安心の老後をサポートする弁護士運営の身元保証サービス
第145回 かわさき起業家賞
会社紹介
超高齢化社会が進むなか、身寄りのない高齢者は増え続けています。国内には約1,000万人の「おひとりさま高齢者」がいるとも言われ、その多くが、“もしものとき”への不安を抱えています。私は弁護士として、そうした方々と向き合ううちに「誰もが不安なく日々を送れる社会を実現したい」と強く願うようになり、この事業を立ち上げました。当社の事業は、大きく三つのサービスで構成されています。一つ目は、病院や介護施設への入院・入所時に必要となる保証人をお引き受けする「身元保証」。二つ目は、葬儀の手配や遺品整理などを担う「死後事務」。そして三つ目は、緊急時の連絡対応や買い物支援などを行う「日常生活支援」です。これらを通じて、高齢者が安心して暮らせる環境を提供しています。身元保証そのものは、弁護士でなければできない業務というわけではありません。しかし、人生の締めくくりに寄り添うという責任の重い役割であるからこそ、法的な専門性を持つ弁護士が担うことに大きな意義があると考えています。この信念のもと、身元保証事業のリーディングカンパニーとして、すべての高齢者が心穏やかに過ごせる社会の実現を目指していきます。
基本情報

株式会社あかり保証
〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目3-18 MF西天満ビル11階AB号室
受賞したビジネスに至った経緯
このサービスを始めるきっかけとなったのは、2004年頃に受けた、ある70代の男性からのご相談です。その方は介護施設への入居を希望されていましたが、手続きには保証人が必要でした。ところがその方には頼れるご家族がおらず、とても困っていらっしゃいました。そこで、私が弁護士として保証人を務めることになったのです。口数の多い方ではありませんでしたが、ご契約の際に「ありがとう。これからよろしく」と声をかけてくださいました。その一言が今も心に残っています。あの「よろしく」には、これからの人生をあなたに託します、という強い思いが込められていると受け止めました。その責任の重さとともに、大きなやりがいも実感しました。裁判や個別案件など、弁護士として携わる仕事は一定の期間で区切りを迎えます。しかし、この身元保証人という仕事はクライアントの人生の最終章まで寄り添い、困ったときに頼られる存在であり続けます。弁護士としての業務とは異なる、人生に長く寄り添える役割に魅力を感じ、本格的に取り組むことを決意しました。
サービスの特徴

単身で暮らす高齢者の方が抱える不安は、大きく三つあると私たちは考えています。一つ目は施設入居時の保証人の問題です。現在、9割以上の介護施設で入居の際に保証人を求められます。しかし頼れるご家族がいない方にとっては、これが大きな障壁となります。私たちはその保証人をお引き受けし、円滑に入居できるよう支えています。二つ目は、認知症への備えです。判断能力が低下した場合でも、ご本人の意思を尊重しながら財産管理や必要な手続きをサポートします。三つ目は、孤独死への不安です。ご契約後は定期的にアポイントを取ってクライアント先を訪問し、体調や生活状況を確認します。万が一の際には、事前にうかがっているご希望に沿って、葬儀や納骨、永代供養まで責任を持って対応します。これら三つの不安に向き合い、人生の後半を心穏やかに過ごしていただけるよう支えていく。それが本サービスの大きな特徴です。
現状の課題
この業界には、まだ乗り越えるべき課題があります。それは「身元保証」という事業そのものに、不安や疑問を感じている方が少なくないということです。一部の業者の中には、ご本人の遺産を寄付として受け取ることを前提とした運営や、立場の弱い高齢者に配慮を欠いているような事例も見受けられます。それが業界全体の信頼を損なう原因になっているのではないかと考えています。そうした不安を解消するため、私たちは寄付を受け取らない方針を明確にし、透明性を重視した誠実な運営を徹底しました。当社が安心して任せていただける存在であり続けることが、業界全体の信頼の向上にもつながると信じています。また、組織としての課題もあります。当社には弁護士やケアマネジャーなどの専門職が在籍しており、専門性に基づいたサポート体制を強みとしています。その強みを確かなものにするためには研修と教育が欠かせません。現在、東京と福岡に拠点を構え、4月には名古屋への進出も予定しています。今後、拠点が増えても質を落とすことなく、どの地域でも同水準のサービスを届けられる体制を整えることが、これからの重要な課題であると考えています。
今後の展開
いずれは「身元保証」という事業自体が、日本の未来を支える大切な社会インフラの一つになると考えています。しかし現状は、このサービスを利用することに負い目を感じているという方も少なくありません。「保証会社に頼るのは気が引ける」という声もよく耳にします。そうした思いを払拭し「あかり保証に頼んでよかった」と心から言っていただける企業になること。それが、私たちの目標です。そのために、お客様同士がつながれる場づくりなど、新しい取り組みにも挑戦していきます。不安を取り除くだけでなく、生きがいを見つけられるような支援へと広げていくことが、私たちの目指す未来です。そして2030年の株式上場を一つの通過点とし、日本一の身元保証会社になることを目標に掲げています。約1,000万人のおひとりさま高齢者のすべてに本サービスを届け、社会にとってなくてはならない存在になれるよう、歩みを進めていきます。
パートナー企業との連携で実現したいこと
金融機関様や介護施設様との連携を広げていきたいと考えています。現在も、介護施設の方から「この利用者様は保証人を立てることができないのですが、お願いできますか」といったご相談をいただくことが多くあります。私たちが保証人をお引き受けすることで、本来であれば断わらなければならなかった方が、入居につながるケースも増えています。介護施設様にとっては空室の解消につながり、ご本人にとっては希望していた場所での暮らしが実現する。そして私たちは、サービスの提供を通じて事業を前に進めることができる。まさに「三方よし」と言える関係性を築くことができると考えています。高齢者を取り巻く課題は、我々一社だけで解決できるものではありません。志を共にできる企業と力を合わせ、支え合いの仕組みを全国へと広げていきたいと考えています。


