かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場 第64回最終選考会(2010年3月13日開催)

Entry.6


ビジネスアイディアのテーマ

産学連携に伴うビジネスアイディア『宅配園芸 Green Clean』の事業化

ビジネスアイデアの提案者

Green Clean

秋田 玄(アキタ ゲン)

【神奈川県座間市】

かわさきビジネス・アイデアシーズ賞

起業家協会特別賞

会場応援賞

秋田 玄さん

ビジネスアイディアの概要について

宅配園芸 Green Clean

地球温暖化対策が国際的に叫ばれる昨今ですが、巷にはエコタンブラー、エコバッグなどのいわゆる「エコグッズ」が溢れています。ともすれば、エコという言葉が単なる流行語として使われている側面もあるのではないでしょうか。私たちは本来、エコとは「資源を最大限有効活用すること」として捉えるべきだと考えています。そこで、私たちGreen Cleanはそれら原点に回帰し、身近な緑化運動である家庭園芸に着目いたしました。今こそ、私たちがエコを根本に据えた地球温暖化対策を推し進めるべき時なのです。

現状の園芸では多種多様な品種や器具等の選別、土の後処理問題などがネックとなり「始めにくく」「やめにくい」という声が多く聞かれます。私たちGreen Cleanではこれらのネックを解消し、園芸の始めから終わりまで、トータル的にサポートする「宅配園芸」というサービスを提供しています。

私たちの提供する宅配園芸とは「安心かつ手軽な園芸」をスタートすることができる画期的なサービスです。私たちが厳選した植物やエコ製のプランターなどを園芸のキットとして作製し、学生自らがそれを会員の方々に宅配します。これにより、手間なく園芸を始められるシステムとなっています。また、園芸中の問題や疑問点に対して私たち学生が活動力をもって全面的にサポートし、解決いたします。

しかし、これら園芸に関する技術やノウハウは私たちだけでは力不足です。
そこで、私たちGreenCleanは農業支援団体「Uzumaki」と提携して直接、農業を営む方々から経験に基づく豊富な知識を頂くことで成り立っています。これらの活動で得られた知識をGreen Clean内で共有することで、私たちの園芸に関するスキルアップに繋がっています。また、キット内の取扱説明書などの作製にもこの知識を生かすことが出来ています。

更に、商品であるキット作製では農家の方々との提携により無農薬や減農薬にこだわり、安心・安全を追求いたしました。

商品構成では「神奈川県立中央農業高等学校」との連携によって農業高校の現役の高校生と協力してプラン詳細を作成しています。季節に応じた旬な植物を用いた「わかりやすく、始めやすい」プラン詳細にするべく、私たちスタッフと共に試行錯誤しながらの商品開発を行っていることも特徴のひとつと言えます。

園芸終了時には弊社Green Cleanスタッフが土やプランター等の物品について責任を持って全てを回収いたします。その後、回収した古土はゴミとして処理せず、養分を補填してのリユースや専用地への埋め込み作業により自然に還元するリデュースも行っています。

新規性・優位性について

当サービスGreen Cleanは高校と大学の繋がりによる学生主体の運営である点において、「高大連携」がビジネスにも生かされている独創性を秘めています。 また、既存のインターネットによる通信販売、園芸店での店舗販売では直接的に生産者の顔が見えず、植物の品質管理において安全面での不安が残ります。しかし、当サービスでは生産と運営、宅配を一括に執り行なうため、安全管理面において安心できる安全な植物のみ提供し、複雑で選択肢の多すぎる器具・植物の選別の手間を一挙に省いています。品質にこだわり抜いた商品のみを宅配することで年齢層を問わず、幅広く園芸をスムーズに始めることが可能であります。

更に、宅配終了後についても園芸用土を回収し、集合住宅付近などに多く見受けられる土の不法投棄問題、地域問題解消に役立つことができます。加えて、引き取った園芸用の土を養分補填により、再度園芸用の土として会員へお返しし、園芸を楽しんで頂ける点においてもクリーンでエコな園芸を実践できるところが新規性に富んでいると自負しています。

また、地球温暖化の懸念による温室効果ガス削減問題への注目は今後、より一層に高まっていくと予想することができます。また、近年のガーデニング市場の拡大からくる「園芸ブーム」も着実に浸透をみせています。これら二点の融合を可能とした当サービスの提供は社会的なニーズと合致しており、園芸の活性化を図れることにおいても将来性は大いに期待できると考えることができます。

学生による運営は人件費の削減が可能であり、更に産学連携による取り組みによるサポートがあることで、その他、既存の園芸用品販売との差別化並びに優位的な差異を明確に表すことができます。

市場について

主なターゲット・市場の規模

小田急線沿線と南武線沿線に位置する川崎市は現在、川崎新時代2010において、川崎市全体の中枢的機能を担う地区として、広域的な商業・生活・文化等の諸機能の集積を図り、高次な都市機能拠点の形成をめざす地域と位置づけられています。また、都市再開発方針も掲げており、集合住宅やマンション等が急増している背景があります。

当サービスの活動拠点である和光大学も神奈川県川崎市麻生区に位置しており、最寄り駅が小田急線鶴川駅であることを考慮して小田急線沿線と南武線沿線の駅から徒歩15分圏内の集合住宅・マンションをターゲットとします。

更に、車による移動可能範囲を片道約一時間(総距離約23km)と設定いたします。市場規模として、この地域へ当サービスに関わる「園芸意識調査」と題したアンケートを行い、当サービス利用したいとご回答いただいた方々を基に約14,000件を想定しています。

市場での競争力

「どれを選べばいいかわからない」「土の後処理が面倒だ」「買出しの手間がある」「一人でできるか心配である」

これらは「園芸意識調査」にて回答くださった園芸の諸問題です。これら諸問題を一挙に解決し、「専門的見地からした選別」「土のクリーンな処理」「画期的宅配サービス」によるサポートを充実させていきます。これらを重点に置いた当サービスは学生主体による活動力をもっているからこそ実現可能な要素であると考えることができます。

そのことを考慮して、その他園芸用品販売方式との比較・差別化を図り、市場で競争優位に立つことを明言いたします。

実現性について

実施スケジュール

現在は和光大学の援助により、試験的な活動(2009年8月)を開始しております。
2010年4月より、本格的な販売計画を実施していくことを考えております。

実施場所

和光大学

実施体制(従業員等)

役員6名、商品管理・宅配スタッフ10名

ビジネス・パートナー

・和光大学(活動母体)
・川崎異業種研究会(ビジネスプラン構築支援)
・農業支援団体Uzumaki(技術支援)
・神奈川県立中央農業高等学校フラワーデザイン部(商品提供、商品プラン共同作成)

リスクとその管理

個人情報保護 商品安定供給 商標登録 従業員の保護 —› 保険、火災保険、傷害保険

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このページの内容は、受賞者の文責による最終選考会プログラム(当日配布)の内容を転載したものです。
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