HOME


  元気企業紹介(TOP) > 株式会社 有限会社 横浜化成

会社名株式会社 有限会社 横浜化成


柔らかいエラストマー素材の射出成形の匠 加工が難しい硬度30以下の成形品を実現



代表取締役社長
鈴木 五郎
事業内容事業内容
エラストマー特殊加工、プラスチック加工、二次加工、金型製作

  • 企業名   有限会社 横浜化成
  • 創 業    1989年(平成1年)6月
  • 所在地   川崎市宮前区野川3051−26
  • 電 話    044‐754‐0546
  • 代 表   鈴木 五郎 (スズキ ゴロウ)
  • URL    http://www.yokohamakasei.co.jp/pc/index.html

 「当社は、エラストマー素材の射出成形や特殊加工を行い、高品質・低コストの医療機器、自動車、スポーツ用品、文房具など各種産業の部品や製品の製作・製造を行っています。エラストマーは強い弾性を発揮する素材で、製造過程における省エネ性、充填剤が少量で済むので軽量性、リサイクルが可能など優れた特徴があり、需要は高まっています」と鈴木社長は胸を張る。
 現在、エラストマー特殊加工、プラスチック加工、金型製作、組立・印刷などの二次加工、新素材バイオ関連事業を展開する。エラストマーとは「エラスティック(弾性のある)」と「ポリマー(重合体)」を合わせた造語で、豊かな弾性を持つゴム状の高分子物質の総称で、常温で弾性を示す。射出成形とは、加熱溶融した素材を金型内に注入して、冷却固化させるプラスチックの加工方法である。

● 大手素材メーカーとの業務提携により新たな成形加工部品を試作開発する


 「熱可塑性エラストマーという柔らかい材料を使った様々な用途での問い合わせが増えています。その理由は、既存取引先による口コミに加え、ホームページを大幅にリニューアルした結果、“エラストマー”というキーワードで常に上位10位以内にランクインするようになったことも大きく影響しています」と語る鈴木社長は笑顔だ。熱可塑性とは、常温では変形しにくいが、加熱すると軟化して成形しやすくなり、冷やすと再び固くなる性質をいう。
 10数年前、家庭用ゲームのコントローラーの成形加工を行っており、当社では毎月数十万個単位の受注があった。しかし、顧客企業が海外に生産拠点を移した結果、当社の仕事は無くなってしまった。顧客企業から支給された材料で図面通りの部品や製品を作るだけの一般的なプラスチック射出成形加工は成形機さえあれば他のメーカーでも対応できる。そこで、“他社がやらないこと”、つまり、“素材メーカーが開発した特殊なエラストマーの試作開発や用途開発を素材メーカーから直接受託する”と決めて取り組んできた。現在は素材メーカーとの直接取引による試作開発、射出成形、組立加工、品質管理まで一貫して行い、お客様の流通センターに納入している。直近では、三井化学鰍竰髏l鰍ネど大手素材メーカーと契約して、業務提携によるエラストマーなど新しい素材の試作開発や用途開発に注力している。大手素材メーカーにとっては、社内で試作開発や用途開発を行うよりも当社に委託した方がエラストマーに特化した技術とノウハウがあるので、スピードが早く、コストも低く抑えることができる。
 当社では、常識的には困難と言われるお客様の要望を実現するために何十種類もの樹脂材料で試作開発を繰り返す。その加工技術を確立した後、大手素材メーカーと特許を共同出願した実績もある。量産は海外のため当社は開発のみだが、新しい素材の用途を最初に開発することにより射出成形の加工技術とノウハウを蓄積できるので競争優位性を維持できる。

 

● 高度な成形技術と3つの特許技術により高いデザイン性・機能性を実現する


 高度な成形技術とは、異なる色のエラストマーを1つにして成形する「2色成形」、エラストマーやプラスチックなど異なる素材を1つにして成形する「異材成形」である。また、エラストマー射出成形品の美観を損ねたり、強度にも影響を及ぼす気泡の流入を限りなくゼロに抑え、美しい成形を実現する独自技術を築き上げた。
 具体的には、透明の柔らかいエラストマーを使って、ハイヒール用のインソールを開発した。足が接する表面は滑りにくいがベタつかず、ハイヒールに密着する裏面は粘着性が高くズレにくい。現在、靴クリームで有名な潟Rロンブスが販売している。開発に4年を費やした製品だが特許をあえて出願せず、当社で様々な用途開発を計画している。次に、サッカー選手のパフォーマンスを向上するインソールを整体師からの依頼で開発した。整体師の患者100人以上の臨床実験で効果があることが判明し、最近販売を開始した。その他、歯ブラシや保護ゴーグルなどの製品を開発してきた。その際に、当社では試作品を3D-プリンターで製作している。「3D-プリンターを見た瞬間に試作開発に使えるとすぐに購入しました」と鈴木社長は語る。
 3つの特許技術とは、1.マジックテープをエラストマーで挟み一体化する技術、2.イス脚にはめ込む本体と床に触れるキャップを着脱可能にする技術、3.容易に張力を与え、拭き取り用布地を交換できる技術である。
 1.マジックテープをエラストマーで挟み一体化する技術は、クラレファスニング鰍ニ共同で特許出願した技術であり、サンダル用バンド“ミュールバンド”や“結束バンド”など様々な用途の製品を製作できるようになった。
 2.イス脚にはめ込む本体と床に触れるキャップを着脱可能にする技術では、イス脚に装着するエラストマー本体は、通常空気で膨らませるブロー成形の形状だが、当社は射出成形で加工を実現した。キャップ部はポリエチレン製のため、古くなった際には交換できるようにした。
 3.容易に張力を与え、拭き取り用布地を交換できる技術は、ホワイトボード黒板消し(イレーザー)の布地を簡単に交換できるようにした。

● 経営理念は「生涯青春」、常に新たな仕事に挑戦する


 プラスチック射出成形加工や金型製作の技術は、鈴木社長が昭和34年に入社した多摩川合成鰍ノて習得した。福島県から集団就職で上京した鈴木社長は、夜間学校に通いながら社内で開催される講習会に積極的に参加した。その後、ミス化学鰍ノて工場長として働き、昭和40年に横浜市港北区新吉田町で創業した。取引先の紹介でプラスチック射出成形企業の跡地だった川崎市の現工場を賃借して30年になる。
 エラストマーの射出成形加工だけでなく、従来の熱可塑性プラスチック射出成形加工の仕事も続けている。熱可塑性プラスチックとは、加熱すると軟化して加工出来るようになるが、そのまま加熱し続けると化学反応を起こして硬化するプラスチック素材である。具体的には、100円ショップや飲食チェーン店向けの箸(はし)を月10万膳以上製造している。現場では生産性向上のために鈴木社長が工夫して自作した様々な治具が活躍している。
 経営理念は「生涯青春」を掲げ、常に新たな仕事に挑戦している。他のプラスチック素材で作られている製品をお店で見て、エラストマーで製作したら面白いのではないかと探して歩いている。今でも工業新聞などの新素材の記事を切り抜き、新商品のアイデアを発想している。
 最近では、従来印刷が出来なかったエラストマー表面に印刷できる技術を開発した。当社では主婦が発明した商品の開発にも協力している。具体的には、買物レジ袋が手に食い込むのを防ぐ“手提げホルダー”だ。「年齢が幾つになっても新しい製品づくりに挑戦する」と語る鈴木社長は72歳になった今も青春を謳歌している。

  戻る

Copyright 2005 Institute of Industrial Promotion-Kawasaki.All rights reserved.