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元気な起業家紹介
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会社名ヘラクレスピクチャーズ 株式会社


精緻なコンピュータグラフィックスで驚きと感動を呼び起こす



社長 冨坂 仁 氏
事業内容事業内容
CGデザイン制作、GUIデザイン制作、マテリアルDB開発販売

  • 企業名 ヘラクレスピクチャーズ 株式会社
  • 創 業 2010年(平成22年)1月
  • 所在地 川崎市高津区坂戸3−2−1 KSP西棟7F
  • 電 話  044−299−9157
  • 代 表  冨坂 仁 (トミサカ ヒトシ)
  • URL   http://www.hp-inc.jp

  ヘラクレスピクチャーズという会社名の由来を尋ねると「僕が昆虫好きなので、ヘラクレスオオカブトからとりました」と代表の冨坂氏は爽やかに笑って答えた。しかし、ヘラクレスに込めているのは、その意味だけではない。ギリシャ神話のヘラクレスに象徴される強さを持って、CG(コンピュータグラフィックス)の業界で突き抜けようとする勢いを表現している。

● 通信の技術営業から、CGに魅せられて起業した  

 

冨坂氏は、もともと外資系大手の電子・通信機器メーカーで通信インフラの技術営業をしていた。そこから、大手音響・映像機器メーカーに転じた。転職先では前職の経験を買われて、通信インフラと画像や映像のアーカイブ(保管)システムを連携させるプロジェクトチームのメンバーとなった。そのプロジェクトでは、高度医療を司るセンターなどで経験豊富な医師が遠隔地で撮像した医療画像などを通信により診療できるような仕組み作りを推し進めることとなった。当時の冨坂氏の心境としては、「当時は、システムの話はできても、映像に関する知識が全くありませんでした。どんな映像を載せたらいいか検討するような状態から進めていたプロジェクトだったので、『僕には荷が重いです』と、上司に愚痴っぽく伝えたこともありました。しかし、『もうちょっとやってみたら』と上司からは翻意を促され、それが3年、5年と続きました。我慢してやっていると社外にもネットワークができ相乗効果も上がり、勉強の成果は知識として語れるレベルにまでなった」。そして2000年頃に、プロジェクトでの一番衝撃的な出会いが、CGであった。ヒトの身体を輪切りにした断層画像などから、立体的に絵を描き、様々な角度から観察することができるようになっていた。「『わぁー!』というような感動と言いますか。照明の方向が任意に設定できたり、いろんなことができるのを肌で感じたので、CGの世界に入ってからは、どんどんのめり込んでいきました」と冨坂氏の興味はCGに移っていく。 会社では、デザイン本部に籍を移し、カーナビゲーションの企画から、マーケティング、デザイン、宣伝材料制作などを横断的に進めるデザイン統一プロジェクトに入った。CGの実行部隊として冨坂氏は、複数の製品に携わっていくにつれCGでできることを増やしていった。

今まで試作していたものをCGでレビューをしたり、それを新製品発表会の資料に使用したりと、やればやるほど良いスパイラルになっていき、CGの可能性は広がっていった。場所や日時を指定すると、その太陽光の加減を反映した環境を作ることもできるようになり、CGで制作すれば環境に左右される撮影が不要となることにも気づいた。ビジネスチャンスは無限に広がっているように感じた。 そんな中、2009年に会社の方針で事業の整理が行われたことをきっかけに、冨坂氏は、起業することを考えた。「勢いだけの起業」と自己を戒めながらも、CGを続けたいという一念であった。そして大手メーカーを退社後、高津区のKSP(かながわサイエンスパーク)で創業準備をしてから、2010年1月にヘラクレスピクチャーズを設立した。

● 素材感を表現するためのデータベースを作り、精緻なCGを制作する


  同社は、デザインのビジュアライゼーション(可視化)を提供することを事業方針としている。メーカーで必要とされる要件を押さえたCG制作に特化している。同社の主たる事業は、CG制作事業とアプリケーション開発事業の2つである。 制作事業は、CGソフトを使用して高品質な製品イメージビジュアルを制作することにある。自動車、電子機器、インテリアなどの製品について、試作をする前にCGを利用して製品イメージを制作することで試作回数が低減でき、製品開発プロセスの加速化を進めることができる。また、テレビやインターネットのCMにおけるロケーション撮影もCGによればベストな環境で実現できる。自動車メーカーのCM制作では、CAD(コンピュータによる設計図面)図からCGを作り、スタイルよく見せるアングルやライティングの写り込みを調節して仕立て上げた。

常に技術を高め、実写に相当するCG画を表現することを目指している。プロダクトデザイナーと連携とカメラマン的撮影のアングルやライティング、描画の精度など勉強の日々が続いている。プロダクトデザイナーのこだわりを観察して、ディテール表現にこだわっている。例えば、素材の色番号や金属種類、ダイヤカットやヘアラインなどの加工の種類などを反映させてデータベースを作成し、質感を再現している。メーカーでモノづくりのプロセスの近くにいたことが、素材の表現に精細さを与えるのに役立っている。 アプリケーション開発事業では、2010年8月に『3Dぬりえ昆虫図鑑』をリリースした。これは、3DCGで描かれた昆虫を24色のパレットから自由に選んでぬりえが楽しめる子供向けのiPad / Androidアプリケーションである。「昆虫の動きとか形とかがとにかく面白かったという小さい頃の記憶が残っています。世界にひとつの昆虫図鑑を作って、コレクションにしてほしい」という冨坂氏の思いが形となっている。 経営者として、デザインビジュアライゼーション×アプリ開発というさらなる強みを生み出そうと夢実現のため、諸先輩方のアドバイスを聞いてバランスをとっています。

● ソーシャルゲームも意識したアプリケーション開発を進めていく 


  今後もメーカー向けのビジュアライゼーションに軸足を置くが、アプリ開発事業にも注力していく。クラウドコンピューティングやSNS(ソーシャルネットワーキングシステム)の世界がもっと身近なものになり、そういった環境での展開ができないと存在価値がなくなってしまうかもしれないと考えているからである。

そのために、アプリケーションの受託開発はしない。あくまで自社オリジナルにこだわっている。iPhone向けやAndroid向けでは、自社のアプリにより、今まで届かなかった世界中の一般ユーザーとの接点ができることが魅力である。そうして『3Dぬりえ昆虫図鑑』は、日本語だけでなく英語や韓国語への対応もしている。

SNS上で提供されるソーシャルゲームなど
との連携も視野に入れている。それがCGの臨場感ある表現を活かせる環境だと思っている。ソーシャルゲームのように急拡大している業界と協業を進めていると、判断や実行のスピードの速さの必要性を痛感する。刺激を受けながら何とか商品化を間に合わせることに努めている。

自宅で時間があれば、PixarやDreamWorksなどのハリウッドのアニメ映画を観ているという冨坂氏。「何度観ても飽きませんね。僕も同じように心とか物質的なものが豊かになることを目指していきたい」と少年のように目を輝かせながら、CGで感動を生み出し続けていくことであろう。


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