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会社名株式会社豊受


紙技(カミワザ)で感動を生み出すエンターテイナー



会長 水越 義倫 氏 
事業内容事業内容
パッケージ等紙器を主製品とする企画・デザイン・印刷・製造

  • 企業名 株式会社 豊受(トヨウケ)
  • 創 業 1973年(昭和48年)4月
  • 所在地 〒213−0005 川崎市高津区北見方3−10−7
  • 電 話  044−844−4111 
  • 代 表  水越 義倫 氏(ミズコシ ヨシミチ)
  • URL   http://www.toyouke.co.jp

   紙はその原型が生まれてから約2000年の歴史を持ち、現在においては新聞紙や雑誌、DMやポスターなど情報の記録と伝達の媒体として重要な役割を果たしている。紙への記録手段として7世紀から8世紀にかけて木版印刷の技術が確立し、多量印刷が可能となったことで、紙の需要が促されると同時にそのことは印刷技術自身の更なる発展にも繋がっていった。
 それから1000年以上が経過した現在、株式会社 豊受(トヨウケ)は高度に発展した印刷技術と“ものづくり”の融合によって、次々と付加価値の高い紙製品を生み出している

● 印刷技術が生み出す“魅せる”という付加価値

 
  当社の歴史は水越義倫氏(現会長)の義父であり、戦前から印刷業務に携わっていた本橋延蔵氏が1973年に豊受印刷鰍設立したことに始まる。70年代初頭は雑誌の時代と言われるほどフルカラー、オールグラビアの雑誌が次々と創刊された時代である。印刷業界においてはグラビア印刷が全盛を迎えようとするなか、板紙と呼ばれる、ボール紙などの厚紙への印刷に特化しようとする同社に対して同業者からは将来を危ぶむ声が囁かれたと言う。しかし専務取締役として当社設立に携わった水越会長は「先代の英断に拠って今の我が社がある」と当時を振り返る。

  ボール紙のような非吸水性素材にはインキの浸透度(乗り)が悪いため印刷が難しい。そのためインキの溶剤や添加剤の改良と製版の改良など、納得がいくまで手探りによる試行錯誤が繰り返された。機械化が進んで華やかであったグラビア印刷と比べて、手間の多い地味な作業であったが、この時の経験の蓄積が現在の当社の高い印刷技術の礎を成していることは間違いない。また、設立から数ヵ月後に直面することになった第一次オイルショックの際には、雑誌業界を中心に深刻な紙不足と印刷不況に喘ぐことになる中で、淘汰の荒波を乗り切る差別化に繋がった。 

  水越氏が社長に就任した1983年頃から同社は一般的に“印刷会社”と呼ばれるイメージの殻を破り、徐々に“ものづくり企業”としての色合いを強めていく。刷版設備、打抜機、自動貼機などを導入して現在地に本社工場を新設、印刷という2次元中心の世界から、印刷物を組立てる(製造する)ことで生まれる3次元(立体)広告の世界に新たな可能性を見出して本格的に飛び出していったのである。印刷からものづくりの世界へ、その決意は竃L受に社名を変更した際に、敢えて“印刷”の2文字を取り去ったことに現わされている。
 我々の身の回りにはPOP(ピーオーピー、ポップ)と呼ばれる販促ツールが溢れている。芸能人やキャラクター、商品をかたどった厚紙製の立体広告、綺麗に彩られた包装容器、いわゆる化粧箱や陳列箱、DMなどもPOPの一種だ。それらは単純に商品名や金額などを記載するのでは無く、お客様を魅了することで商品の売上を大きく左右する重要なアイテムである。“商品は見た目が100%であり、5秒で勝負が決まる”というのが業界の常識であると言う。紙質、色使い、形などが織り成す無限の組み合わせを駆使することで商品イメージを彩り豊かな造形物として表現すること、僅か5秒のうちに思わず商品を手にしたくなるような魅力溢れるPOPをデザインして作り上げること、紙と印刷のポテンシャルを引き出して最高のパフォーマンスを演出する、それが豊受の仕事である。

● 印刷業界のトップランナーであり続けるために 


  当社の印刷技術はUV印刷と呼ばれる、オフセット印刷の一種である。他の印刷方法では版に凹凸を彫刻することでインキの付着部分を作るのに対して、オフセット印刷では化学的処理によってインキ(油性)が付着する親油性部分とインキを弾く親水性部分を形成したアルミ板を版として使用する。版の作成時間と費用の節約になることや、多色印刷に適している等から現在では最もポピュラーな印刷技術である。中でもUV印刷は紫外線照射により瞬間硬化・乾燥する特殊インキを使用することで、裏写りしない、印刷後すぐに加工が可能、非吸水性素材への印刷が可能、摩擦に強い等々の素晴らしい利点を持っている。有機溶剤を使用しないためインキ臭が少なく、裏写り防止用のスプレーパウダーも不要なため環境や衛生面でも優れており食品・薬品・化粧品などのパッケージ用に特に適した印刷技術である。機械とインキが高額なことが難点らしい難点であるが最高の品質を求める当社では設備投資を惜しまない。ローランド705LV(5色印刷+紫外線硬化ニスによる表面処理)をはじめとして、CCMシステムやCTPシステムの導入など設備投資額は数億円が数年に渡って続くこともある。

 そんな当社が更に最高の品質を求めて新たに導入した技術がFM(周波数変調)スクリーン印刷である。通常の印刷では色調の濃淡はインキの量ではなく、ドットと呼ばれる肉眼では確認出来ないほど小さい点の大小によって表現されている。これに対しFMスクリーン印刷ではミクロン(1000分の1_)単位の極小ドットの数と密度によって色調の濃淡を表現することで、より鮮やかな発色や色調表現を可能としている。大手広告代理店が9割超の得意先という当社だからこそ常に高い技術レベルが期待されており、お客様の要求に応えていくことによって当社も日々成長している。

● 世界で勝負するために、豊受らしさを表現できる人材の育成 


  “人は心”が水越会長の座右の銘である。一期一会、出会いや義理人情を何よりも重んじる水越会長の周りには、その生き様に魅せられたように多くの人々が集まって来る。会社を支えてくれる従業員に日々感謝し、その成長を誰よりも喜ぶ。輸入雑貨・アパレル業界から転身して2008年に新社長に就任した大輔氏も、会長であり父親でもある義倫氏のそんな姿に魅せられた一人なのかも知れない。

  どんなに機械が発達しても最終的な製品の良し悪しを決定するのは人の技術である。だからこそ新技術の開拓・製造技術の底上げ・営業の強化の3つを課題に掲げつつも、人材育成が何より大切であると水越社長は言う。そんな水越社長が目指すものは“豊受らしさ”を表現できる人材の育成である。

  日本人独自の感性である「わび・さび」を表現した印刷、製品を見ただけで「豊受の仕事」と判る作品で世界と勝負していきたいと将来の抱負を語る。そのためには研修などの座学に加えて、新しいものを取り入れつつ古いもの、スピリットやハートも大事にすることを教えていきたいと言うが、それは言葉だけで伝えられるようなものでは無い。それこそは水越社長が“会長イズム”と呼ぶ、義倫会長の生き様、その後を追う大輔社長の背中が何よりの手本、無言の説法となるのであろう。

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