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会社名株式会社 ミクロスソフトウェア


アイディアと仕組み化で先駆ける組み込みソフトのパイオニア



社長 田中 聰 氏 
事業内容事業内容
コンピュータ関連機器の受託開発、シミュレータの開発・販売

  • 企業名 株式会社 ミクロスソフトウェア
  • 創 業 1983年(昭和58年)2月
  • 所在地 〒213−0012 川崎市高津区坂戸3−2−1KSP西棟6F
  • 電 話  044−813−7211
  • 代 表  田中 聰氏(タナカ サトシ)
  • URL   http://www.micros.co.jp

 株式会社ミクロスソフトウェア(MICROS)は、マイクロコンピュータ(マイコン)のソフトを作る会社という由来で名付けられたベンチャーである。ハードウェア開発がビジネスの主戦場であったパソコンの黎明期に、組み込みソフトに着目して創業した田中社長が語った。

● 大学時代に宣言「30歳までに起業する」  

  北海道出身の田中氏は、自動車好きという理由で大学の機械工学科へ進学する。しかし、機械工学以上に授業で触れた大型計算機に強く魅かれて、秋葉原で電子部品を買って電卓などを試作していた。しばらくして「これはひょっとしてビジネスになるのではないか?」と田中氏はベンチャービジネス立上げを真剣に考えた。そして大学の終わり頃には気持ちも固まり、「30歳までに会社を立ち上げるので協力してくれ」と仲間に伝えた。大学卒業後は、社会に出て本格的にコンピュータの仕事を経験したいとの考えから、通信制御系の会社に就職しソフト開発を担当して力を蓄えていった。
そうして周到な準備をして計画通り30歳になった1983年にミクロスソフトウェアを設立する。大学卒業後に企業でハードウェア実務を経験した同級生の田邊氏(副社長)も創業メンバーとして約束通り参加してくれた。ちょうどその頃、日本語表示のソフトを作ってマイコン雑誌へ投稿して名を挙げていた田中氏は、産業向けにマイコンの組み込みソフト開発を主要事業と定めた。早速、大手メーカーに就職した同級生の紹介で、デジタルオシロスコープに搭載する組み込みOS(オペレーティングシステム)開発を受注した。当時は、渋谷のマンションの一室を借りてオフィスとしていたが、規模拡大につれて隣の部屋も借りてオフィスを継ぎ足しながら拡張していった。それも限界に近づいた頃、偶然にも取引先の隣にあったKSP(かながわサイエンスパーク)を見て、直ぐに入居を決めた。オフィスも固定し、大学の時に思い描いたベンチャーのイメージ通りにミクロスは成長した。

● 自己啓発はミクロスの文化


  IT業界の移り変わりの激しい流れに棹差すように進んできた現在では、通信ネットワークの組み込みソフトや、カーナビゲーションシステムや携帯電話のアプリケーション開発などが主要業務になっている。その他、目にするところでは、NHKのTV放送データ配信システムなどがある。TV画面にリアルタイムな為替情報や株価情報を自動配信する円株価情報システムや航空機欠航情報などをソフトメーカーとして実現させている。このように一般の人が日常で接する所にも、同社のシステムが陰の立て役者として関わっているのである。
パッケージソフト開発でも自社内で必要と感じたものをシステム構築したことが発展して事業化されたものがある。社内の業務効率化を狙って自作したシステムで、同社は3事業所にまたがる100名近い社員の管理を、経理1名、総務2名のスタッフのみで効率的にこなしている。これは業務パッケージ「iNetWorker+」として商品化されて、会社に収益をもたらした。
 現在、開発は川崎本社の他に北海道の札幌と北見の3拠点体制で進めている。出身地に貢献したいという思いから北海道支社を13年前に開設したが、当初は本社との意思疎通が課題であった。今ではインターネットTV中継を活用して、全社での経営方針発表会・中間発表会と年に2度実施し、方針共有している。一方、日常業務に関するところでは、3拠点同時の営業会議を毎週月曜に開いて情報共有を円滑にしている。また、社員のメンタルケアにまで活用範囲は及び、産業医とタイムリーに面談を実施している。このようなアイディアと仕組みが、同社の経営管理に“魂を入れる”重要な役割を果たしている。
 その中でも特に社員教育や自己啓発の機会を設けることに力を入れている。入社6年目以上を対象に「ミドルマネージャー・リーダーシップ会議」と銘打ち、外部講師による研修を1年間通じて毎月1回3時間設定している。敢えて“研修“とせず、レクチャー後の高いモチベーションを維持できるよう“刷りこみ教育”をすることにこだわっている。技術者対象には、技術論文発表会を年2回開催してきた。これまでの発表会は、24回を数える。「論文を書くことは昇格試験の条件にも入っています。それだけでなく、もし会社を離れることがあったとしても技術論文は自分のキャリアとして残ることなのです」と田中氏は語る。個々が技術者として高いモチベーションを持ち、互いに切磋琢磨するような仕組みを作って、田中氏が言うところの「自己啓発はミクロスの文化」となっている。創立以来毎月第1土曜日は、「自己啓発日」と定めて、仕事の一環として社員は自由に勉強会などを企画・実施している。
 アイディアマンの田中氏は、その他にも様々な発案をしている。数年前より、“ありがとう度”の表彰を実施している。社員をチーム分けして、お客様からお礼を言われた回数をチームで集計し、優勝チームには規定した懇親会代をご褒美として支給している。さらに今年度は、若い世代に自ら提案して実行する充実感を知ってもらいたいとの気持ちから、ベスト提案・実行力賞を実施している。レベルを問わず月に1人あたり1件の提案を課し、その中から上司が半年ごとに最も優れた提案を推薦する仕組みである。田中氏は、「どういう仕組みで社員が楽しくやれるか。その仕事もクールでありたい」そんなことを常に考えている。しかし、それを実行に移せるのも、自社に前向きな良い人材が揃っているからだと思っている。「性善説に立てるから、効率化ができているのです」との考えから、勤務表も当然自己申告である。もちろん、社員だけでなく田中氏自身も、経営方針発表会などで話したことは文書化してイントラネットに掲載し、自らに有言実行を課している。

● 形式手法(Formal Methods)を導入し、高信頼ソフトウェア構築を目指す 


 今後は、収益を得ることに焦点を当てて仕組み作りを検討している。付加価値のとれる自社の「光る技術」を各部署からピックアップし棚卸しをした。また、2010年には経済産業省の「戦略的基盤技術高度化支援事業」に採択され、「形式的仕様記述を用いた高信頼ソフトウェア開発プロセスの研究とツール開発」を3年間の研究開発事業として推進している。高信頼ソフトウェア開発技術の構築を目指し、形式手法という新技術(Bメソッドなど)を導入研究している。また、付加価値ある技術を効果的に発信し伝えるため、WEBマーケティングを実行に移している。今まで、人材採用目的で作成していたホームページを営業目線で再点検し、企画し直した。実績を残した今でも「まだ成功したと思っていない」と田中氏は語る。今後も、湧き出るアイディアとベンチャー精神で新しい市場を開拓していくことであろう。

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