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会社名株式会社テクネ計測


露点計一筋に30年 水分管理のエキスパート



社長 永谷 寿邦  
事業内容事業内容
半導体製造装置および電子機器製品の開発、製造、販売

  • 企業名 株式会社テクネ計測
  • 創 業 1978年(昭和53年)1月
  • 所在地 〒213−0002 川崎市高津区二子6−14−10
  • 電 話  044−379−3697  
  • 代 表  永谷 寿邦氏(ナガヤ トシクニ)
  • URL   http://www.tekhne.co.jp

  露点計は、気体中の水分を結露が始まる温度により測定する湿度計である。日常生活では、あまり馴染みがないが、微量の水分を検出する必要のある各種産業などで用いられる重要なセンサである。「露点計に対する思いは深い」と語る永谷寿邦氏が2代目社長を務める(株)テクネ計測(旧社名:テクネ洋行)は、露点計一筋に30年以上の業歴を持つ。

● 売るものがなくなる状況からの転換

 
  1978年に永谷氏の父である樺津彦氏(現会長)が海外メーカー製の露点計を取り扱う輸入総代理店としてテクネ洋行を設立する。設立されたばかりのそのメーカーと二人三脚で日本市場を開拓してきた。
  一方、永谷氏は大学の工学部を卒業後、海外でビジネスすることを思い描き、大手商社に入社して石炭を取り扱う部署に配属された。その頃、石炭販売の市場が飽和することが予測されており、商社では川上や川下へのビジネス拡大を模索していた。そのため、オーストラリアの鉱山を買い上げて事業開発することになった。永谷氏は、事業開発メンバーとしてプロジェクトに関わり、念願通り1999年からはオーストラリアに派遣されて仕事をした。現地では、工学部出身の強みを活かして掘削機のセッティングなど機械関係の取扱いでは抜きんでた存在となった。商社に入って、技術の面白さを再認識した。すると不思議なもので、父親の会社の可能性が改めて良く見えてきた。また、2003年にはMBAを取得し、経営そのものにも興味が出てきていた。2004年にオーストラリアの大型案件が完了したのを期に、営業部長としてテクネ洋行に入社する。社内ルールの策定など大企業と同じレベルに引き上げるべく毎日奮闘した。
  そして同社にとって、大きな転機が訪れる。仕入先の海外メーカーの株主が変わって経営方針が変更となり、2006年以降の露点計の取扱いがなくなることとなったのだ。「来年以降は売るものがない」そんな危機感から、ある日曜日に社員全員が集まり、今後どうするかを議論した。そして決断する。代理店であったが、ずっと技術サポートに特化してきたこともあり、露点計の独自開発をすることとした。露点計は、大きくは検知部と回路の2つの要素で構成されており、回路については元々同社の協力会社で開発済みであったため、検知部の開発を自社で何とか成し遂げて、2006年の年の瀬が迫った頃、無事に新センサTK-100を上市することができた。

● 気体中の水分管理ソリューションに特化し、ラインナップ強化 


  そうしてメーカーとしての性格が強くなると、品質管理など取り組まなければならないことも増加した。そのため家族経営から事業経営へ転換していくことが必要となった。そして人材の補強を徐々に進めた。永谷氏は、「雇用は会社の責任」と強く感じており、雇用を維持できるだけの売上、利益をシビアに見極めている。そのためにも、勉強する姿勢を持つ人やアンテナが高く世の中に敏感な人を集めて、筋肉質の会社にしたいと考えている。永谷氏のアイディアで、最近の中途採用過程では、社員による予備選抜を経て採用選抜をしている。社員も同僚としてやっていけるかを真剣に考えて選抜してくれることで、まとまりある会社の風土が形成されてきた実感が永谷氏にはある。

 露点計の市場も国内外を問わず、メーカー間のパイの奪い合いが激しい。最近、競合も増えた。そこで商社時代のように、周辺市場への事業拡張を進めている。「気体中の水分管理ソリューション」に事業領域を設定し、経営資源を振り向けている。具体的には、顧客のニーズに応えられるよう水分管理関連の機器ラインナップを増やしている。2005年に酸素計の取扱いを開始した。また、顧客が自分たちで周辺部品を揃えなくても使える露点計や酸素計のユニットでの提供も進めた。このような顧客の使い勝手を考慮した“フレキシブルオーダーメイド”が理想形と考えている。測定するばかりでなく、精密加湿装置など湿度をコントロールする装置も取扱っている。2010年からはスウェーデンのE+E社の湿度計等を日本で代理販売をして、水分管理に関する計測装置のラインナップが完結した。その他にも、腐食性ガス、高純度ガスや真空・高温でも使える外国製のフィルターも扱っている。もともと良いフィルターだと知っていたが、自社の担当外のものと思っていた。しかし、水分管理という視点で見直すと、自社製品へのいろいろな関わりが見えてきた。そうして取扱ったところヒット商品となった。今後も水分管理に関わるビジネスを貫き、全く関係の無い計測器を取扱うつもりはない。

● 日本初の低露点領域における計量法校正事業者登録


  2011年の2月にテクネ計測へ社名変更した。メーカーとして相応しい社名に変え、誇れるだけの品質管理をしていきたいという決意の表れでもある。2011年の3月には、日本で初めて−10℃〜−70℃の温度標準に関して、JCSS(計量法校正事業者登録制度:計量法に基づいて経済産業大臣に代わり(独)製品評価技術基盤機構が校正機関を登録する制度)の校正事業者として登録ができた。これにより低湿度領域において国家標準へのトレーサビリティを持ち、信頼性の高い校正事業者である証明ができた。「今まで低湿度領域での露点測定は、他の測定結果との比較が難しく、露点計メーカー間の誤差が生じやすい状態でした。当社がJCSS登録事業者となったことで、お客様が同一の標準の下でデータを得られるようになったことは大きいと思います」と永谷氏は胸を張る。

 今後については、「世界最高の露点計を作ります」と永谷氏は強く言いきった。2010年には川崎市の産学共同研究開発プロジェクト補助金に採択され、「世界最高性能の静電容量式露点計の開発」の題目で研究開発を進めている。露点計の基本設計は、50年ぐらい変わっていない。半導体やガスの高純度化が進んでおり、露点計にも応答性、安定性が求められている。ブレークスルーを目指してチャレンジして新しいセンサを開発するのが、メーカーとしての責務と考えている。そして永谷氏は言う。「水分管理の需要は潜在的に大きいと思っています。まだお知らせする努力が足りなくて、お客様に伝わっていないので、今後は積極的にPRしていかなくてはならないと思っています」世界最高のセンサ開発に成功し、水分管理の新しいステージを世の中に提示することで多くの分野で役立つことを目指して、テクネ計測は今日も技術深耕していく。

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