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会社名黒田精工株式会社


世界最強ブランド「Made in Japan」 その原点がここに在り



社長 黒田 浩史  
事業内容事業内容
ボールねじ、プレス型、ツーリング、工作機械、精密測定装置等の製造販売

  • 企業名 黒田精工株式会社
  • 創 業 1925年(大正14年)1月
  • 所在地 〒212−8560 川崎市幸区下平間239番地
  • 電 話  044−555−3800  
  • 代 表  黒田 浩史 氏(クロダ ヒロシ)
  • 従業員 614人(連結)
  • URL   http://www.kuroda-precision.co.jp

  高性能・高機能製品の代名詞とも言えるMade in Japan。そのブランド力を支えてきたものは妥協を許さない精度に裏打ちされた品質にある。“精度”にこだわり続け、ものづくり大国としての日本の高度経済成長の一翼を担ってきた企業が工都川崎市に本社を構える黒田精工株式会社である。業歴80年超を迎えて今なお成長を続ける元気企業は、活躍の舞台を日本のみならず世界に見据え、その大きな翼を広げようとしている。

● 時代が変わっても脈々と受け継がれる“ものづくり”の精神 

 
  当社の歴史は1925年に黒田社長の祖父である黒田三郎氏が大田区蒲田にて黒田挾範製作所を個人創業し、ゲージと呼ばれる寸法や形状を精密に測るための検査器具の製造販売を開始したことに遡る。日本初の機械工具メーカーである池田工具製作所(のちの園池製作所、現アマダ)に勤務しながら夜学で機械工学を学び、ものづくりの基本となるゲージに深い関心を寄せていく過程で専業メーカーとしての自立を決意した三郎氏は、のちに自立に至った当時の心境を手記で「已(や)むに已まれぬ気持ち」と綴っている。個々の部品を均一な精度で加工(規格化)することは部品互換の実現に繋がり、それは量産の大前提になると同時に品質の向上に繋がる。三郎氏は欧米先進国では既に主流となっていた、ゲージを用いることで実現する互換工作法(アメリカシステム)の普及に努め、その品質の素晴らしさを証明することで、それまで主流であった外国製ゲージに代わる「ゲージのクロダ」としてのブランドを確立していった。さらに三郎氏はゲージ製造で培った技術を活かして小型精密測定器というヒット商品を生み出した。それは瞬く間に数千台が全国に普及し、日本の生産技術向上に寄与していくこととなる。しかし1941年、その後に続く日本産業界の輝かしいまでの成長を見ることなく、三郎氏は49歳の若さで夢半ばに急逝する。
 
 三郎氏のものづくりに対する遺志は息子である彰一氏に引き継がれる。彰一氏は1949年にJIS(日本工業規格)が誕生するに至った立役者の一人として日本産業界の発展に貢献、アジア金型工業会FADMAの創立者であり初代会長にも就任する。現在は当社の最高顧問も務める同氏は戦火による本社消失や幾多の経済不況などの荒波の中、先頭で舵を取り当社成功の礎を築き上げてきた。
彰一氏から「一族経営は考えていない」と宣告された浩史氏は、大学卒業後は家業を継ぐことなく新日本製鉄に入社する。米スタンフォード大学で経営学修士を修了したのち、活躍の舞台をゼネラル・エレクトリックに移し、日本GEの事業開発部長に就任。その後、いくつかの役職を経る過程においてものづくりに加えて経営の面白さと難しさを実感するなか黒田精工に取締役として招請され、未曾有の経済危機のなか2010年6月からは8代目社長として当社の舵取りを任されることとなった。黒田社長は最初の全体朝礼で「もう一回原点に立ち返ろう」と話したと言う。これまで精密で日本経済の高度化を支えてきたが、これからは世界の産業の高度化にも貢献していきたいと抱負を語る。

● 産業の発展を影で支えるクロダの技術


  当社の原点となっているもの、それは創業者である故三郎氏の遺志でもあり今日に至るまで首尾一貫して守り続けられてきた「精密」に対するこだわりである。それは当社の経営理念にもなっているP&P(PRECISION:精密化&PRODUCTIVITY:生産性の向上)として表される。精密加工と精密計測というソリューション(課題解決手段)の提供を通じて企業をサポートすることで社会に貢献する、それは「クロダの哲学であると言っても過言では無い」と黒田社長は言う。
 世の中が便利さを求めて製品の小型化・省力化が進むに従いクロダの活躍の場は広がっていく。携帯電話のカメラレンズを作るための精密金型をナノ(100万分の1o)精度で磨き上げるスーパーポリシングマシン。着信を知らせるバイブ機構に使われる小型モーター、そのコアとなる極薄の鋼板を高精度に何層にも積み重ねた直径2o程の部品を正確に作り上げるのはクロダの技術である。半導体製造装置や精密工作機械など極めて正確な加工を要する機械装置の動作コントロールには当社の主力商品であるボールねじが使用されている。

 今、黒田社長が注目している分野の一つがハイブリッド車や電気自動車用のモーターコア製造事業である。当社が製造する高性能モーターコアはホンダのHV車「インサイト」にも使われるなど、既に我々の生活を支える一部となっている。モーターコアに使用される薄板のプレス抜き作業と積層に組上げる固着作業を金型の中で同時に行うことで製造工程の大幅短縮による省エネと低コスト化に寄与する画期的な製造技術「FASTECシステム」を開発した当社の次なる課題は、モーター性能の向上に寄与する製造技術の開発であった。それまで薄板同士の固着はダボ(凹凸)カシメ方式やレーザー溶接方式が一般的であったが、モーターの性能を十分に引き出しているとは言い難かったのである。しかし“お客様のために全力を尽くす”というクロダの哲学は困難にも気後れすることなく、長年の経験と幾多の試行錯誤の上に接着剤を用いた特殊な固着技術“Glue FASTEC”を生み出し、2009年には経済産業省「ものづくり日本大賞 優秀賞」を受賞している。

● ものづくり文化を受け継ぎ、後世に伝える人材育成


  日本初のゲージ専業メーカー、日本初のツーリングメーカーなど当社を説明する語句には困らない。ナンバーワンやオンリーワンの技術も数多く持つそんな当社だからこその最重要課題が技能伝承である。クロダブランドを支えてきた卓越した技術を持つベテラン社員の定年退社が近づいていることに危機感を覚えた黒田社長は、早急に研修センターを立ち上げて技能伝承への取り組みを開始した。若手人材の育成には少なくても数年を要するが、ベテラン社員の技術消失と目まぐるしいまでの技術革新のスピードは彼らの成長をじっと待ってはくれない。

 真のものづくりとは図面と機械があれば誰でも出来るといった単純なものでは無い。ものづくりは文化であると黒田社長は語る。空調管理が十分でなかった当時、クロダの職人たちは体温上昇による金属膨張を防ぐため肉を食することすら控えたと言う。そんな職人としての覚悟や誇りを黒田社長は職人道と称する。卓越した技術習得のためには職人道を理解して受け継いでくれる若者を育てることがクロダの、そして日本のものづくりに求められているものであると黒田社長は信じている。

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