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会社名高橋建設 株式会社


響きのマジックで快適な環境をつくり出す防音設計・施工のプロフェッショナル



(左)会長        (右)社長
橋 光男       依田 昭生
事業内容事業内容
音響防音・映像スタジオ工事、各種音楽教室、個人向け音楽練習用防音室、大学・企業研究室・医療関係向け防音室、設計・施工・管理

  • 企業名 高橋建設 株式会社
  • 創 業 1976年(昭和51年)6月
  • 所在地 川崎市宮前区神木1-7-8
  • 電 話  044‐853‐0547 
  • 代 表 会長 橋 光男 (タカハシ ミツオ) 社長 依田 昭生 (ヨダ アキオ)
  • URL http://www.takahashi-kensetsu.co.jp/
 
 高橋建設株式会社の防音のデモンストレーション用の机上には、小さなオルゴールが防振ゴムマットの上に置かれ、軽快な音色を響かせている。そして、そのオルゴールを摘み上げゴムマットをありふれた小片に取り換えると、まるで手品のように今まで響いていた音が小さくなった。「特別なことはしていませんが、これがわが社の防音ノウハウの一端です。ちょっとしたことで音を弱める効果は大きく変わります」という防音のプロフェッシヨナル集団が高橋建設である。

● アイディアマンの創業者が、高度経済成長期の家庭への防音工事に進出  


 1940年生まれの橋光男氏が「モノを形づくる仕事がしたい」と新卒でゼネコンに入社したのは、東京オリンピックを迎えようとしている高度成長期で、土木工事の監督として忙しい日々を過ごすこととなった。もともとアイディアマンであった同氏は、「どうやって作業を効率化できるか?」と常に考えて、人員配置など日々改善に努めていた。また、この時期に考案した重機の交換作業を大幅に短縮するアタッチメントは、画期的なもので現在でも使われているほどである。そして、30歳の時に独立して、個人事業としてゼネコンの下請け仕事を始めた。「とにかく生きるために働いていた」という橋氏は、内装工事や商業店舗の建築など仕事を選ばず夜遅くまで働いた。そうして数年が経った頃、地元の知人から「ロックバンド用のスタジオを造れないか?」という相談を受けた。音響設計などの経験はなかったが、音楽が好きだったこともあり、「できないことはない」と思い、何とか形にしていった。そのスタジオの仕事を通じて、ちょっとした材料の違いや配置などで響き方が変わる防音工事の難しさと面白さを知ることとなった。
 当時は、所得増加に伴いエレクトーンなどの楽器が普及していたが、それに連れて騒音トラブルも新聞を賑わすようになっていた。そんなこともあり橋氏は、防音工事の市場の必要性と広がりを確信し、本格的に事業展開するため1978年に高橋建設を法人化した。ちょうど差し掛かったオイルショック期で「ゼネコンの下請け仕事はなくなり、必死だった」と振り返るように、川崎市の自宅の居間を事務所に、車庫を作業場にして、仕事漬けの生活を続けた。
 音響業界へ入り込んだ最初のうちは、経験も少なく失敗もあった。しかし、責任施工を貫き、確実に修正をしていくことで、独自の防音ノウハウを積み重ねてきた。間違いのない仕事を積み重ねていくことで、多くのコンサートホールを手掛けた著名な音響建築設計事務所などとの関係もでき、業界でも名を知られるようになった。

     

● 会長のアイディアを社長が実現して、主力製品のユニット式防音室ができた 


 
そんな高橋建設に1982年からアルバイトとして入っていたのが、当時機械工学を専攻していた大学生であった依田氏である。「父がレコーディングエンジニアであったので、あえて家では音楽の話をしないようにしていた」という同氏は、友人の誘いにより軽い気持ちで入ったが、「新しいものを作ることにチャレンジでき、形にする喜びを感じられた」ことで、大学卒業後に正社員第一号として入社する。
 橋氏が構想し、依田氏が形にしていったものが、現在の高橋建設を支えるユニット式防音室『ミュージックキャビン』である。従来は、現場施工により部屋そのものを防音しており、防音性能は高く採れるものの、工期が1か月程度必要であった。ミュージックキャビンは、標準のユニットを組み合わせることで、各家庭の柱や梁の形、扉や窓の位置に対応しながらも、高い防音性能を実現できるセミオーダーシステムである。
ちょっとした隙間でも音は漏れてしまうためユニット化することは簡単ではなく、自然素材である木材の選定や、切断精度や遮音性能について試行錯誤を繰り返し、依田氏は形にした。
こうしうして開発されたミュージックキャビンは、何よりも施工が簡単で3〜4日で終わるため、現場施工費も大幅に削減できるメリットがある。そして、ある程度形の決まっているマンションなどの集合住宅にまさにうってつけの商品であった。少しずつ団地等での注文が出だすと、橋氏のアイディアで、自社の作業車や営業車のルーフに自社の広告や電話番号をペイントした。この車が団地内を動き回ると、集合住宅の上階のベランダから見えるようになった広告効果は絶大で、更に注文が来るようになった。
 ミュージックキャビンは売りっぱなしの製品ではなく、短縮化したとはいえ、施工は軽視できない。同社の社員は、顧客の要望を受ける打合せから施工・引き渡しまで全てを一気通貫に担当する。そのため、顧客の要望に応える姿勢は徹底している。そこで創業以来、作業として重視しているのが、掃除と養生である。施工時には顧客の周囲の家にも、作業者の出入り、端材などのゴミ、作業音など迷惑がかかることもある。そのため、「作業前には完璧な養生を、作業後には周囲まで掃き掃除をして、作業前よりキレイな現場にしています」と、役員が現場を抜き打ちでチェックし、施工品質を維持している。
 そうして間違いのない仕事をした実績が、多くのプロのピアニスト、バイオリニストなど音楽家から支持されてきた。そして、高い音声品質が求められる音声や通信等の研究開発現場である公的研究機関にも採用されている。そういった違いのわかる顧客から口コミで新たな顧客へも広がっていった。同社は代理店に販売を委ねていない。手数料を価格に転嫁したくないこともあるが、最大限に顧客要望を反映したいと考え、顧客との接点を大事にしているからである。「良い製品でお客様にご満足いただけるのは大変ありがたいことですが、製品が壊れないので商売的には儲かりません」と橋氏は笑う。
 2013年に依田氏へ社長交代した。就任後は、更に社員が率直に言い合い、聞き合えるような会社にするよう環境作りを進めてきた。そういった雰囲気を象徴するように、「笑いが絶えない会社になってきた」と手ごたえを感じている。

   

● 多様化する防音のニーズに対応した様々な商品群を創出

 近年の技術革新で、レコーディングスタジオの小型化やサイレントピアノも出て、事業環境への脅威となってきている。一方で、プライバシー重視の動向も強まっており、個人情報保護に関わる業種向けのユニット式防音室『カウンセリングキャビン』を開発した。現場の声を受けて、話が漏れないだけでなく、外の物音が伝わってこないことでカウンセリングに向き合いやすい環境を作ることに心がけた。その他、科学実験用のサイエンスキューブ、小規模の放送局向けのアナウンスブースなどもラインナップしている。
 また、会長のご子息も専務となり、強力な体制が築かれてきた。
 会長の金言に「考えることは無限大」という言葉がある。今後は、より広範囲の環境快適性にこだわった空間の開発も計画している。顧客の声を聴き、社員が語り合って、大きく膨らんだ考えから生み出される高橋建設の技術が、これからも快適性の高い環境の実現に貢献するだろう。

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