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会社名日本ベローズ工業 株式会社


弛まぬ姿勢で高い品質を守るベローズ業界のパイオニア



社長 庄司 洋路 氏
事業内容事業内容
ベローズ(金属性蛇腹)、ベローズシールバルブの製造・販売

  • 企業名 日本ベローズ工業 株式会社
  • 創 業  1975年(昭和50年)10月
  • 所在地  〒213-0033 川崎市高津区下作延3-20-2
  • 電 話  044-888-5668
  • FAX   044-888-0556
  • 代 表  庄司 洋路 氏(ショウジ ヒロシ)
  • 資本金 3000万円
  • 従業員  85名
  • URL  http://www.nihonbellows.co.jp/

金属性ベローズ(蛇腹)は、一見すると洗濯機の排水ホースを連想させるような形状をしているが、伸縮性や気密性に優れており、自動車の排気管、精密機器、真空装置などに使われる重要なパーツである。特に自動車用排気管ベローズは、排気に伴う振動を低減するため優れた振動吸収性と耐久性が求められる。日本ベローズ工業株式会社は、ベローズ一筋に30年以上の歴史を誇る。川崎の本社工場には、その歴史を物語る機械が現役として研究用に動いている。一方、最新鋭の愛知工場では、その歴史に裏付けられたアイディアが織り込まれたロボットが日々難しい形状のベローズを製造している。温故知新で確実なモノづくりを進める同社は、ベローズの新しい可能性を切り開いている。

● 小回りの利く対応とあきらめない姿勢で顧客対応


1968年当時カメラの組立をする会社を経営していた黄木博直氏(現会長)は、知人であったいすゞ自動車の役員から「自動車の排気系統用に金属性のベローズを自動化して作れないか?」との相談を受けた。黄木氏は、ベローズの試作が成功したら採用するとの条件に奮い立ち研究を開始した。ベローズは、管の内側から圧力をかけた状態で外側から絞って山谷をつけて作る。ベローズ製造の自動化を進めてみると、山谷の数が少ない場合は満足いく形状ができるものの、自動車用に合わせて山谷の数を多くすると所望の形状が得られない状況が続いた。その壁を超えるのに長い年月がかかった。

ようやく製法を確立した1975年にカメラの組立工場の隣地に日本ベローズ工業を設立し、社員2名でスタートしたが、暫くは工具なども組立工場から借りて来るような状態であった。設立から1年後、一人の機械技術者が入社した。それが現社長の庄司洋路氏である。庄司氏は意気揚々と入社したものの、その気持ちとは裏腹に会社には肝心の受注が無い開店休業状態であったと言う。そんな状況が1年ほど続いたため会社として解散を余儀なくされ、覚悟を決めて当時5名程度いた社員全員で長野の温泉に“解散旅行”へ行った。ところが運命とは不思議なもので、旅行から帰った直後にいすゞ自動車から数百本の発注があり、同社は息を吹き返した。「安定した顧客を持ったことで、新たなことにチャレンジが出来るようになった」と庄司社長は当時を振り返る。会社解散を考えたことが嘘のように経営的に安定するようになった同社は、新規顧客開拓のため技術や営業の区別がない社員総力戦を展開し、川崎からベローズを持参して新幹線に乗り愛知県の大手企業にも何度も出向いた。そのうち、その熱心かつスピーディで「小回りの利く」対応と「あきらめずやってみる」姿勢が評価され、顧客の信頼を集めるようになった。

会社の信用が高まってきたものの、当時の工場は夏に蒸し風呂のような状態になるスレート屋根の建屋で、作業環境は満足とは言い難い環境であった。順調に売上を伸ばす中で作業環境の充実にも投資を行い、1980年には念願の新工場を愛知県の安城に設立、そしてそれから10年で2工場を新設し、3工場体制を構築した。ベローズの製法は創業時から変わっていないものの、同社は自動化に果敢に挑戦してきた。1993年には、ベローズ生産の自動化ラインを第2工場に増設し、オリジナル生産システムで多品種生産と品質安定化、省力化を両立させている。

また、自動車以外の分野でも同社の技術力を聞きつけ、様々な顧客から新しいベローズ応用製品を求められるようになっていった。1982年には、バルブの中に高性能のベローズを組み込み、流体の漏れを完全に防止するベローズシールバルブの製造・販売を開始した。その安全性が評価され、石油、ガス、原子力といった高い安全性が求められる現場で使用されている。


● 全員で情報共有し、全員で考える文化で高い品質を維持


同社は、品質向上の一環として2005年にはISO9001:2000(品質保証と顧客満足の向上)を認証取得した。また、自動車メーカーや自動車部品メーカーから品質優良企業として表彰経験もある。品質に厳しい自動車業界からの表彰であるので、その品質の高さは推して知るところではあるが「図面寸法を守るだけ。当たり前のことです」と庄司社長は謙遜する。顧客の視点で「不良品が流れるとお客様が困る」ということを従業員に徹底し、口だけでなく社長自ら折々現場に出て行動で示している。従業員100名近い陣容になっても、社長自身が2年前までは週に1〜2時間は現場作業をしていた。さすがに現在は現場作業からは退き、「私しか扱えない機械があったのに、従業員にとられてしまって非常に残念」と笑っているが、現場に対する思いは強い。

現在、同社従業員の平均年齢は36歳で平均勤続年数は7年と中途採用の多い構成になっている。「夢と希望を持たせ、それに向かって自分で考えさせる」というように仕事の与え方に配慮している。そして貢献する人間は、入社年数その他に関して分け隔てなく登用する体制作りも進めて、従業員の定着率を高めている。それも“人による人のためのテクノロジー”を掲げる同社の考え方が基になっている。

庄司社長をはじめとする経営陣の頭の中には、「無借金経営」の文字が常にある。そのため、数年前から決算発表で社員へ経営状況を開示して、利益感覚は現場にも浸透させている。従業員が自分の給料を減らさないために何をすればよいのかを自発的に考え、様々な提案や改善がボトムアップで進められる。従業員を満足させてあげたいという気持ちが経営陣にはあり、その上で従業員も会社のことを思い働いて欲しいと考えている。


● 複雑形状を低コストに実現するハイドロフォーミング技術への挑戦


昨年、愛知県に散在していた生産拠点を幸田工場に集約した。ラインレイアウトは自動車業界を参考に決めたが、そのまま受け売りで導入するのではなく、現場で蓄積した経験に基づく独自の工夫をして設備が有効に稼働するようレイアウトした。これにより130人で稼働させていた工場を80人稼働に抑えることができた。「お客様に見ていただける工場になった。また副次的効果として、そこで働く従業員の表情が生き生きと感じられ満足している」と庄司社長は語る。また、2002年には中国の天津に工場を建設し海外展開も進めてきた。

一方、新しい技術開発としては、ハイドロフォーミング技術に取り組んでいる。ベローズより肉厚の2mm以上の鋼管を対象材として、流体により管の内圧を300MPaまで上げつつ外側から押さえ込んで成型する方法である。これにより複雑形状のパーツを複数同時に低コストで製造することが可能となる。同社は今後もベローズを軸として、様々なニーズに応えるべく事業領域を拡大していく。


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