かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場
第44回最終選考会(2006年11月11日開催)
ENTRY No.1

ビジネスアイディアのテーマ
『高周波を工業的に利用する機器全般のエンジニアリング』

ビジネスアイデアの提案者
アロニクス株式会社
 西尾 壽美(にしお ひさみ)

  【川崎市幸区】

かわさき起業家優秀賞
川崎市制度融資認定

ビジネスアイディアの概要について
高周波利用機器の心臓部である高周波電源部は米国のメーカーより輸入し、アプリケーションエンジニアリングと、加工機器として加熱装置やプラズマ発生装置として利用できるまでのエンジニアリング、および製品製造を行う。
しかし、自社では機器製造や組み立ては行わず、それぞれの専業メーカーに依頼し、完成品のテストと納入後のサービスを行う。

新規性・優位性について
当社の事業の中で、高周波利用の加熱は既存の技術であり鉄鋼関係や自動車工業など幅広い分野で使われているが、光ファイバーケーブル製造やカテーテル製造など微小加工の分野では、既存の装置では周波数および制御性の限界から応用が難しい。 しかし、最新のスイッチング技術とフェライトを応用したアプリケータにより、金属細線の加熱や光ファイバのハーメチックシーリングなどが高周波誘導加熱で可能となる。 当社では、今まで誘導加熱の利用が困難であった分野を対象に事業を展開する。

市場について
  • 主なターゲット・市場の規模
    当社の誘導加熱システムが適用できる小型部品の加熱だけで、年間50億程度はあると見込まれる。 これは国内競合メーカーの数、会社規模からの類推であり、実にニッチ市場ではあるが、加熱という基本工程であり裾野も広いため、今後もブームはないと思われるが息長く続く市場であると考えられる。
  • 市場での競争力
    誘導加熱関連機器については、競合相手は多い。 神奈川県内にも大手から中小を含め数社ある。 製品性能に以下に示す大きな優位性があるため新規参入ながら不安はない。
    ●他社製同出力のユニットと比べその体積は、約半分。 小型である。
    ●自動周波数チューニング機能を有しており、サイズの異なる被加熱体にも無調整で加熱できる。
実現性について
  • 実施スケジュール
    設立後、すでに3年弱経過し、当初の計画に新たな事業が加わる事になり、更なる躍進が望める状態である。
  • 実施場所
    KBICを希望している。
  • 実施体制(従業員等)
    実質、総勢3名で、西尾が営業、オペレーション担当となり、他エンジニアリング、サービスを担当する技術社員1名、経理事務担当社員1名。
    事業拡大に伴い更なる増員を計画中である。
    品質管理については、サプライヤとの連携が必然となる。
  • ビジネス・パートナー

  • リスクとその管理
    核となるアセンブリは米国から輸入されるため決済は現金となるが、国内の大手企業の支払いは、いまだに手形または据え置きによる数ヶ月先の現金化によるため、受注が急に増加した場合、資金のショートが生じる。 個人資産の投入と短期借入で運転資金を確保する予定である。

このページの内容は、受賞者の文責による最終選考会プログラム(当日配布)の内容を転載したものです。
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