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元気な起業家紹介
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会社名営電 株式会社


集中テレビ試験信号発生装置で国内90% 海外70%のシェアを持つ世界1企業



社長 深川 喜男 氏
事業内容事業内容
TV試験信号発生器・計測機、フィールド再現テスト装置、エリアワンセグ
関連機器、デジタルサイネージ、自主放送関連機器、その他

  • 企 業 名 :営電 株式会社
  • 創 業 :1964年10月
  • 所 在 地 :〒215-0033 川崎市麻生区栗木2-7-1
  • 電 話 :044-988-2111 FAX:044-987-7053
  • 代 表 :深川 喜男 氏(フカガワ ヨシオ)
  • 資 本 金 :4億2950万円
  • 従 業 員 :122名
    URL :http://www.eiden-gp.co.jp/
 元気な先端企業が集積する川崎市麻生区の栗木マイコンシティ、広々とした畑地を南面にした一角に大きくそびえる5階建てのビルが、日本が世界に誇る「試験装置(テスト用TV信号発生システム等)の世界トップメーカーである営電 株式会社」の本社であり技術センターでもある。その5階の眺望の良い会議室で、深川社長のお話を伺った。

● 放送業界の歩みを先取りした製品開発で業界のトップを走る


  日本の国内外通信は大戦により壊滅的打撃を受け、GHQの管理下に置かれていた。1951年にサンフランシスコ平和条約の締結により独立が認められ、1953年には民営の国際電信電話(現KDDI)が設立され、その後の電気通信事業の隆盛の礎となった。その後1963年にケネディ暗殺というショッキングなニュースを放映した日米間初のTV衛星中継実験、翌年には日米間初の同軸海底ケーブルが開通し、広帯域通信時代を迎える。

 このような通信・放送技術の進展の中、東京オリンピックがカラーTV放映された1964年に日本特殊電子研究所(1969年 営電鰍ニ改称)が設立された。創業者は同じ通信機メーカー出身の仲間7人で、深川社長(当時は取締役で、1987年に3代目社長に就任)以外は通信技術のエキスパートであった。氏は、昼は営業で駆け回り、夜は経理事務をこなす毎日であったと言う。
創業間もなく、当時は真空管方式であったTV試験信号発生器をオールトランジスタ化し、小型、高性能、高信頼性の製品で市場(TV生産メーカー)を席巻している。

 電波法では混線を防ぐために放送局以外がTV電波を送信することを禁止している。しかしながらTVの生産ラインなどでは映像がきちんと映るか、出荷前の検査テストが欠かせない。そこで必要となるのがTV試験信号発生器である。放送電波と同じ信号を生成し、ケーブルでTVに送り込むこの装置は、地形や気候の違いなど、色々な環境による差異を想定した電波信号を再現して送ることを可能にしている。以来、当社は放送業界の歩みと共に、その先端技術を先取りした製品を送り出すことにより、業界のトップランナーの地位を不動のものとして来た。

 個々の製品例をあげれば、80年代には西独、米国、韓国、英国など各国ごとに仕様が異なる方式の音声多重変調器*の発売、衛星試験放送開始に先駆けて衛星放送試験信号発生器の発売、90年代以降は世界のデジタル化をにらんでISDB-T(NHKが開発した統合デジタル放送の方式)やDVB-T(欧州各国で採用されている地上デジタル放送の方式)用の周波数分割多重化変調器、DVB-T2やATSC-M/H(アメリカで開発されたデジタルTV規格)信号発生器などを矢継ぎ早に送り出している。

*変調器:音声や映像のデータ(電気)信号を、伝送しやすい周波数に変換する装置

● トップを走り続ける企業の製品戦略に経営の基本セオリーをみる


 技術の進展を先取りし、他社より早く市場投入できる製品開発は、先端技術開発を行っている通信・放送の技術研究所とのコラボレーションから生まれている。当社従業員の8割を占める技術者集団の優秀な人材が技術開発テーマを持って、大手トップ企業と共同研究開発を行う。当社の過去の実績と実力を知る各社は多大な好意を持って応じてくれるという。
大手メーカーの高性能な製品の生産を支えるには、高度な信頼性、高い精度および顧客の個別仕様に柔軟に対応できることを要求される。当社はそれを誰よりも先駆けて行ない、更には、製品の中核部品を自社設計・開発することで技術のブラックボックス化を図り、他社では真似ができない製品としている。

 製品の市場投入に関してもユニークな戦略を持っている。技術の進展を先取りした製品の投入は、まだ市場が小さく原価高でもあるが、顧客メーカーが自社製品の開発研究用に購入する。その後各顧客メーカーの量産化投資が始まる前に普及品を準備しておき、競合品が現れる頃には機能を簡略化した廉価製品等を投入することで、他社競合品を払い落としている。

 企業が大きくなり守備範囲も多様となることによる弊害を避けるため、専門に特化した企業集団を形成している。電磁波関連の測定器を担当する「エレナ電子梶vは放射電磁界イミュニティ試験装置G‐TEM Cellのアジア唯一のメーカーである。信号発生器・計測機、放送関連機器などは「褐陽測器」が高い生産技術力のもとで独立企業として組立、配線、製造に特化している。また国内のみならず韓国、台湾、中国、シンガポール、欧米など海外に販売ルートを持ち、商社として「三興通商梶vも活躍している。これらを共同企業体とし、営電鰍ヘ最先端の技術や理論を生み出す頭脳集団として、そのセンターとなっている。

● 洋々たる世界の通信と放送の連携技術進展への対応


当社の今後の取り組みは“世界に通用するグローバル化"である。世界的にはまだ過半数がアナログ放送であるが、確実かつ急速にデジタル化が進展している。アナログ・デジタルへのマルチ対応が課題であるとともに、デジタル化の先進である欧米諸国や急進展しつつあるBRICs諸国(ブラジル・ロシア・インド・中国)への拡販に取り組むと言う。

これからの通信・放送技術では高質感・空間再現メディアのスーパーハイビジョンや3D眼鏡のいらないインテグラル立体TV、地デジの携帯移動体受信、高齢者向け音声処理技術、次世代表示システムとしてフレキシブルディスプレイ 等々の出現が望まれている。これら多様な新技術商品に役立つような、独自の技術開発に取り組む当社の活躍に大いに期待したい。
 

● 従業員を大切にし、三位一体の運営を続ける

 
 従業員には英語の研修を必須としている。必ず海外出張をさせることで、メディアの最新情報を得させるようにしている。また給与は社員が安心して研究に没頭できるよう電機労連の平均給与水準を見て、これを上回る処遇を心がけている。チームワークを大切にする社外活動も奨励し、従業員の定着率は高い。「三位一体(資本、経営、労働)の運営で会社の永続と発展のため懸命に努力しています」と語る深川社長の柔和な顔が印象的であった。
 
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