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会社名グロリア・アーツ 株式会社


空間デザインと美術企画出版分野で新しい価値を創造する



社長 小ア 高義 氏
事業内容事業内容
空間デザイン企画、設計、設計監理並びに出版事業

  • 企業名 グロリア・アーツ 株式会社
  • 創 業  1967年(昭和42年)
  • 所在地 川崎市高津区宇奈根731−6
  • 電 話  044−833−8822 
  • 代 表  小ア 高義(コザキ タカヨシ)
  • URL   http://www.gloriaarts.co.jp

   多摩川の河畔にほど近い工場街の一角に、空間デザインと美術企画出版分野で事業を営むグロリア・アーツがある。美術的造形を手がける事業者が集積した川崎北部の地の利を活かして、ユニークな実績を上げている同社の取組を追う。


● 空間デザイン、サイン・デザイン分野での展開

 
  「我が社は最初は、モーション・ディスプレイ装置を扱う企業として創業しました。商業デザインの会社にいた創業者が独立して、いろいろ紆余曲折もありましたが、現在は自社では生産も開発もしない、デザインに専念した事業形態をとっています」と小ア社長は説明する。

  「我が社のサイン・デザインの特徴的なひとつに、『グロリア・クロス』という商品があります。これは、もともと川崎市内の信号器財メーカーの技術者にクリスチャンの方がいて、その人が日本中のキリスト教会に光る十字架を掲げたい、と思い立って、その頃実用化が進んでいたLED(発光ダイオード)を使った製品を開発しようとしました。でも、教会用サインというのは市場規模が小さいので、そのメーカーでは商品化を諦めました。それをやはりクリスチャンだった創業者が聞きつけて、うちなら年間十件も受注できればビジネスになると思い、手がけることになりました。」

  当時はまだ性能も安定していなかったLEDを使ったサインの設計には、様々な苦労があった。前方に直進するだけのLEDの光を、照明に適したように散乱させるミラーを工夫して、 「グロリア・クロス」の最初のモデルはできあがった。教会建築の高い位置に取り付ける十字架は、故障しても簡単に修理できないので、耐久性が高くなくてはならない。LEDだけでなく、安定器やタイマーまで、商品を構成する各要素の性能が揃って、高い品質を誇る商品となった。

  特に、国産のLEDを使用することにこだわったという。「発売後何年か経って、外国産の安いLEDを使った競合商品が出てきて、一時はお客さんがそちらに流れました。でもその安いLEDを使った商品は、5、6年経つと壊れてしまったので、改めて我が社の商品の品質が評価されています。」

  開発当初から高品質な国産LEDにこだわってサインを開発した経験は、他の商品を開発するときにも大いに役立っているという。東日本大震災で被災した福島の教会の再建には、採算度外視で協力してこの十字架が掲げられることになった。


● 星野富弘さんの作品との出会い 


  「我が社も一時は事業運営が苦しい時期がありましたが、先代の創業者がなんとか毎月少しでも債務を返済しようと奮闘していたら、それを見ていた取引先のアクリルメーカーが見込んでくれて、借金を一本化できて窮地を脱したことがありました。そんなときに創業者がラジオで耳にして感動したのが、星野富弘さんの詩でした。」

  詩人・画家、星野富弘氏の作品は1980年代から発表され、詩集も出版されていた。創業者はその作品に惚れ込み、家族ぐるみで3年も星野氏のもとに通い詰め、カレンダー出版に慎重だった星野氏を説得することができた。美術企画出版事業部を立ち上げて、カレンダーを出版すると、初年度から大ヒットとなったという。 「それ以来、星野さんのカレンダーは我が社の事業の柱のひとつになりました。詩画展などイベントも手がけるようになり、いろんな分野の方々との交流のきっかけにもなっています。例えば空間創造事業部の仕事で教育機関を訪れて、星野さんのカレンダーを手がけている会社というと、はなしが通りやすくなります。去年の震災でも、あちこちの学校の避難所に、星野さんのカレンダーを届けたら、子供たちからたくさんのお礼の手紙をもらいました。正直、費用的には苦しかったのですが、仕事の励みになりましたね」。


● 各種施設の縁の下の力持ちとして 


 小ア社長はもともと、富山県出身でテレビの舞台装置の仕事をしていたが、空間デザイン事業に転じて、グロリア・アーツ社に身を置くようになった。先代創業者から後継社長への就任を打診されたときに、悩んだ末に引き受けたという。

  「初めは経営なんてやりたくないと思っていましたが、先代を人として大好きだったんですね。それで、信頼している仲間が支えてくれるなら、と社長を引き受けました。この仕事は、施工のときはずいぶんきつい作業もするのですが、そうやってともに苦しんだだけ、完成したときの喜びは大きい。若い人たちには、それを感じて欲しいですね。

  私が最初に働きに出るとき、お金を稼ぐってどういうことだろう、社会に出るってどういうことだろう、一人前になるってどういうことだろう、まだ若かったから、不安感で一杯でした。そのとき、故郷の祖母が言ってくれました。『人に喜ばれる仕事をしなさい、それが仕事っていうものだよ』と。 我が社の仕事は、建物の表に社名が出るわけではない、いわば縁の下の力持ちです。それでも、誰が見ていなくても、一生懸命に仕事をする。ある仕事の現場に行ったときに、取引先に呼び止められて、最初はしまった、クレームかなと思ったんですが、『お宅の若い人が本当によくやってくれています』と言われたのは、うれしかったですね」。


● サインデザイン分野で受賞も多数 


 グロリア・アーツ社の仕事は、サイン・デザインの業界でも高く評価されている。近年は、横浜市旭区の「旭はるかぜ保育園」での空間設計プロジェクトが、社団法人日本サインデザイン協会のSDA賞など、二つの賞を受賞した。注目されたのは園児たちの目線に合わせ、床に置いて部屋の位置を知らせる標識である。ゴム製の円筒の表面に、果物のイラストが描かれている。「こういう材質の表面にきれいにプリントをするのは難しいですが、川崎のこのあたりには、ディズニーランドや円谷プロなどの仕事を手がけるような高度な技術を持った職人的企業さんがたくさん立地していて、難しい仕事もなんとかやってくれるんですね」。 グロリア・アーツ社の強みは、川崎市北部の工業力の厚みに支えられている。


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