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会社名市川工業 株式会社


ふっくら食感のおにぎり成型機を開発! 米飯にこだわり、製品開発に注力




代表取締役 市川 剛
事業内容
食品省力化機械(おにぎり成型機など)の設計・製作・販売

  • 企業名  市川工業 株式会社
  • 創業   1956年(昭和31年)10月
  • 所在地  川崎市幸区神明町2‐91
  • 電話    044‐522‐0431
  • 従業員  30名
  • 代表    市川 剛(イチカワ ゴウ)
  • URL   http://www.1kawa.co.jp/

 市川工業は設立から61年の老舗の食品製造機械メーカーであり、豊富な経験とノウハウに裏打ちされた高い技術力を持っている。コンビニエンスストアや食品スーパーの定番商品である『おにぎり』や『お弁当』の生産に欠かせない、米飯を計量して自動生産する機械を製作している。主力製品である『おにぎり成型機』では、新たに独自開発した3D成型機構を搭載することで、ふっくらとしたおにぎりの食感を実現している。米飯にこだわり、新製品の開発に力を注ぐ元気企業を紹介しよう。

● 独自技術で『おにぎり成型機』を開発! コンビニ向けおにぎりで市場が拡大 


 市川工業は市川社長の祖父によって、1956年に設立された。設立当初は、大手メーカーの工場向けに部品を生産していたという。その後、技術者であった祖父が納豆の充填機やみかんの実割り機などを開発して、食品製造機械の製作を手掛けるようになった。
1970年代に入ると、川崎港などで働く人たち向けの食堂で出すおにぎりを機械で作れないか、という顧客ニーズに応えるため、納豆の充填機で培った技術を活かし、おにぎり成型機の開発に着手した。試行錯誤を経て完成した1号機はおにぎりを1時間に1,000個生産する能力を持ち、1975年には特許も取得している。
 1970年代後半になると、大手コンビニエンスストア向けにおにぎりを生産する食品メーカーから注文を受け、おにぎり成型機の出荷を始めることになる。コンビニのおにぎりが人気商品になり、売上個数が増大するにともない、当社のおにぎり成型機も、大きく販売台数を伸ばしていくことになった。現在では、首都圏を中心に、北は仙台から南は福岡まで、数多くの食品工場で当社のおにぎり成型機が稼働している。
 一方、市川社長は中学生、高校生の頃から当社の工場でアルバイトをしていたという。大学を卒業後、IT企業に就職し、3年ほど勤務した。そこでビジネスの基本を学んだ後、当社へ入社した。入社当時、設計部門ではドラフターを使って製図用紙に図面を手描きしており、設計のCAD化は遅れていた。そこで市川社長はCADの導入を推進し、設計業務の効率化を図った。あわせて、CADシステムのネットワーク構築や、当社の資産ともいえる過去に作成した図面の整理にも取り組んだ。その後、新製品の開発プロジェクトに参画したり、営業・設計・製造といった全体の取り纏めを行ったりするようになったという。そして、2年前に父親から社長業を引継ぎ、三代目社長に就任した。「社員の皆さんには、当社はニッチな分野の仕事をしていますが、自分たちが作った機械がどのように使われているのか、コンビニ等のおにぎりを食べてどう思うのか、各自よく考えて勉強してください、という話をしています。」と市川社長は笑顔を見せる。

● 市場ニーズの変化に応じ、新製品を開発 ふっくら食感を追求した3D成型 


 当社は、『おにぎり成型機』を中心に、『三角おにぎりを手巻き包装する機械』『おにぎりに塩やごまをふりかける機械』『米飯を弁当の容器に盛り付ける機械』などを顧客ごとの要求に合わせきめ細かくカスタマイズし、設計・製作している。
当社製品は、コンビニ向け食品製造会社を始めとして、航空機内食ケータリング会社、その他の食品工場、食品スーパー、食堂、すし屋、弁当屋など、幅広い顧客から支持を集めている。「例えば、航空業界向けでは、羽田空港で販売されている弁当やおにぎり、国際線の機内食などの製造に、当社の機械が使用されています。」と市川社長は説明する。
大手コンビニチェーンの陳列棚には定番の売れ筋商品が並び、ひとつひとつの商品に対する要求は極めて高い水準にある。当社はこの厳しい要求に、高い技術力で応え続けてきた。
 例えば、2003年にコンビニ業界では「おにぎり革命」と呼ばれる大きな変化があった。それまでのおにぎりは、表面にくぼみをつけて、そこにおかかや昆布等の具材を乗せていたが、それを家庭で作るおにぎりにより近づけるため、おにぎりの中心に具材が入るよう、具材をご飯で包み込んで成型することが求められた。これに対し、当社はおにぎり成型機の成型メカニズムを見直して、独自の「包あん機構」を開発することで、コンビニ業界の要求に応えてきた。
おにぎりの美味しさへの追及は今なお続いており、これまで培った技術を余すところなく注ぎ込んでいる。2016年12月に発売した『直列型ふっくらシートおにぎり成型機(RB-SSS)』は、『川崎ものづくりブランド』にも認定された。
 本成型機のコンセプトは「おにぎりをふっくらさせて食感を高める」であり、そのための様々な技術が盛り込まれている。ご飯をほぐし、おにぎり1個分のご飯を四角いシート状にして、そこに具材を載せる。そして、ご飯のシートを折り、それを5方向から押すことで(3D成型する)ふんわり感を出し、その後、おにぎりの形状を丸や三角に整える。機械にご飯を投入してから、おにぎりを成型するまでの各工程で、ご飯をやさしく扱い、ダメージ与えないことが、おにぎりをふっくらと仕上げるコツだという。「ご飯を3D成型する工程まで送る間に、できるだけご飯をこすらない、ダメージを与えないようにするために知恵を絞りました。機械の動作、タイミング、ご飯の安定性などの微妙なバランスをとることに、大変苦労しました」と市川社長は説明する。

● 海外での事業展開も視野! 省人化と省スペースが製品開発のポイント


 「10年ほど前、台湾のコンビニ向けのライスバーガーを製造するための自動機を受注し、現地向けにカスタマイズしたおにぎり成型機を製作して納品しました。現在は、同じお客様から『RB-SSS』の注文を頂き、台湾の台北から台南までの全工場に納品することが決まっています。日本食ブームや健康食ブームを背景に、アジア圏(韓国、香港、シンガポール等)やヨーロッパの企業から当社への問い合せが増えてきており、海外での事業展開も進めていきたいと考えています」と、市川社長は海外展開の展望を語る。
「当社の中長期的な製品開発のテーマは、省人化と省スペースの強化です。省人化では、食品工場の米飯を扱う現場において、作業者が行っている仕事を機械化・自動化し、工場の省人化にさらに貢献できる製品を開発していきたいと考えています。また、現行のふっくら成型や包あん等の機能を搭載した製品は、大型の機械となるため、広い設置スペースが必要になります。このような機能を搭載した製品のコンパクト化を進め、卸売市場の食堂や町の弁当屋さんなど、狭いスペースにも置けるような製品を開発できたらいいですね。そうすることで、幅広いお客様に当社の製品を使っていただけるのではないか、と考えています」と市川社長は将来を見据える。



平成29年度「川崎ものづくりブランド」認定製品
『おにぎり自動成型機 RB-SSS』
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