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会社名株式会社 ビヨンドザリーフ


世界にたった一つの手作りバッグで高齢者の編み物技術の継承と社会参加を目指す




代表取締役 楠 佳英
事業内容
編み物・装身具・服飾品等のデザイン、製造、卸売、販売

  • 企業名  株式会社 ビヨンドザリーフ
  • 創業    2014年(平成26年)7月
  • 所在地  川崎市宮前区宮前平2‐8‐4‐203
  • 電話    044‐767‐1147
  • 従業員  7名
  • 代表    楠 佳英(クスノキ カエ)
  • URL   http://beyondthereef.jp

 「高齢者が持つ編み物技術を生かしたファッション性の高いニット製のクラッチバッグなどを全て手作業で1ヶ月かけて丁寧に作っています」と楠社長は胸を張る。クラッチバッグとは肩紐の付いていない手で持てる小型のバッグだ。ハンドメイドで大人気のクラッチ、季節を問わず使えるカゴバッグ、1本の麻ひもで編み上げるヘンプ、アラログ() 素材のオリジナルバスケット、宮城県石巻市の機織りクラッチなど約90種類のバッグをストーリーや共感とともにおしゃれな女性達に届けて
いる。

● きっかけは一人暮らしの義母、高齢者の編み物技術を次世代につなげたい


 「きっかけは一人暮らしの義母です。義父が亡くなり二人の息子も独立し、専業主婦だった義母は寂しさを埋めるかのように大好きな編み物に没頭していきました。“義母の大好きな編み物で何か出来ないだろうか?”とふと思ったのがビヨンドザリーフの誕生のきっかけでした。」と、楠社長は当時を振り返る。
 有名ファッション誌で編集をしていた楠社長は朝から晩まで忙しく働き、社内のコーディネートルームにある1万着以上の服飾を見ても素敵だと感じる余裕はなかった。
 ある日、手描きのイメージ画と毛糸を義母に渡すと、数日後には想像以上に素敵なバッグが編み上がった。それが記念すべきサンプル第一号になった。サンプルが幾つか出来上がり、雑誌社の同僚に見せると「可愛い!」「使える!」と評判が良く、ブランド化を決意した。
 自分には作ることが出来ないからこそ魅力を感じたという。「この感動を次の世代に伝えなければならない」と思った楠社長は、平成26年7月に川崎市宮前区有馬の自宅でビヨンドザリーフを立ち上げた。その後、エンジェル(個人投資家)から出資を受け、平成27年12月に現在地にて法人化した。
 「ビヨンドザリーフは“珊瑚礁の彼方に”という意味です。“ずっと遠くまで、いつまでも会社が繁栄しますように”との願いを込めました。また、毛糸製のバッグは冬だけという固定概念を崩す為に、夏の海でも使えるように内部の生地や貝殻の装飾を工夫しています。お客様に“自分の枠を無くして欲しい”という願いも込めています。」と楠社長は熱く語る。
 現在、運営スタッフは7名、作り手は編み手と縫い手を含めて55名の体制だ。

● 小さなバッグを通して人と人のつながりやコミュニケーションを生み出す


 「高齢者の編み物技術を今の人達に受け入れられるようにお客様のニーズに歩み寄ることが大切です。商売として高い価格で販売する為に、付加価値を生み出し、独自性を高めています。 ただ単にバッグというモノを売るのではなく、モノ作りのストーリーや共感というコトを売っています。高齢者や主婦の生きがいと技術継承を目的に社会課題を解決する今までに無いコンセプト型のファッションブランドです。」と楠社長は力強く語る。楠社長は、法人設立と同時に出版社のライターとしてフリーランス契約し、現在も月1~2回、ファッション誌の連載記事を書いている。それがスタイリストとの接点になり、ファッションセンスも磨かれ、流行情報をいち早く入手できるなど商品作りに役立っている。
 バッグは、1月半に1回の受注日にホームページ上で購入できる。完全受注生産で代金は前払いだ。“安くない、すぐ来ない、いつでも買えない”というデメリットを、“希少性、待つ楽しみ、ワクワク感”に変える工夫がある。それは、購入者がバッグを待っている1カ月の間にプロフィールや編み手カード、商品発送メールなどで作っている状況を知らせる仕組みだ。
 その結果、購入者がSNSに投稿した編み手カードが拡散したり、お礼のメッセージカードが届くなど小さなバッグを通して人と人とのつながりやコミュニーションを生み出している。
 「当社のようなニッチなブランドが生きていける理由は、ネット時代のおかげです。特にSNSが発展して情報発信が可能になりました。そして、モノ作りのクオリティーには絶対の自信を持っています。“ニットバッグと言えばビヨンドザリーフ”となるようにブランド力を高めていきます。」と楠社長は前向きだ。
 クオリティーを維持する為に、出荷までに5回検品する結果、商品として販売できるのは4割ほどになる。作り手は購入者の喜ぶ顔を想像して最後の糸1本まで丁寧に作っている。

● インストラクター制度の導入により人材育成と技術力の向上に取り組む


 「最も苦労したことは、システムエラーが受注日の前日に発生し、受注日を1週間延期したことです。1月半に1回の大切な受注日に焦点を合わせて告知しているので、お客様には大変ご迷惑をおかけしました。創業以来、初めて悔し涙を流しました。」と楠社長は語る。
 ホームページの保守メンテナンス会社と徹底的に議論して再発防止策を検討した。この件をきっかけに楠社長の苦労を近くで見ていた企業経営者の旦那さんが元システムエンジニアの経験を生かして交渉を担当する取締役に就任した。
 「今は人材育成に注力しています。作り手の実力の差が大きくなってきたので、インストラクター制度を導入しました。以前は高齢者の作り手には分かりにくいちょっとだけ均一でない商品などは自分一人が心を鬼にして指摘していましたが、今はチーム毎のインストラクターにその役回りや作り手の育成を任せています。それに伴って報酬体系も変更しました。その結果、技術力が向上しています。」と語る楠社長は、インストラクターを技術、人柄、信頼など総合的に判断している。今後は適正を見ながら作り手の担当する商品を分ける予定だ。その為に、ベビー向けの新たな商品などを開発している。
 「高齢者や主婦がもう一度社会に復帰できる働きやすい環境を作り、モノ作りの技術を次世代に継承する」が当社の経営理念だ。
 「もっとローカル化しようと考えており会社の近くに店舗を作る予定です。地元に根付いた活動として、商品を作っているところを見て頂きたいです。情報発信の場として、商品のショールーム、カスタムオーダーの拠点、子供達の編み物教室など幅を広げていきます。将来的には海外展開も目指しています。最適な越境EC(電子商取引)サイトの構築に向けて、法律、トラフィック(取引)、言語の3つの壁を乗り越えるべく準備を進めています。」と楠社長はビジョンの実現に向けて邁進する。



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