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会社名株式会社 テクノドライブ


精密で滑らかな動きができる 産業用ロボットの制御モータが新しい未来をつくる




代表取締役 木代 僚一
事業内容
精密機械器具製造業

  • 企業名  株式会社 テクノドライブ
  • 創業    1993年(平成5年)5月
  • 所在地  川崎市多摩区三田 1-26-28 ニューウェル生田ビル
  • 電話    044-935-0072
  • 従業員  8名
  • 代表    木代 僚一(キシロ リョウイチ)
  • URL   http://www.technodrive.com

 デジタルカメラやプリンタといったデジタル家電の駆動部に加え、多関節ロボットや溶接ロボットといった各種産業用ロボットの「位置決め制御」用に幅広く使われているデバイスが、ステッピングモータだ。モータに送り込むパルスと呼ばれる電力信号を制御することで、回転運動を自在かつ綿密に制御できるのが特徴だ。株式会社テクノドライブは、創業以来、このステッピングモータの総合メーカーとして、モータへの電力供給源となるドライバを中心に、ステッピングモータ本体や、ICなどを組み込むことで様々な動きを制御できるモーションコントローラーの設計・製造・販売を手掛け、技術変化の激しい業界をけん引してきた。ステッピングモータの世界では、より高精度な位置決めを求める声が強まっており、同社が得意とする「精密さ・滑らかな動き」を実現する制御技術等に一層磨きをかける。今後は、医療や介護機器といった新分野への用途開拓も本格的に進めていきたい。

● 独立したきっかけは、ドライバの持つ「将来性」


 株式会社テクノドライブは1993年5月創業。今年25年目を迎える。木代社長は元々、ステッピングモータ用のドライバを開発・販売する専業メーカーで、営業職として働いていた。やがて、業界への知見が深まるにつれ、とりわけドライバの持つ可能性に着目。この分野に「将来性」を感じて単身独立した。39歳の時だった。最初の数年間は出身元の専業メーカーの個人販売代理店という位置付けで事業展開を進めたが、徐々に自社で設計・製造を手掛ける部分を増やしていき、前述の通り93年に法人化した。それでも設立当初、取引先は10社ほどに過ぎなかった。
 木代社長は時間とお金が許す限り、国内外で開かれる展示会や見本市に出展。自社製品のPRを繰り返し、いわば自身の足と汗でもって新規取引先を少しずつ開拓していった。その労が実って今日、取引先はおよそ300社を数えるまでになった。「新聞の株式欄に載っている上場精密機器会社の約半分」と取引があるという。
 また、顧客の海外進出や海外メーカーへの販売拡大を受けてグローバル展開にも力を入れ、中国・台湾・マレーシア・アメリカ・カナダ・メキシコ・ドイツ・ポルトガルなど、海外に約10拠点のネットワークを有している。年商約2億円のうち、海外売上の比率は足元では約2割にまで高まっているという。

● 海外展開することで「品質管理」の重要性を再確認、安定生産につながる 


 一見すると、順風満帆な成長を続けた四半世紀であったように映るが、むろん現実は異なっており、山あり谷ありの連続だった。そうしたなかでも最大の試練は約10年前に訪れた。
 同社はそれまで、国内だけで行っていたドライバの設計と製造機能の一部を韓国へ移した。人件費の高騰などが理由だったが、運悪く、移転後ほどなくして為替が歴史的なウォン安へと転換し、同社は想定外の為替差損に直面することになった。さらに悪いことは重なるもので、韓国の生産拠点の「品質管理」に不備があり、こちらも想定外の不良品を大量に出す事態となってしまった。結果として、大幅な利益減を迎えてしまっただけでない。最も大切な顧客の信頼すら失いかねない危機となったのだ。
 木代社長は、何度も何度も訪韓し、生産方法などを直接指導するとともに、製品検査の手法なども細かく指示した。「ひとつの不良で信頼は壊れます。不良ゼロのための品質管理は日本では当たり前のことですが、海外ではそうではありませんでした」と振り返る。
 幸い、こうした「品質管理」の徹底に加え、日々の業務管理も「信頼関係のある現地企業に委託する」といった体制整備によって、不良品の発生はまもなく激減。安定生産につなげることができたという。

● 医療機器や介護機器などにも応用できる新製品「TMC8100」が、未来への第一歩


 現在の社員数は8人。木代社長と息子の哲誌氏(統括部長)を除くと、販売担当が5人で、残る1人が設計を担うという陣容だ。木代社長によると、ステッピングモータ用のドライバ設計には専門的な知識と経験が必要不可欠とされており、現在これらをフルレンジで手掛けられる技術者は「日本には3人しかいない」とのこと。近年、ステッピングモータを巡る市場の動向は、技術の変化がますます激しく、製品自体の小型化・高性能化ニーズも高まる一方にある。同社でも、こうした市場ニーズの変化、とりわけ小型化・高性能化に対しては一貫して取り組むことで顧客満足を獲得してきた。なお、制御技術に関しては特許も取得している。
 こうしたなか、同社が開発した「4軸補間モーションコントロールLSI(TMC8100)」が、今年1月に発表された「第14回かわさきものづくりブランド」に認定されるという朗報に恵まれた。産業用ロボットなどでは従来、多軸制御を行う際にステッピングモータの回転動作や振動の調整に多くの時間を要することが多く、コストや生産効率の面で課題が多かった。そこで同社では、これらの課題を解決するため、ステッピングモータの制御を担う大規模集積回路(LSI)を複数個またいで補間制御することにより、使用する全てのモータの動きを滑らかに同期させるという方法を考案し、この補間制御機能を有する特殊 LSI「TMC8100」を実用化した。
 「TMC8100」はチップ1つで4個のステッピングモータを精密に同期制御できるため、これまで欠かせなかったモータ間の煩雑な調整作業が不要となっただけでなく、例えば同LSIを5つ繋げれば、計20個のステッピングモータをスムーズにコントロールできるため、産業用ロボットなどに、より人に近い動きや、微細な作業をさせることが可能になるのだという。「LSIを補間制御することで複数個のステッピングモータを同期させるという発想は、これまでなかったもの。「TMC8100」を使うことでロボットアームなどの動きが滑らかになり、ロボット自体の設計も楽になる。ロボットを動かすためのソフトウェアも簡単になると、“一石三鳥”ですよ」と、木代社長も胸を張る戦略製品だ。
 「TMC8100」を梃子(てこ)として同社が描いているのが、人間の動きに近い複雑かつ滑らかな動作が必要とされている医療用や介護用ロボット分野への用途拡大だ。「今までの実績をもとに、今まで手掛けてこなかった新しい分野に踏み込んでいきたいと思っています」とのこと。
 米半導体メーカーの有名なキャッチコピー「Intel Inside」ならぬ、「TMC8100 入ってる」と呼ばれる時代がやってくるかも知れない。 因みに、「新しい酒は新しい革袋に盛れ」の諺ではないが、今年は息子の哲誌氏への社長交代も予定しているそうである。



平成29年度「川崎ものづくりブランド」認定製品
4 軸補間モーションコントロールLSI『TMC8100』
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