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会社名株式会社 阿部機械製作所


少量・多品種・難削材の精密切削加工を最新の加工機械とベテランの職人技で実現



社長 阿部 義和 氏
事業内容事業内容
半導体検査装置、医療機器(レーザーメス、超音波治療器、超音波骨メス)、工業用レーザー、超音波装置、光関連精密機械、シールド・ケース等の部品の精密切削加工

  • 企業名 株式会社 阿部機械製作所
  • 創 業 1978年(昭和53年)11月
  • 所在地 川崎市宮前区土橋5−4−1
  • 電 話  044‐977−3637 
  • 代 表  阿部 義和 氏(アベ ヨシカズ)
  • URL   http://www1.ocn.ne.jp/~abekikai/index.html
 
 「機械金属部品の切削加工企業における精度は一般的に100分の2ミリ程度ですが、当社は1000分の5ミリの精度まで対応できます。5軸加工機など最新の工作機械、3次元測定機など高度な測定機器、そして、ベテラン職人による汎用加工機や手仕上げの組み合わせにより、お客様からの厳しい精度と品質の要求に応えています」と当社の強みを阿部社長は語る。
 当社は、医療機器、光関連精密装置、電子顕微鏡、プラントなどの部品、電磁波などシールド部品の精密切削加工を得意とする企業だ。ステンレスやアルミニウムなど通常の金属、そしてプラスチックなど樹脂に加えて、チタンやパーマロイなどの難削材の少量多品種の精密切削加工ではお客様からの評価が高い。

● 切削加工では精度1000分の5ミリまでお客様の厳しい要求に対応する  


 「モノづくりに特化しているので、お客様からいただいた図面の部品をきちんと作ることに専念し、組立はやらない方針です。他社が真似できない超音波レーザーメスなど医療機器向けの精度の高い複雑形状の部品、電子ビームが通る電子顕微鏡部品などを加工しています。最新設備を導入していますが、汎用加工機や手仕上げなど職人技との組み合わせで精度に対応します。手仕上げではヤスリで削って要求通りの品質にします。また、メッキ、アルマイト処理、バフ等の研磨、梨地加工、ワイヤーカット加工などは協力会社に依頼しますが、当社が責任を持って納品します」と阿部社長は力強く語る。
 当社の工場には、5軸加工機3台、マシニングセンタ3台、NC旋盤4台等の最新の工作機械に加え、汎用旋盤5台、フライス盤やボール盤等の汎用加工機、そして、高精度3Dプリンター、CNC3次元測定機、工具顕微鏡等の精密測定機器が設置されている。
 「自分は2代目で、創業者で父親の会長がお客様からの信頼を得るために品質の良い部品を作ってきたので、今の会社の基礎を築くことができました。会長の時代は汎用加工機しかなかったので、職人技に依存していました。現在は、職人技を最新の工作機械に置き換え、置き換えが困難な加工は汎用加工機で対応しています。主要なお客様は会長の時代から変わりませんが、絶えず新規開拓に取り組んでいますので、お客様は増えています。平成23年9月にISO9001を認証取得した結果、受注が増大しました」と阿部社長は語る。
 当社は、秋田県から上京して親戚の切削加工企業で働いていた阿部博二会長が設立した。取引先の製罐企業が川崎市宮内にあり、その工場の一角を間借りして、その企業向けの金属部品を切削加工していた。その後、新規の取引先が増えると場所が手狭になり、昭和45年に野川に、昭和61年に現在地に移転した。
 「父の背中を見て育ったので、モノづくりは大好きで、大学は機械科を卒業して自動車部品メーカーに就職しました。両親から会社を継げとは一度も言われませんでしたが、サラリーマンとして、技術サービス8年、開発2年を経験して、仕事が理解できるようになった時点で、両親の経営する会社を自分が継がないといずれ廃業になると考えて決意しました。両親にお願いした際には、会長から“大変だよ”と言われました」と阿部社長は当時を振り返る。
     

● 機械加工の経験者ではない全くの素人をあえて採用する 


 
部品加工は、同じ図面であっても段取りを工夫することで精度が良くなる。お客様が部品を使うことを想定して大事な部分がどこかを見極める。先代から引き継いだこのノウハウこそ、お客様から信頼を得る秘訣だ。また、従業員が30〜40代と若く、経験者ではなくあえて機械加工の全くの素人を採用することで当社独自のやり方を理解してもらい、現場でモノづくりの基本を教え込む。採用の基準は、モノづくりに興味があって、少量多品種でも対応できる人だ。大量生産品の機械加工しか経験していない人に当社は向かない。その理由は、1個1個全く異なるモノを作らなければならないからだ。
 「当社では、平成21年度ものづくり中小企業製品開発等支援補助金に取り組んだのをきっかけに、様々なイベントに挑戦しています。イベントとは、5軸加工機やマシニングセンタなど最新の工作機械の3度にわたる導入、2度のものづくり補助金への挑戦、ISO9001認証取得など通常の仕事以外のイベントをチャンスと捉えて突っ走ってきました。社内では“やるべきではない”という反対意見も多いなか、レベルの高い従業員がいたからこそ、これらのイベントを乗り切ることができました」と阿部社長は目を細める。
 各イベントは阿部社長が仕切るのではなく、従業員に任せることで従業員が生き生きと仕事に取り組むようになり、モチベーションも高まった。部品加工の仕事も同じで基本的には従業員に任せるが、2つの大切なルールを守ることを徹底している。1つ目は、仕事が少なくなっても今まで10分でできた仕事を20分で行うなど故意に効率を落とさないこと。これは先代から続く当社の伝統ルールだ。2つ目は、仕事上で不安が生じたらいつでもその場でワイワイガヤガヤと皆で話し合って決める“ワイガヤ”を実践すること。これは阿部社長が提唱した新たなルールだ。
 新旧のルールが機能して、バランスの良い経営を実践している。
   

● 医療機部品など付加価値の高い機械加工部品をお客様に提供する


 当社では一度失注した仕事が戻ってくることも多い。具体的には、チタンやパーマロイなどの難削材では他社が加工できなくて当社に依頼が来る。原子力部品など一体加工のお客様からの要求に対しては、CADCAMと言われるコンピュータ設計製造システムと5軸加工機を駆使して3次元加工を実現する。
 「将来的には、付加価値の高い機械加工部品をお客様に提供する高収益体質の企業を目指しています。超音波レーザーメス等の医療機器部品は高純度チタンのような特殊材料を使用するにもかかわらず、お客様からは高精度かつ見た目の綺麗さなど高い付加価値を求められるので、今後は医療機器部品の売上を高めることが目標です」と阿部社長は語る。
 従来は、工作機械の導入は周囲の会社の状況を見てから判断していたが、5軸加工機など最新の工作機械の導入では、実際に機械を見た瞬間に必要性を感じて購入した。最近流行の3Dプリンターは当社の既存事業とは直接関係がないと阿部社長は思っていたが、従業員と話し合ううちに必要性を感じて導入した。
 「最新の工作機械を導入することは資金的には大変ですが、お客様が会社に見学に来るなど販売促進にもなります」と語る阿部社長は、今後の取り組みとして、手仕上げの技術など職人技の技能承継やそれを担う従業員の採用など新たなイベントに果敢に挑戦する計画だ。

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