熱分解によるCO₂排出量大幅削減と「地産地処理」の推進

会社紹介

当社は医療情報システムの開発やコンサルティングを行う会社として、2014年に設立されました。2018年からは有機物滅菌減容(熱分解)装置の販売・保守をスタートし、新たな事業の柱として育てています。私は30年以上にわたり医療業界で働き、さまざまな医療の現場を間近で見てきました。DXの必要性を理解しながらも資金繰りが厳しく、前へ踏み出せずにいる病院の方々との出会いの中で感じたことがあります。それは、単なる業務の効率化ではなく、病院の経営そのものに貢献できる仕組みが必要ではないかということです。その答えを探るなかでたどり着いたのが、地域で出た廃棄物をできるだけ地域で処理するという「地産地処理」という考え方でした。これが実現すれば、病院にとって大きな負担となっている医療廃棄物の処理費用を軽減し、DXに充てる原資を生み出せる。医療の現場と経営の両面に貢献する意義のある取り組みだと考えました。私は若い頃から医療の現場に育てられてきました。だからこそ、医療に関わるすべての方々に恩返しをしたい。その想いを胸に、今後も持続可能な医療の未来に貢献してまいります。

基本情報

株式会社IMU・GENOS

〒113-0033
東京都文京区本郷4-15-23 アーバンビュー本郷305

医療機関は診療報酬制度のもとで運営されているため、急激に売り上げを伸ばしたり、人件費を大きく削減したりすることが難しい業界です。DXによって業務効率が向上し、働きやすい環境が整ったとしても、その効果が直接的な収入増につながるかどうかは分かりません。業務負担を軽減するだけでなく、経営に本当にプラスとなる仕組みはないかと考え続けている中で、仕事仲間から紹介されたのが「熱分解装置」の存在でした。熱分解装置とは、ゴミを燃やさずに250℃から450℃で分解し、量を大幅に減らして無害化する装置です。それを見ているうちにふと気になって「病院の廃棄物処理にはどれほどの費用が必要なのだろう」と調べてみました。すると一般事業ゴミと比較して処理単価で約10倍もかかっていることが判明しました。医療廃棄物には感染リスクがあるため、専用容器での回収や特殊車両による運搬が欠かせず処理コストがどうしても高くなります。これをもし施設内で安全に処理できるようになれば、処理費用を抑えることができるかもしれない。私はそこに大きな可能性を感じました。医療廃棄物にも安全に対応できる熱分解装置はないかと、さまざまなメーカーを訪ね歩き、実際に類似の材料を持ち込んで検証を重ねてきました。そうした中でご縁があったのが、現在のパートナーである東亜電機工業社さんです。「この会社と一緒なら、きっと形にできる」そう確信し取り組みをスタート。2024年11月には試作機が完成しました。現在、全国の医療系ディーラーに代理店として協力いただき、医療機関へのご紹介が進んでいます。滋賀県で第一号機の導入も決まりました。「あるといい」ではなく、「これがないと困る」と言っていただけるような存在になることを目指しています。

私たちが開発した熱分解装置は、従来の焼却処理と比べてCO₂排出量を大幅に抑えることができます。さらに廃棄物の容量を約200分の1から400分の1まで減らせるため、運搬時のCO₂削減にもつながります。処理後に残るのは安定したセラミック状のパウダーで、現在はこれを資源として再活用する取り組みも進めています。同様の分野を手がける競合もありますが、私たちは2018年から数多くの装置を実際に見て検証を重ねてきました。その積み重ねがあるからこそ、性能や運用面でも十分に優位性があると考えています。一方で、地域によっては処理単価がとても低く、現時点では当社製品の導入メリットが出にくい場所があるのも事実です。今後も廃棄物処理費用は上昇していく流れにあるので、中長期的に見ればニーズは着実に高まっていくと見ています。

製品面で最も課題だと感じているのは「標準モデル」をどのように確立していくかという点です。用途ごとに専用化が進むと、コストの増加や導入までの長期化は避けられません。できるだけ専用機に寄せすぎず、汎用性を持たせながら提供できる方法を模索しています。また新たな取り組みとして、小型装置の開発にも挑戦していく予定です。現在メインで開発している2㎥タイプの装置に加え、0.5㎥規模のモデルも構想しています。このサイズであれば、車載が可能になったり、透析クリニックや介護施設にも設置できたりと活用の幅が広がります。こうした展開が進めば、お客様の数も増えていきますが、それに伴う人材の確保や組織体制の整備が欠かせません。私自身がどこまで前に立つのか、次の世代へどうバトンを渡していくのか。組織の基盤づくりも大きな課題の一つです。

これからの事業を考えるうえで大きなテーマとなるのが、継続的な収益を生み出す仕組みづくりです。その一つとして、コンサルティングサービスの展開を検討しています。自治体との調整や許認可への対応など、導入前に最も手間のかかる部分にも積極的に取り組み、ノウハウを積み重ねてきました。こうした経験は今後導入を検討する事業者や同業メーカーにとっても役立つはずで、支援サービスとして提供できる可能性があると考えています。もう一つが、処理後に生まれるセラミックパウダーの活用です。せっかくの資源をただ廃棄するのではなく、再利用や再販につなげていけないか。その点も、いま力を入れて検討しているテーマです。一方で、成長スピードについては慎重に考えています。装置が多く導入されれば、設置工事や保守対応の整備が必要になりますが、急激に人員が増えると品質の維持が難しくなっていくはずです。会社としてどの規模感が適切なのかは、常に意識しています。私は長年医療業界に携わってきたことから、各地の医療機器や医療材料を扱うディーラーとのネットワークがあります。そういう地域に根差した営業経験を持つ人材とより一層協力関係を高め、当社の事業に深く関わっていただけるような仕組みづくりも検討中です。

今後はヘルスケア分野に限らず、さまざまな業界での展開にご協力いただける企業さまとぜひ連携していきたいと考えています。そして今後実現したいのが、この「地産地処理」の仕組みを処理量に応じた従量課金サービスとして提供するモデルです。そのために装置を設置する場所の提供や、オペレーションの面で支えてくださるパートナーを求めています。工場などの敷地の一部に当社の熱分解装置を設置させていただき、ファイナンスから現場のオペレーションはパートナーが担い、当社は全体の運用管理と技術面のサポートを担当するという様なイメージです。ご契約いただいた医療機関は医療廃棄物を持ち込むだけで、処理から保守までを安心して任せられる仕組みになります。これが実現すれば大きな初期投資やリース枠を必要とせず、廃棄物処理費用の支払先を振り替えるだけで医療機関にとっても検討しやすい選択肢になるはずです。この新しい仕組みをパートナーのみなさんとともにつくり上げ、医療の現場を支えていけたらうれしく思います。