960年代半ばから、協力大手が同事業から撤退することになり、自社ブランドでの製造・販売を行うようになった。

プロ向け製品である雲台やペデスタルには、角度や高さの精度といった客観的特性と粘性やバランスの具合といった感覚的特性の両方で厳しい性能が求められる。カメラの重量や形状によらず完全にバランスさせる機構設計と調整ノウハウは他の追従を許さない。そして、産業機械や制御装置で長年培った要素技術を社内で展開、教育することで、機械と電気が高いレベルで一体化された高付加価値の独創的製品が生み出されている。一人で複数のカメラが操作できるよう自走してカメラアングルを決める“ロボットペデスタル”、実写映像にCG画像を合成するための“バーチャルシステム”はその代表例である。これらの装置は、通販番組や天気予報、スポーツ中継などに欠かせないものになっている。

花田社長は「付加価値を如何につけるか」にこだわっている。その点で日本における製造業のあり方について冷静な見方をしており、海外展開も積極的である。2000年には米国にSHOTOKU INCを、2005年には英国にSHOTOKU LTDを設立した。高い製品品質と独創性が評価され、米国議会や英国のBBCなど海外30カ国以上へのスタジオ用機器の導入実績がある。

海外進出という華やかな面がありながらも、同社は人の和を大事にする面がある。企業理念は“社会に奉仕すること”“よい人間関係をつくること”“職務に最善をつくすこと”。「技術開発にはある程度の無駄も必要です、人材育成の面で苦労することも多いですね」と語る社長の懐の深さが、高付加価値製品の創出に繋がっているのであろう。


● 第四の柱「ブライダル事業」への戦略的な取り組み


従来、弊社を支えてきたスタジオ機器、産業用機器、鋼材試験片の三事業に続く、第四の柱となる事業も立ち上げた。それが、2005年から手掛けているブライダル事業である。今までの事業とは無関係にも思えるが、結婚式場は同社のスタジオ用機器が使われる場所の一つでもある。「時代の変化とともに結婚式の形態は変わってきている。人生の先輩をお招きして結婚の報告と挨拶をするというとらえ方が現在では少なくなっており、自分がスターになるイベントとしてとらえる人が多いのではないか。そういう演出を実現するツールとして、当社がテレビ局の仕事で培ったCG合成のバーチャルシステムなどを当社の式場で活かしていきたい」と花田社長は明確に語る。また「少子化の時代に何故?」との質問にも、「結婚式場のビジネスは新郎新婦の親御さんに支えられている。質を高めた演出に納得いただければ数の減少を補えるだけの十分な収益を確保できる。」と社長の慧眼は時代の変化を読み解く。現在は、横浜の元町、新横浜、千葉の幕張の三か所で結婚式場を運営しており、新横浜と幕張ではレストラン、宴会場も同時に手掛けている。

今後は、時代の変化により柔軟に対応するためにも“昭特ホールディングス”へ会社の形を変えていくビジョンがある。同社のバランス感覚の良さは新たなステージにおいても発揮され、付加価値を追求し続けるであろう。


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