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会社名株式会社 和興計測


暮らしを陰で支える液面計測機器多種多様なニーズに応え続ける職人集団



社長 塩崎 勉 氏
事業内容事業内容
液体貯槽に於ける各種計測器の開発・製造・販売

  • 企業名 株式会社 和興計測
  • 創 業  1968年(昭和43年)6月
  • 所在地  〒213-0032 神奈川県川崎市高津区久地864番地1
  • 電 話  044-833-7181
  • FAX   044-850-8586
  • 代 表  塩崎 勉 氏(シオザキ ツトム)
  • 資本金 2000万円
  • 従業員  13名
  • URL  http://www.wako-keisoku.co.jp/

川崎市高津区久地に居を構える株式会社 和興計測は、創業41年になる液面計測機器の老舗メーカーだ。液面計測器と聞くとあまり親しみのない製品のようだが、社会のあちこちに設置され、人々の生活の安心と安全を陰で支える黒子のような存在となっている。同社は多様なニーズに対応する優れた開発設計力で、液面計測器分野では磐石の競争優位を獲得しており、その製品は国内のみならず海外でも広く採用されている。ものづくり都市川崎を代表する、紛れもない元気企業の一社を紹介しよう。

● 大手、中小、零細企業、そして勤務先の倒産を経て創業


塩崎 勉氏は中学卒業と同時に大手電気メーカーに就職した。会社の理解のもと、日中は働きながら定時制高校の機械科と電子専門学校で6年間学ばせてもらったと言う。「学校で学んだ電気関連の事業所へ転属を申し出ましたが、願いは叶いませんでした」という塩崎氏は、自分に目を掛けてくれていた会社の先輩の勧めもあり10年間勤めた会社を退社、再就職先で計測器と出会った。短い期間であったが、大手計測器メーカーの下請け企業で、計測器類の修理担当として最新機器に触れることができ、学べるものは大変多かったと塩崎社長は当時を振り返る。

その後就職した玩具メーカーの倒産が、塩崎社長の経営理念に大きな影響を与えているようだ。「大きな夢を持った社長でしたが、事業拡大が裏目に出て倒産しました。そこで学習したことは日本での会社倒産は死滅に等しいということ、企業というものは大きくする事よりも、社会が必要と認める企業を目指し、身の丈にあった経営を心掛けることが大切ということです」と自身の経験をもって語る。 勤務先の倒産を機に1968年、親友2人と新たに会社を興したのが和興計測の始まりである。創業当初は大変厳しいスタートであったが、し尿処理場施設向けに開発したセンサーが大手エンジニアリング企業に認められ、以降切れ目なく注文が入り多忙を極めるようになった。折しも東京オリンピックの開催に伴う新幹線の開業、高速道路の開通など大きなプロジェクトが目白押しという右肩上がりの経済情勢であったことも創業したばかりの同社の後押しとなったと言う。


● 日本の厳しい自然環境に合わせた製品設計と防爆認定


同社の液面計測器は我々の身近な生活シーンで人知れず活躍をしている。例えば水道水の給水システムである。昔はビルの屋上に設置されていた貯水槽だが、バクテリアなどの微生物やネズミの屍骸など衛生面で問題になることもあり、近年は地下のタンクから各戸にそれぞれポンプで汲み上げてきめ細かく給水するようになった。そうなると、地下タンクにある水の量を、細かく測定・把握しておかなければならない。そのときに活躍するのが、同社の液面計測器である。

計測されるのは水ばかりではない。停電時の備えとして自家発電設備の設置が義務づけられている建物では、その発電機の燃料油は地下タンクに備蓄されている。万一に備えて、どれだけの燃料油が確保されているかを常にモニタリングし、不足しているようなら補充しなければならない。そのときに活躍するのも、やはり同社の製品である。

国土が小さい日本の土地利用環境では、建物は様々な立地条件や土地形状に合わせるように建築されており、結果として一つ一つ異なった形や大きさのタンクが設置されている。それら複雑な形状のタンクの中にどれだけの容積の液体があるかを計るには、各々のタンクに合わせて計測器の表示を工夫するという、全てがオーダーメイドに近いものとなる。規格化された汎用製品では使いものにならないが、その時には和興計測がそれぞれの利用環境にカスタマイズした計測器を設計することで、どんな環境でも適切に機能する製品を提供することができる。これが和興計測の強みの一つとなっている。

同社の製品の強みはまだある。環境災害を防ぐための工夫として、液面計測装置の設計は電気を使わない機械式となっていて、敢えて電子式の計測手法は採用していない。ハイテク化の名のもとに電子化が重宝される嫌いがあるが、電気信号を使う電子式の計測機器は、落雷などでノイズ信号が紛れ込みやすい日本の厳しい気候風土には向いていないのだと塩崎社長は語る。

給配水など重要な社会のインフラストラクチャに採用される液面計測器は、屋外環境で使用されることが多い。ダムの貯水量や河川の水位を計るような状況では、風雨に晒される電子機器は故障や誤作動のリスクが高くなってしまう。しかし和興計測が得意とする機械式の計測機器はそのような心配がない。川崎市のものづくりブランドに認定された同社のスプリングモーターを搭載した計測機器は、独自の駆動機構で水位の変動にあわせてフロートの上下動を制御し、高い精度での計測が可能なことでエンドユーザーからも高い信頼を誇っている。同社の製品は産業安全技術協会から耐圧防爆構造(製品が爆発や火災の火種にならないよう工夫がなされた構造)がなされたものとして認定されているが、これはそうした機器が利用される現場の厳しい自然環境に対応する様々な工夫を積み重ねてきた賜物である。多様なニーズに対応してきた結果、現在までに同社が世に送り出した製品種類数は800以上に及んでいる。


● “ものづくり”にこだわる「人財」の育成


広く応用が進む同社の製品、技術への信頼を支えているのは、長年の経験を積んで顧客の要望に確実に応えられる設計に熟達した社員たちの存在である。塩崎社長は、「我が社にとって、社員は材木の材ではなく、財宝の財、まさに“人財”なんです」と語る。例えば災害で離島の設備が被害を受けたときなど、そこで起きている問題はそれぞれ違っており、それぞれに合わせてどうやって製品を改修するか、いちいち他人に聞いてはいられない。現地で、社員自身が考えて意志決定をしなければいけない。その時にお客様に、AとBという当たり前の提案だけでは無く、全く発想を変えた第三の提案も出来るような“人財”育成に努めていると言う。

川崎北工業会の会長も務める塩崎氏の今後の展望としては、それぞれ優れた技術を持つ企業が活発に連携できるようなネットワーク作りの構想がある。そこには「阪神淡路大震災の時に、二週間で手押し車を300台作ってくれと頼まれましたが、対応できなかったのが残念で」との反省の想いがある。 瀬戸内海のある離島の貯水施設でも、同社の水位計が利用されている。管理担当者は普段、島に来ることができないため、対岸の事務所から双眼鏡で確認できるように直径600ミリもある巨大水位表示板をつくった。「大きな会社で小さな仕事をするよりも、小さな会社で大きな仕事をするほうがやりがいもある」と語る塩崎社長。同社の製品は、今日も日本のあちこちで、人々の暮らしを支えている。


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