かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場 第59回最終選考会(2009年6月12日開催)

Entry.2


ビジネスアイディアのテーマ

オンライン・オンデマンドでのパソコン機能提供サービス事業

ビジネスアイデアの提案者

佐藤 博(サトウヒロシ)

【川崎市宮前区】

かわさきビジネス・アイデアシーズ賞

りそな神奈川応援賞

佐藤博さん

ビジネスアイディアの概要について

オンライン・オンデマンドでのパソコン機能提供サービス事業

広範囲のパソコン機能(コンピュータパワー、基本ソフト、ブラウザ、セキュリティー等)とその保守・運用サポートを、ブロードバンド回線を経由しオンデマンドで提供するサービスである。システム構成は、ネットワークオペレーションセンターにサーバを設置し、そこにユーザーの仮想PC群が設定され、その画面イメージが回線を経由してユーザーの端末に配信される。このサービスにより、最新の状態にメンテナンスされたパソコン機能とセキュリティー対策を、情報システム部門を持たない企業などでも、大企業並に利用することができる。日々新しくなる情報処理機能・技術を、投資負担や過剰なストレスなく誰でも利用することができるようになる、利便性の高いシステムである。

  • OSや、ウイルスパターンの更新やウイルススキャンは、本サービスがオペレーションセンターで自動で行なうのでユーザーはそのような煩わしい作業から解放されるとともに、作業中に業務が止まることもなくなる。常にリフレッシュした仮想のパソコンが利用できるので、PCのトラブルによるデータの消滅や、使用劣化を起こすことなく快適にジョブが実行できる。新しいバージョンへアップグレードの場合のサポートも適正料金で提供される。
  • 各ユーザーが処理しているデータは、見かけはユーザーの端末上で作業できるが、実際にはセンターにあるサーバで処理・保存されており、ユーザーのパソコンに紛失等の事故があっても情報漏洩の心配はない。
  • 一時的に高性能のパソコン機能が必要になったときも、使用を申し込めば、適正な料金でサポートとともに活用できる。
  • ユーザーは、オフィスのパソコンに普段は必要ない余分のメモリーを用意したり、アプリケーションソフトをインストールしたりする必要はなく、必要になったときにそれらの使用を申し込めば、適正な料金でサポートとともに活用できる。

ユーザーは、基本使用料でパソコンの基本機能(パソコン機能や、基本ソフト、ブラウザ、文書処理ソフト、ウイルス対策など一般的な運用管理サポート)が得られる。ユーザーは、専用端末を購入するか、変換アタッチメントを導入すればこのシステムを利用できる。臨時に高性能のパソコン機能やその他のアプリケーションソフトなどは従量料金で利用することができる。結果、システムの運用管理のために専任情報技術者をおくなどのコストをかける必要性がなくなるというメリットがある。

新規性・優位性について

新規性・独自性

  • クラウドコンピューティングという考え方を、学術研究や高度に複雑なシステムの開発ではなく、一般ユーザーのために、日常の利便と保守を目的に応用しようという点(およびその実装の方法)では、新しく独創的であると自負している。
  • 将来のIT環境はこのアイデアのように集中処理により優れた経済効果をもとめる方向に動くものと考えており、その観点からは最も先進的・将来性のある発想と考えている。

優位性

  • クラウドコンピューティングで利用されている要素技術を応用することにより、必要なコンピューティング機能を必要なときに使えるという自由度の高い環境を提供する。またアプリケーションも従量制で使用できるので、「オンデマンド」という性格がはっきりする。
  • IT環境の更新が必要になっても、パソコン本体や関連機材を大きく買い換える必要が無く、資源の無駄遣いが大幅に押さえられる。
  • グリーン化への貢献: 企業毎に情報システム(パソコンなど)を設置し運用する場合には、作業していない時間であっても通電し連続運転が必要なためエネルギーの無駄遣いが大きい。本サービスは、基本的には微少な消費電力の端末と集中処理での効率化ができ、パソコンの買替え・廃棄が不要になり大幅なグリーン化が促進される。

市場について

主なターゲット・市場の規模

ITを業務に活用しているが、情報システム部門を持てない企業群をまず考えており、約1,000億円の市場規模がみこまれる。

市場での競争力

人手でのサポートサービスを提供する事業者は多いが、オンラインで機能提供と保守的サービスを一体としてSOHOレベルまで提供している例はほとんど無い。
また、そうしたサービスをオンデマンドで提供するところに、このサービスの優位性があると考えている。

実現性について

実施スケジュール

2009年夏:会社設立とαモデルを開発し技術検証を行う
2009年下期にかけて:β版開発とフィールドテストによる受容性のフィードバックを得る
2009年秋:サービスの改良と運用体制の整備を行った後に、事業開始を予定

実施場所

神奈川サイエンスパーク(KSP)を予定

実施体制(従業員等)

役員とエンジニアのチームで発足し、事業開始時には増員を予定。

ビジネス・パートナー

ソフトウェア分野での提携による要素技術の補完と、事業拡大のための代理店との販売提携を考えている。

リスクとその管理

市場での受容性のリスクに関しては、テストマーケティングにより顧客の声を反映し改良することで対応したい。まだブロードバンド回線でもADSLを利用しているユーザーでは十分なサービスを提供できない恐れがありネットワークの改善面でも助言していきたい。

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