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会社名株式会社 カワイ


創意工夫で鈑金を自在に精密加工!試作の短納期対応に自信あり



社長 河井 淳一 氏
事業内容事業内容
試作小物鈑金、精密鈑金、仮金型による短納期製品加工、
     その他絞り等による短納期製品加工

  • 企業名 株式会社 カワイ
  • 創 業 1972年(昭和47年)5月
  • 所在地 川崎市高津区宇奈根784
  • 電 話  044‐833−1140 
  • 代 表  河井 淳一氏(カワイ ジュンイチ)
  • URL  http://www.business1.jp/kawai_c/pc/index.html
 
 カワイは家電、音響、光学機器、医療機器等の新製品開発の現場を縁の下で支えている。鉄やステンレスといった鈑金を精密かつ自在に加工する独自の技術力により、例えばカーオーディオの外装などの試作部品を製作している。得意先の難しい要求や短納期の要望に、高度な技術を持つ職人集団の創意工夫で応えていく元気企業を紹介しよう。

● 弱電メーカーの製品開発時の鈑金試作のニーズに応えて成長!  


 いまから40年以上前、高度経済成長に日本中が沸く中、河井淳一氏の父親はカワイを創業した。メーカーが新製品を開発する際に欠かせない鈑金試作の仕事の将来性に着目し、5名の社員でスタートを切った。大手メーカーが製造する音響設備向けに、鈑金を加工して試作品を作って納めるのが、創業時の主な仕事であった。その後、メーカーの製品開発現場のニーズにきめ細かく応えることで得意先を増やし、業容を拡大させていく。例えば、車のダッシュボードに装着されるCDやMDプレーヤーの外装の精密鈑金試作などを短納期で対応していった。
 1階が工場、2階が住まいという環境で育った河井氏は、幼い頃からモノづくりの現場を見て育ち、工場ではいつも皆が忙しく働いていたという記憶が強く残っているという。河井氏は母親の料理上手の影響を受け、調理師の専門学校を卒業し、プロの料理人として数年間を過ごしたが、1993年に当社へ入社。製造、設計、営業など、会社の仕事を一通り経験した。「社内の仕事の流れが分かってくると、業務効率を上げるためのポイントが見えてきます。お客様とのデータのやり取りの電子化、設計のCAD化、工程管理の仕組みなどを検討し、昔のやり方と新しいやり方を上手にミックスさせながら、業務改善に取り組みました」と河井氏は当時を振り返る。営業兼務で副社長を4年間務めた後、2005年に社長に就任した。
 『お客様の難しい要求にも創意工夫で応える、約束した納期は必ず守る』という当社の姿勢は、得意先から高い信頼を得ており、カーオーディオやカーナビゲーションをはじめ、様々な弱電分野の新製品開発を支えている。
     

● 長年にわたるノウハウの蓄積に裏打ちされた『手造り精密鈑金』の技術力 


 家電製品などの新製品開発は、マスター(元になるもの)の試作から始まる。マスターとなる鈑金部品の注文は多くて100個程度、1個だけの注文も多い。たとえ1個の注文であっても、得意先の図面をもとに、1週間以内という短期間に製作して納品できるところが、カワイの強みだ。
 量産では金型を使って複雑な鈑金加工を実現するが、当社は高価な金型を作らなくても職人の技と最新の設備を用い、複雑な形状の試作品を手造り感覚で仕上げていく。鉄やステンレス等の鈑金を、切断、切欠き、絞り、曲げ、穴あけ、バーリングなど、0.05mmの精度で自在に加工できるのが当社の持ち味。長年にわたるノウハウの蓄積、高度な技術を持つ職人集団、ムダのないモノづくりの追求などに裏打ちされた技術力により、得意先の要求に的確に応えていく。
 例えば、鈑金にあらかじめケガキ線を入れ、それを目印にベンダーで曲げることで試し打ちを不要にしたり、短いストロークで絞れるように特注のプレス機を導入したりすることで、短納期かつ低コストを実現している。レーザー加工についても、当社の使用条件に合わせた特注の加工機を導入している。また、絞り加工では、鈑金を積層して簡易金型を自在に製作することで、様々な形状や寸法の絞りを実現しており、職人の知恵と技が活かされている。
 「私たちが製作した試作品は、お客様のところで開発品に組み込まれ、他の部品との勘合などが確認されます。そして、強度や耐久性等の試験が行われ、その結果が私たちのところにフィードバックされます。製品開発に当たっては、何回も試作品を作るのが普通であり、試行錯誤を重ねることで、マスターが完成していきます」と河井社長は解説する。「また、お客様に対しては、試作の経験を踏まえ、量産用の図面や金型について、作り易さやコストダウンの観点からアドバイスを行っています。カワイはお客様と一緒に新製品を開発している、という感覚を大切にしています。試作品の検討から量産への移行をスムーズに行っていただき、設計部門の負担を少しでも軽くすることに貢献できればいいなぁ、と考えています」と笑顔をみせる。
 一方、当社は『手造り精密鈑金』の技術力を磨き上げることに加え、短納期対応の実現にも注力してきた。得意先のCADデータの活用、鈑金の展開形状の迅速なプログラミング、レーザー加工機の夜間自動運転、多種多様な加工形状・寸法に対応するための工具や治具の豊富な品揃え、工程別の進捗管理と工程間の緊密な連携など、得意先の短納期ニーズに対応するための仕組みづくりを行っている。これにより、月曜日に図面をもらえば、金曜日には納品できるというスピード対応を実現している。もし製作が宅急便の夜の集荷に間に合わなければ、翌朝、営業マンが得意先へ持参してでも納期は必ず守る、という徹底ぶりだ。
   

● 社員のモチベーションを高め、新しい分野の開拓にチャレンジ! 


 時代とともにマーケットから求められる製品は変化していくという認識のもと、カワイは新しい分野の開拓にチャレンジしている。最近、当社は医療分野の仕事も受注するようになった。医療分野では、この施設の、この部屋の、このスペースに収まる医療機器に使用する部品を製作して欲しい、というような注文を受けることが多いため、これまで以上に1個単位での対応が増える。また、求められる部品の仕様も多様なものになる。このようなニーズに対応するため、従来の鈑金加工の技術に加え、新しい製造技術の導入を進めていく計画だ。例えば、金属や樹脂等のかたまりをマシニングセンタで削ったり、溶接後の歪みが少ないYAGレーザーを導入したりすることを検討中である。
 当社の仕事は得意先の難しい注文に迅速に対応する必要があるため、社員には常に創意工夫やスピードが求められる。そこで重要になるのが、社員のモチベーションを高めて維持すること。これに一役買っているのが、当社の伝統でもある社内行事やレクリエーションだ。食事会、忘年会、ボーリング大会などを定期的に実施している。また、仕事が一段落する時期を狙って、毎年、泊まりがけで社員旅行に出かけている。さらに、元料理人の河井社長自らが社員食堂の厨房に立ち、カレーや豚汁を作って社員にふるまうこともあるという。家族的な経営をベースに、カワイの『手造り精密鈑金』への挑戦は続く。

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