かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場
第45回最終選考会(2006年12月8日開催)
ENTRY No.5

ビジネスアイディアのテーマ
『有用な生物活性をもつ天然物素材のR&D事業』

ビジネスアイデアの提案者
株式会社プリヴファーマ
 山木 光男(やまき みつお)

  【川崎市幸区】

かわさき起業家優秀賞
りそな神奈川応援賞

ビジネスアイディアの概要について
当社は天然物素材の生物活性安全性を科学的に証明し知財化するというR&D活動をコア事業としております。
最初のプロジェクトは、当社顧問の岩手大学堤教授が、岩手県(八幡平市:旧安代町)特産のリンドウに新たな生理活性物質を見出した事から始まりました。リンドウのような既存生薬に新たな活性が見つけられるという経験から、植物素材事業を当社事業の柱の一つとしました。その事業付加価値向上のため、特定の細胞分子を標的として医薬品を開発するという「分子標的創薬」を取入れました。この標的分子評価技術を大学ネットワークに求め、チリの植物育種会社と共同で作成する薬用植物抽出物ライブラリーと組みあわせ機能性素材を効率よく創出します。これらの創薬関連知財権・動植物素材・技術情報を製薬、食品および化粧品分野のメーカに提供することで、人々のQuality of Life 向上に貢献したいと考えております。

新規性・優位性について
当社のがん関連分野、抗インフルエンザウイルス分野の標的分子評価系は、いずれも顧問の大学研究者による分子生物学研究に基づいた独自のものです。また、植物抽出ライブラリーは、薬用植物に焦点を絞った小規模・高品質のものを樹立(小規模可能性試験済み)。この二つのエンジンの協調により抗がん・抗ウイルス分野で、効率的な天然物由来新規生物活性物質の創出を目指します。抗がん分野における当社独自の論理的創薬シーズは、DNA 複製に関わる鍵分子を標的としたもので、副作用の少ない抗がん剤開発を目指すものです。

市場について
  • 主なターゲット・市場の規模
    1)がん疾患:当社が目指す抗がん剤は植物基原で、かつ分子標的を当初から限定したものである。植物由来抗がん剤は4,800億円以上の市場を形成している。
    2)インフルエンザ感染症:2005年の世界市場規模は全製品併せて3,500億円であるが、市場は拡大傾向にある。
  • 市場での競争力
    1)抗がん剤:当社開発予定抗がん剤は、がん細胞の増殖に不可欠な鍵タンパク質を直接標的とする真の「分子標的薬」である。そのため、患者QOLに配慮した副作用の少ない抗がん剤として期待される。
    2)抗インフルエンザ剤:作用機構が、新規標的分子の活性阻害であるため、現時点で耐性ウイルスがないのが特色である。

実現性について
  • 実施スケジュール
    リンドウ由来の2種の物資に関して、各2報目の特許を本年度中に出願(2006年度)。植物原料供給に関する提携先(2006年9月契約済)のチリ植物育種会社から12月中旬に植物の初回入荷。 抽出物ライブラリーの実証試験を開始する。
  • 実施場所
    かわさき新産業創造センター(KBIC)、研究者派遣先の大学等
  • 実施体制(従業員等)
    常勤者5名:研究開発3名(PhD2名)、事業開発1名(PhD)、管理部門1名(薬剤師)、
    非常勤4名:経理1名、知財担当1名、研究担当2名(PhD2名)
  • ビジネス・パートナー
    関係樹立済みパートナーは以下のとおり; 海外植物育種会社、共同研究大学、食品会社、化粧品会社、川崎市産業振興財団(KBIC)
  • リスクとその管理
    最終製品の製造は主に共同開発先で行い、当社は独自技術の開発、知財権確保とそのライセンス供与を行う。国内外の法の遵守を最優先事項とする。

このページの内容は、受賞者の文責による最終選考会プログラム(当日配布)の内容を転載したものです。
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