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会社名株式会社 ミヤタサイクル


1890年に日本で初めて安全型自転車を作ったメーカー・スポーツバイク1年待ち



代表取締役社長
高谷 信一郎
事業内容事業内容
自転車製造販売事業

  • 企業名   株式会社 ミヤタサイクル
  • 創 業   2010年(平成22年)6月
  • 所在地   本社:川崎市川崎区東田町11−27 住友生命川崎ビル8F
  •        工場:茅ケ崎市下町屋1−1−1
  • 電 話    044‐221-0250
  • 代 表   高谷 信一郎(タカヤ シンイチロウ)
  • URL    http://www.miyatabike.com

 「自社ブランドのミヤタ自転車の中でも高級スポーツバイクは国内の茅ケ崎工場で熟練の職人が1台ずつ製作しています。職人たちはこだわって作っており、納得いくまで作り直しています。スポーツバイクは通常期は34ヶ月待ちですが、現在は1年待ちの状態です」と高谷社長は胸を張る。
 プロ用レースバイクの血統を受け継ぐ「ミヤタスポーツ」シリーズ、スポーツ性能に積載性や快適性を備えた「アーバンバイク」シリーズ、毎日の通学・通勤や買い物に最適な「タウン」シリーズ、子供の安全を第一に考えて作った「キッズ」シリーズを製造販売している。
 また、台湾自転車メーカー「メリダ」のスポーツバイクの輸入代理店も務めている。

 輸入代理店を務めているメリダのスポーツバイクが好調に推移


 「輸入代理店を務めているメリダのスポーツバイクが好調に推移しています。メリダは台湾のメーカーで、開発拠点をドイツのシュトゥットガルトに持っています。メリダはランプレ・メリダというイタリアのロードバイクのプロチームのスポンサーです。ランプル・メリダは世界最高峰のワールドツアーで昨年通算26勝でトップチームになりました。バイクの製作過程においてプロチームの意見を聞きながら開発していることが強みです」と高谷社長は語る。
 メリダは、日本のバイク作りの技術を導入して生産力を蓄積し、現在は世界第2位の生産量を誇る。大量生産を追求すると同時に、品質も維持しながらコストパフォーマンスの良いバイクを提供している。また、メリダは欧米のメーカーにOEM(相手先ブランド名による生産)供給も行っている。
 当社は、メリダに対して溶接技術を提供するなど歴史的に技術支援してきた会社だ。メリダは日本で販売を始めて約27年の歴史があるが、数年前に当社が輸入代理店になってからは売上も急速に伸びており、当社の売上に占める割合も大きくなってきた。
 一方で、自社ブランドのミヤタ自転車については、高級なスポーツバイクだけは国内の茅ケ崎工場において熟練の職人が1台ずつ製作している。その他の生産は台湾と中国だ。国内工場の職人は5名体制で、 フレーム、塗装、組立の熟練職人3人に対して若手の弟子2人という体制を組んでいる。

● 今後注力したい分野はスポーツバイクとアーバンバイク


 「一昨年の消費税の増税と為替の円安の影響で安価な軽快車の価格が上昇したことから量産品の販売量が減少したので苦労しました。一方で、自転車競技を題材にした本格的な少年スポーツ漫画“弱虫ペダル”が追い風となり、スポーツバイクへの関心度が高まった結果、販売量が大幅に増えました」と高谷社長は語る。
 今後注力する分野は、スポーツバイクとアーバンバイクだ。一般的に、自転車は長距離を走るロードバイク、山の中を走るマウンテンバイク、その中間的な位置づけのクロスバイクの3つに分類される。最近はクロスバイクを趣味や通勤で利用する人が増えており、趣味で購入する人は価格の影響を受けにくい。重要なのはブランド力だ。
 当社は、1881年に鉄砲鍛冶からスタートし、日露戦争が終わって平和産業に移行した1890年に、両輪が同じサイズの安全型自転車を国内で初めて生産した。自転車のフレーム菅を作るというコア技術を生かして1952年に消火器メーカーになった。その消火器事業が大きく伸びて東証二部上場を果たし、松下電器産業梶i現・パナソニック梶jが大株主となった。2008年に消防車メーカーで消火器のOEMも実施していた潟c潟^ホールディングスが当社の前身である宮田工業鰍ノ対するTOB(株式公開買付)により株式の70%を取得して翌年完全子会社化した。その際、自転車事業を建て直すには宮田工業鰍フ一事業部ではなく、「会社として経営戦略を策定すべき」との経営判断から会社分割により2010年に潟~ヤタサイクルが誕生した。
 高谷社長は、ソニー、P&G、山一証券と渡り歩き、山一証券自主廃業後は財務コンサルタントとして活躍していた。先輩に声を掛けられて宮田工業鰍フ潟c潟^ホールディングスによる完全子会社化の際にフィナンシャルアドバイザーとして関与後、代表取締役に就任した。
 当初は潟c潟^ホールディングスの本社内にオフィスがあったが、当社の生産拠点である茅ケ崎工場が神奈川県内にあり、神奈川県で発展した企業であることから神奈川県に戻るのが自然と考えた。川崎市は神奈川県の玄関口で、羽田空港も近く海外に行く機会の多い当社には便利な立地だったことから川崎の地に移転した。

● 国内トップブランドとしての実績と多数の特許技術の蓄積


 経営理念「自転車事業を通して、地球環境を大切にし、心身ともに健康で、心豊かな社会創りに貢献します」は、会社設立時に高谷社長が策定した。毎日、朝礼で唱和している。
 当社にはトップブランドとしての技術の蓄積がある。それを支えるのが多くの特許技術だ。
 一つ目は、ステンレススチール製フレームのPFT(プレッシャード・フィット・テクノロジー)工法で、錆びにくく海の近くでも丈夫で長持ちする。特許技術PFT工法は三角形を構成する自転車フレームの製作において異種素材を接着剤により接合する工法だ。従来の溶接工法のように熱をかけないので素材が変質したり強度が弱くなったりしない。
 二つ目は、特許技術ローラーフローティング機構だ。チェーンを使わないベルト車で、音もしないし、汚れにくく、メンテナンスも楽だ。前輪に付いているギアにベルトをパンパンに張ると最初のこぎ出しに力が必要だが、ローラーフローティング機構はこぎ出しの力を軽減する。
 三つ目は、フレーム管技術SSTB(スパイラル・スプライン・トリプル・バテッド)だ。フレーム管は「剛性が高く重量は軽く」と相反する特徴が求められる。そこで、SSTBではフレーム菅の肉厚を3段階で加工する。両端は肉厚を厚くして菅内側を螺旋状に加工して重量を軽くし、フレーム中間部は肉厚を薄くして、端部と中間部の接合部は勾配をつける加工方法だ。ツール・ド・フランスやパリ〜ルーベなどメジャーなバイクレースでは石畳を走るとフレームが折れるという問題が生じていたが、このSSTB技術で製作したフレームを採用したスポーツバイクが数々の勝利を収めたことで当社の技術力をヨーロッパにおいて証明できた。

 「今後は、欧米でも地位を確立してきたミヤタスポーツのブランド力をさらに強化します。そして、メリダも日本のトップブランドに育て上げます。周辺商品のパーツ&アクセサリーのアイテムも増やして充実させていく計画です。世界の自転車愛好家に乗ってみたいと言われるような世界に誇れる日本製の自転車を作っていきます」と高谷社長の将来ビジョンは明確だ。

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