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会社名株式会社 田村工機


「お客さんを喜ばせたい」その一念が高めた成形品加飾技術



社長 田村 文男 氏
事業内容事業内容
紙や段ボール用抜き型及び関連部品の製造販売

  • 企業名 株式会社 田村工機
  • 創 業  1969年(昭和44年)2月
  • 所在地 〒213-0033 川崎市高津区下作延5-38-8
  • 電 話  044-822-1293
  • FAX   044-822-1295
  • 代 表  田村 文男 氏(タムラ フミオ)
  • 資本金 1,500万円
  • 従業員 54名
  • URL  http://www.tamurakoki.co.jp/

段ボールは、発砲スチロールのように軽く、木材並みの丈夫さがあり、その上リサイクルできる非常に便利な素材である。段ボールを加工して紙器や箱などにするためには、金型ならぬ“抜き型”というものが存在するが、この抜き型を徹底的に研究して、日本全国の段ボールメーカーに供給する企業が川崎市高津区にある。株式会社 田村工機は抜き型のリーディングカンパニーとして段ボールの応用範囲を広げ、段ボールで作ったテーブルや椅子、玩具などの商品化を目差して注目を集めている。

● 金属箔抜き型から段ボール用抜き型へ

創業者である田村社長は研磨機メーカーの機械設計技術者であった。金型の設計技術を見込まれて刃物メーカーにスカウトされた田村氏は、そこで銅やアルミなど金属箔の抜き型製造に携わった。
抜き型には、垂直に上からプレスして打ち抜く「平抜き型(平型)」と、回転するシリンダーに抜き型を装着して打ち抜く「円筒抜き型(ロータリー型)」がある。一般的に生産量が少ない物の場合は平抜き型を使用し、量産品の場合はスピードが速い円筒抜き型が使用されることが多い。円筒抜き型に使用される刃物は、絞り加工によって弧を描いた独特の形状をしているが、この形状と工法を考え出し、業界で最初に抜き型に使用したのは刃物メーカーに勤務していた当時の田村氏である。

田村氏が作った抜き型が、老舗の段ボール加工機械メーカーの目に留まり、仕事を依頼されたことが創業のきっかけだ。1969年に段ボール用抜き型製造の専門会社として有限会社 田村工機を川崎市多摩区にて設立。1980年には株式会社に改組、1982年に工場拡張のため現在地に移転した。桜並木も立派な当社前の道路は自前で拡張整備したものであり、移転当時は狭い獣道しか通っていなかった。低圧の電力はあったが、レーザーカットマシンが使える高圧電力がない。電力会社と再三にわたる交渉をし、遠くから電柱を立てて高圧電力を引き込むところから始まるなど、決して順風満帆と言えるスタートでは無かったが、現在では当社の54名を中心に、北海道、東北、九州に2つの関連会社と2つの営業所があり、グループ全体では130名を越えるまで成長した。

● 40年培った技術と品質とノウハウ


現在では、輸送用に膨大な量の梱包用段ボール箱が使用されているが、この箱を作るためには抜き型が必ず使用される。抜き型の製造は、まず箱の形状や強度を考慮しながら、図面を設計・デザインすることから始まる。段ボール箱をばらして展開してみるとよく分かるのだが、箱の強度によって段ボール紙の折り方、組み方など微妙に設計が異なっていることが理解できる。折り込みの多い複雑な設計にすれば強度は増すが、お客様が要求するシンプル設計で堅固な箱となるような図面を描くためには、段ボールの特性を知り尽くした熟練の知識を要する。

出来上がった図面データを基に、レーザーカットマシンでベニヤ板に孔や溝を切り、特注の刃物を埋め込む。近年はCAD(コンピューターによる支援設計ツール)により、レーザーカットマシンや自動刃曲げ機なども制御することが可能になったが、高度な抜き型の製作にあたっては従来通りの職人の手による微妙な調整が欠かせない地道な作業だ。指定通りにカットできるよう、また、刃物が傾くのを防止するために要所に補強とクッションを兼ねたスポンジを張って抜き型が完成する。
抜き型の品質が悪いとカットされる断面が破断してしまい美しく仕上がらない。カットの際に出る紙の粉が舞って不快感を与える。段ボールを抜くときの圧力が一定でないと表面に凹凸ができ、印刷が綺麗に仕上がらない。これらがすべてお客様からの苦情となる。最近ではリサイクル古紙の使用など紙質の悪化への対応も要求される。このように当社の抜き型には、多くの課題を解決してきた歴史があり、40年にわたって培った品質改善に対する貴重な技術とノウハウがたくさん隠されている。
当社では、段ボールを利用したアイデア商品が次々と考えられている。段ボール製のテーブルや椅子、ロッカー、ドアストッパー、パーテーション、ペット用キャリアバックなどアイデアは無限に広がる。それぞれ折り畳み可能、軽くて持ち運び可能という段ボールの特性を存分に活かした商品となっている。椅子などは数百キログラムの重量に耐えるだけの堅固さも兼ね備えている。

「段ボール=廃材というイメージを変えていきたい」と語る田村社長。それは段ボール抜き型のリーディングカンパニーに課せられた責務であるのかもしれない。


● 末永くお付き合い頂けるお客様を増やしたい


当社には、誠意、発意、創意という三つの経営理念がある。これを「日々心のこもった仕事と感謝の心」、「日々新たなる熱き心」そして、「日々果敢に挑戦する心」と表現する。抜き型メーカーとして、お客様のあらゆるニーズに応えられるように、社会のために優れた抜き型を提供し、企業価値の向上を目標に日々前進する。新入社員の教育は3年をかけてOJTで行う。又、毎月第一月曜日に全体集会を開催し、前の月に発生した問題とその原因、対策を全員にすばやく伝達し、再発を防止する。そして、社長の考え方や方針を訴える。
当社が設計、製造した抜き型の品質については絶対の自信を持っている。業界で初めて1999年にISO9001の認証を受けた。ISO9001の認証は、社内の品質意識の向上に大きく貢献し、抜き型の設計、製造に関するノウハウと技術の伝承に役立っている。
当社の抜き型を正しく評価し、問題なく使用してもらうために抜き型を納入する際には段ボールメーカーに技術者を派遣して立ち会う。このことで出来上がった製品の品質や抜き型の寿命に差が出る。時間と手間がかかる作業ではあるが、これらの地道な活動が当社の技術を正しく評価していただける方法と信じて実行する。納入時の立会いを通して業界の動向を把握し、発生する問題も解決する。これからは、この立会いとサービスメンテナンスで差別化し、業界における地位を維持拡大したいと考えている。

日本には、500社を超える抜き型業者があるが、設計から生産まで一貫して出来る業者は少ない。当社は、品質や技術、コストパフォーマンスの面でその頂点にあると自負する。「包装は物流の要であり、段ボールの需要が無くなることはありません。今後も当社と末永くお付き合いいただけるお客様を増やしたい」と語る田村社長の想いが浸透し、抜き型製造のリーディングカンパニーを維持するために全社員が一丸となってフル回転している雰囲気が工場全体に満ち溢れている。

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